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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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since 2005.Feb
KENJI URAI 15th Anniversary Concert Wonderland
浦井健治

ゲスト:AKANE LIV、照井裕隆
ダンサー:加賀谷真聡

@東京国際フォーラム ホールA 1階14列下手側


 コンサートをやりたい気持ちになったのは、芳雄さんの影響なのだそうです。(当日MCより)芳雄さんと同じホールAで、ご自身の軌跡を噛みしめるような、そして私にとっては、思い出を紐解くようなひとときでした。本当にたくさんの作品、いろいろな曲を詰め込んでくれて、こんなにも浦井さんから元気をもらっていたんだなぁ……って改めて感謝をしたい気持ちになりました。芸能界にデビューした作品であるクウガから、最新作「王家の紋章」まで、ひとつとして同じ顔の作品はなく、コンサートなのにミュージカルを何本立てかしてしまったような、一曲一曲の濃密さがすごい!!ご本人も長年こだわり続けて追究している芝居歌、オギー先生から「今日は脳内コスプレをさせる」ようお言葉を賜ったという、色や味のまるで違うキャラクターを自在に演じ分ける柔軟さを改めて感じたのでした。だって、すごいカメレオンだなぁと思っても、普段はあっちの作品のこの役とこっちの作品のあの役を並べて観ることができないじゃありませんか。今日はそれができてしまうのですもの。

 あと、ご本人もおっしゃっていたことだけれど、確かに声が変わったかも、広がったかも、と素人耳にも感じることがあって、たとえば「蜘蛛女のキス」のヴァレンティンや「回転木馬」のビリーに代表される低音が、公演当時と今夜ではぜんっぜん違っていました。うまく言えないけれど、以前聞いたときより深い物語が編み込まれていたみたいな。

 MCのたびに感謝の言葉や、支えてもらっての今があることや、過去・いま・これからがすべてつながっていることなどに触れるのが印象的でした。が、やはり(笑)トークでは浦井砲が炸裂していて、寧ろのこのギャップに安心してしまうというか。

「今日は僕ひとりなんですっ!いつもはさんにんでやってるんですけど、今日はひとり…!どうしよう芳雄さん、育…!」

 と、手汗をズボンでなすりながら、今日は突っ込みが不在ですと暗に公言するStarSの次男坊でありました。

 また、そのStarSコンサートの際に、サイリウムで光る客席をホタルイカにたとえて沸かせた前例を持つ彼は、今日新たな迷言を歴史に刻みました。

「サイリウムすごくきれい!!米粒みたい!!」

\米粒/

 米粒ですってよホタルイカの皆さん。もう笑いが止まりません。その直後に新たなイメージが降ってきたようで、「…チンアナゴみたい」と表現を改めますが、 さらに迷走する結果に。終盤でも客席の輝きに感動した浦井さんは何か言いかけましたが「もうたとえるのはやめます」と自主規制モードに入っておられました。

 ちなみに米粒のことは、後半でフォローしてくれました。

「米粒ってひどいよねw でも炊きたてだよ?つんって立ってるの、炊きたて!」

 以下、セトリに沿って徒然。舞台で見た作品のナンバーには★をつけてみました。


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posted by Elie | MUSICAL | comments(0) | trackbacks(0) |
Matthew Bourne's SLEEPING BEAUTY
主なキャスト(敬称略)

AURORA:Ashley Shaw
LEO:Dominic North
COUNT LILAC:Christopher Marney
CARABOSSE/CARADOC:Adam Maskell
KING BENEDICT:Will Bozier
QUEEN ELEANOR:Nicole Kabera
ARDOR:Mari Kamata
HIBERNIA:Kate Lyons
AUTUMNUS:Jack Jones
FERAL:Katie Webb
TANTRUM:Liam Mower
LORD RUPERT:Leon Moran
VISCONT AUBREY:Daniel Collins
MISS MADOX:Mami Tomotani
FLOSSIE:Katerina Lyndon
ARCHIE:Andrew Monaghan
BERTIE:Philip King

@東急シアターオーブ 1階20列センター 千穐楽

 やっと生でこの作品を観られた………!!!!!!サドラーズかどこかで初演されたときから来日を待っていて、DVDを見て、映画館でも見て、クリスのライラック伯爵にずーっと会いたいと思っていたので、待望のキャストで見ることができてもう震えるしかありません。大感激でした。今回の来日公演でオーロラデビューだった真梨さんのオーロラ姫も、願わくば見てみたかったなぁ…

映像の感想はこちら
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posted by Elie | MATTHEW BOURNE | comments(0) | trackbacks(0) |
「ラストキング・オブ・スコットランド」
 ウガンダの独裁者アミンの姿を、彼の主治医(架空の人物)の目を通して描いた物語。マカヴォイさんはアミンの主治医ニコラス・ギャリガンを演じています。白衣もお似合い。仕事はしっかりこなすけれど堅物ではなく、遊ぶ姿はけっこう軽薄な感じ。こういう一瞬にかけて生きている顔をすると、すごく輝きを増す気がします。いけないことしてても、ちょっぴりやんちゃとかイタズラで済まされてしまいそうなところがマカヴォイさんたら、ずるいんだから(笑)。

 アミンが実際にどういう人物だったかわからないけど、友達にしたら鬱陶しいな〜という描かれ方でした。別に生き方を見失っているわけでもなさそうなのに自分にとって手元に置いておきたいお気に入りをとどめ置くためなら導く者を気取って手段を選ばないところが、ギャリガンの言葉を借りると子供じみているのかなと。そいつに捕まって、知らないまま過ごすはずだった一種の狂気の世界で生きねばならなくなるギャリガンの中でも、目覚める予定のなかったしたたかさなんかが生まれていたのかもしれないな。

 ちょっと足を踏み出す方向を間違えたら命も危ぶまれる世界で、マカヴォイさんの両極の表情を見ることができました。人づてに自分を貶める名を聞いた瞬間の強い目がね、ほとんど獣のようですんごかったわけです……!!と思いきや、一瞬理解できないことを言われて「?!」と相手を見上げる目の透明さとか。「ザ・セル」を思い出させる最終局面の場面が痛々しくて、正視するに耐えないけれども、どういう局面にあってもギャリガンは高潔で美しいのでした。汚泥の中でも輝きを保ち続けるガラスみたいに。あの瞬間まで、逃げようとしてきたギャリガンが耐え難い苦痛のさなかにまっすぐに自分を見つめてきて、アミンは怯んだようにも見えました。

 ところで、スラックスの下にパンツを履かないのですか?重ねて用意しておいてそのまま履いちゃうの?と疑問に思わずにはいられない大サービスのお着替えシーンもございます。
posted by Elie | JAMES McAVOY | comments(0) | trackbacks(0) |
「SHAME」
 これの前にマカヴォイさんが少しだけ出演している「Murder in Mind」というドラマの断片(字幕なし)を見たのです。マカヴォイさんは主人公の先生(校長先生をしているらしい)に声をかける男娼の役。冬であるにもかかわらず薄着で寒そうにし、あの人を惹きつける顔でにっこりと微笑んで、こちらがあえてしまい込んでいるものに触れながら知らぬふりをして離れてゆくような…男娼として「そう」やって生きるようになって身につけたものが自然に滲み出てくるような仕草。計算を計算に感じさせない小首の傾げ方、声の調子、きっとあのひゃひゃっとした甲高いのや、くくっと喉の奥を低く鳴らすようなのも、使い分けてるに違いない。笑い方ひとつで相手を翻弄する長けた感じ。声も感情も、震えとか揺らぎがすごく危うくて色っぽい。御しがたく激しいものが迸る(またはあえてそうする)のとか、下手に触ったら壊れてしまいそうな繊細さがありながら、狡猾に自分を隠して相手をあおったりとか、ひとを惹きつける美貌と高潔さとを持ちながら、破滅的でゲスい。これ真骨頂かも。

 うーんたまらん!なんて騒ぎ立てていたら、ふぉろわさんが本作「SHAME」を勧めてくれました。マイケル・ファスベンダー主演、性依存症の男性の物語です。たとえば共演回数の多いコリンとマークが、どの作品でも役柄上で幸せになれないと、違う世界線でもいいからどうにかして決裂せず、平和と安息を得てほしいと願ってしまうように、X-MENシリーズで共演しているマカヴォイさんとファスベンダー氏の役柄をクロスオーバーさせたらどんな化学反応が起きるのかという、そういう視点をとっかかりにしたお勧め作品でした。

 物語は、性依存症のブランドン(ふぁす)の生活が、彼の妹の介入により崩壊してゆくというもの。色合いが全体的にパサついた感じで、その行為が本当ならもっと愛に溢れていたり、相手への気持ちがありそうなものを、ただバイタルを維持するために摂取するサプリメントのような、しかも一日数回ではなく、暇さえあれば、できることなら延々点滴しておきたいようなものになっているように見え、そういう自分の感覚が常軌を逸しているとどこかで理解しているからこそ、女性を(時には男性も)そういう対象にしか見ていない自分に気づいて苛まれるのかもしれないと、ちょっと息苦しいような気持ちになりました。

 で、ここにマーティンくん(「Murder in Mind」のマカヴォイさん)がやってきて、同情でもなんでもいいから少しずつ芽生えるものがあったとしたら、お互いに求めるもの、与えられるもの、どうしたいか、どうありたいかという相手への欲求がうまく満たされない空洞が生まれて、切ないすれ違いが起きるのかな…と想像して、うつくしいブランドンの肉体の内側に潜む癒しきれない闇を垣間見るような心地になるのでした。

 妹が>>>>ネタバレ>>>>自殺を企図して手首を切った<<<<ネタバレ<<<<とき、ブランドンは必ずしもそれだけではないのに自分がすべて悪い気がしなかっただろうかとも考えました。
posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(0) |
Baked Hotel
キャスト(敬称略)

ロドリゲス・三郎・スピン:吉本真悟
ヤン・リー・チェン:蔡 暁強
ポリスマン:大野幸人
ガブリエラ:大野幸人
社長:大野幸人
ブレンダ:大野幸人
加藤さん:大野幸人
ラッキー・ローク:大野幸人
他:大野幸人

@スパイラルホール
2016年9月17日 F列センター
  9月 19日 A列センターやや下手側


 昨秋、京都で初演を開けた、演劇とダンスのドタバタコメディがボリュームアップ!パワーアップ!して東京にやってきました!わたしは初日と楽日にcheck inしました。

 「Delicious」がデラックスになって再演されたときのような、未公開シーンを追加して再編集したような印象で、それぞれの活躍場面が増え、幸人さんの役がひとつ増え(!)、それでも彼のメインロールがよりはっきりしたように感じました。また、人物の関係ものちの展開に対してとても自然に運ぶような設定が追加されていたりして(ヤンとラッキーさん)、三演目ではまたいっそう大きな作品に進化するのじゃないだろうか?!と期待を新たにしてしまうような物語に成長していました。

 個々の味(これがとにかく濃厚)から膨らんでゆくユニゾンの力強さだったり、それらの中に息をするように超絶技巧がさらりと登場するのは、あぁさすがこのひとたちの世界だなぁと安堵しつつ、いつも新鮮な驚きと高揚感があります。ダンスも芝居も境界がなくて、ダンス公演を観終わった感覚と演劇作品を観終わった感覚がいっしょくたに訪れて、こんなにしあわせでいいのかーーー!!!という気持ち。公演終了と同時にcheck outしたわけですが、ちょっと路頭に迷っています。つまり、現実に戻れていません。楽しかった……楽しかった……

 かなしかったり、つらかったりと、なにかしらの心の変化が起こって、気持ちが乱れて、でも最後にはハッピースマイル!自分の中で折り合いをつけていくにしても、隣人の助けを借りるにしても、時が解決してくれるのを待つしかなくても、必ずこのホテルには見守る視線とか、思いやりとか、そういう温かいものが流れていて、きっとそれが三郎さんのお父上が大切にしてきたものかもしれないし、三郎さんの天賦の才かもしれないし、ガブリエラの愛情なのかもしれない。何にせよ、ひとをおもうって、いいなぁ!と思ったのです。Baked Hotelに泊まりたーい!

 わたしが彼らを知ったのは2011年の「GQ chocolat」からだけれど、素人目に見ても技術的・表現的にずば抜けていて、どこで踊っていても目を引くし、心を鷲掴まれる!!細胞が震撼します。この作品に関して言えば、それプラス、役がこの上なくぴったりはまっているの。彼らのほうから役に歩み寄ってゆくのだろうけれど、逆のベクトルがあるのじゃないだろうか。と思うくらい。スーパーアイドルとスーパー芸達者とスーパーいじられ愛されマン。おいおい、みんなスーパーマンかよ。スーパーマンだよ!とにかく彼らの作り出す世界、溢れるパッション、大好きでして、恋に落ちるっていう感覚が、この場合にもあてはまるかもしれないなぁ。なんてね。

 稽古風景というか、ここをこうしようよとか、いろいろな調合にトライしてゆく、彼らの閃きの瞬間を収めたメイキングオブベイクドホテルなんていうのがあったら、それも見てみたいな〜。
posted by Elie | CSB International | comments(4) | trackbacks(0) |
ピーターラビット展、からの…
 わらべ歌以外はほぼ本を読んでいる、幼いころから馴染み深いウサギです。その生みの親であるビアトリクス・ポター生誕150周年を記念した、国内最大規模の展示会とのこと。私家版とか、スケッチブックとか、とても貴重でした。私家版にしかないマクレガーさんの奥さんの挿絵や(みんな真面目に列に並んでいたので、諦めて帰ってから図録で見ました)、のちに『ベンジャミンバニーのおはなし』に分かれるベンジャミンのお父さんの挿絵とか、今回初めて見るものや、いちばん最初はこうだったのかというようなこととか、とても見ごたえがありました。また、太い筆で色を置いたようなスケッチなんて、ビアトリクスにしてみたらラフスケッチなのかもしれませんが、そのままでもポストカードとして成立しそうなほどしっかりと(挿絵よりはざっくりした線でしたが)描きこまれていて、全部のページを見たかったです。色といいくすみ具合といい、写実的なのに柔らかくて、人間ほど明らかな喜怒哀楽が見えるわけではないけれど表情豊かで、仕草に人間っぽすぎない人間っぽさがあって、すてき!

 今回初めて知ったのは、タイトルのTale(おはなし)がウサギのtail(尻尾)とかけた言葉であるということ。言葉選びのこだわりは『こわいわるいウサギのおはなし』とか『モペットちゃんのおはなし』などにもあって、確か小さな子どもたちにもとっつきやすいように、だったかな。言われてみれば、とても簡単な文章でした。最初に出版されたのは蛇腹折りだったのですって。

 館内には『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』だかに登場する道路標識や、『ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし』を思わせる睡蓮の葉や、マグレガーさんの畑に作られたピーターの上着を着た案山子のオブジェも作られていて、壁紙なんかもビアトリクスの色彩の優しさを感じさせてくれる雰囲気でした。一連のお話に登場するキャラクターたちの相関図もあって、このおはなしの主人公が、実はこっちのおはなしのこの子と仲が良かった、とか、そういうちょっとしたこともわかって、またピーターラビットのおはなしを読みたくなりました。この相関図、ピーターのおとうさんがパイの姿で描かれているのがとてつもなくシュールです。

 ビアトリクスの物語は「ミス・ポター」という映画にもなっていて、私は映画館で見たのですが、湖水地方の情景がとても美しくて、ここがおはなしのあの場面に!と感激したのを思い出します。主演はレネーとユアンじゃなかったかな。ラブストーリーのほうも素敵でした。

 イヤホンガイドはディーン・フジオカ氏。あの爽やかで落ち着いた声で、いくつかのおはなしの原文朗読を聞けました。

於:Bunkamura ザ・ミュージアム


 …からの、というのはピーターラビットのあと、同じBunkamuraのギャラリーで開催されていた万華鏡展2016にも立ち寄りましたよ、ということ。万華鏡といっても、駄菓子屋で売っていたり、図工の時間に鏡を三角の筒にして先端にビー玉をつけてビーズを入れて作るのとは全然違った、プロの作家の世界です。固定された鏡筒(それも円筒だけでなく、直方筒や、埴輪のようなものまで!)に取り付けられたステンドグラスの円盤を回すのや、2枚重ねた円盤をあべこべに回せるのや、ポプリの入った小さな壺のようなのや、これが万華鏡?!というびっくりするような姿をしたもの。それから、とろけるように動くキラキラのかたちも材質も様々で、作家が銘々で研究したオイル(グリセリンとかの濃度を調整して使っているそうで、作家によって違う濃度なのだそうです)にビーズや、メタリックなバネや、いろいろなビーズが浮かんでいて、中にはキラキラの層を二重にして、上と下でオイルの濃度を変えたものもありました。きらびやかで幻想的な小さな窓の中…外?いつまででも見ていられます。

 二種類の円盤をあべこべに回せるタイプが気に入って、何度も何度も覗きに行きました。
posted by Elie | MUSEUM REPORT | comments(0) | trackbacks(0) |
海のハンター展
 本当は、空いているであろう平日に行きたかったのですが、諸々の事情で叶いませんでした。夏休みが終わった(あるいは終了目前である)はずが、意外と家族連れで混み合っていました。特に小さな男の子のいる家族が多く、怖い顔をしたサメがたくさんいたのに怖がる子がいなかったのが、これまた意外。こういう生命の進化的なお話はおもしろいですね。

 展示は、深さや領域の別に4つに分けられ、食餌にもっとも関わる口の形や、骨格のつくり、ハンティング術、護身術など、様々な観点から生き物を紹介していました。いちばん最初は「噛む」能力を手に入れた口の話。顎ってすごい進化だったんだな、と恐ろしい歯並びのサメたちを見ていて、その種類の多さに納得します。たとえばホホジロザメの噛む力は1.8トンだそうですが、我々がスルメを噛む力と並べてくれたらよかったのに、想像を絶するけれど、あの歯でそんな圧力をかけられたら間違いなく人類の胴体は真っ二つです。ちなみに、約1000万年前にいたといわれる巨大ザメ カルカロドン・メガロドンは体長12.5メートル、噛む力はホホジロザメの10倍に当たる18トンと推定されるとか。成人男性でも鰓から出入りできそうな大きさ。近くには「大アマゾン展」でも登場したダンクルオステウスの頭部が。こいつの顎も、見た目がほどんど嘴と言ってよくて、なかなか強烈そうです。

 とにかく大きい古代生物の皆さん。当日の呟きではフタバスズキリュウと言いましたが、本当はタラソメドンという子らしく、頸椎26個だっけ?もっとだっけ?胴体より首のほうが長い、陸上で暮らす我々からしてみるとちょっとバランスの悪いスタイルに見えます。間違えてしまい申し訳ないフタバちゃんは、当時学生だったスズキくんが化石を発見したのでその名を取ったらしいです。

 すごく驚いたのは、食べた魚に腹を食い破られた歴史的な相打ちの化石!A魚の口にはいましがた捕食したB魚の尾びれが覗いているのに、A魚の腹からB魚の頭ががばーっと飛び出しているのです。壮絶!この状態で化石になったなんて、奇跡的。遠い昔の海の中で起きた一瞬のできごとの生々しさを、化石からこれほど感じたのは初めてでした。

 あと、クラゲを捕食する亀の口だか食道だかが、それに対応した進化をしているっていうのは初めて知りました。猫の舌を拡大したみたいなトゲトゲで、クラゲの刺胞に対抗するそうです。ほかにも、人間に対しては致死的でも、シュモクザメにはばりばり食べられてしまうなんていう、毒を持った小型の魚類も。これは何というのか忘れたけれど、フグたちと一緒に模型が展示されていました。シュモクザメと言えば、サメでは珍しく集団行動をするのだそうです。そういえば映像なんかでもおひとりさまで悠々と泳ぐ彼を見たことがない気がする。

 ハンティングされるほうの護身術についても触れていて、面白かった。ヌタウナギみたいに粘液を出して捕食者を窒息させてしまうアグレッシブなやつから、リーフィーシードラゴンのように海藻に擬態して漂うやつまで、様々。

於:国立科学博物館

posted by Elie | MUSEUM REPORT | comments(0) | trackbacks(0) |
「セルフレス/覚醒した記憶」
 マシュー・グード出演、ターセム・シン監督。それもマシューがサイコな役柄とくれば、これはもう観にゆくしかあるまい!と公開初日に行ってきました。マシューは「シングルマン」「イミテーション・ゲーム」「イノセント・ガーデン」で観ており、当方でもその振れ幅の大きさや吸引力に大騒ぎしております。監督は「落下の王国」「ザ・セル」で圧倒的な映像美を見せつた方。それから「白雪姫と鏡の女王」は石岡瑛子さんの衣装とのタッグも鮮やかでした。(白雪姫は、わんわんキュンキュンしているアーミー・ハマーくんが可愛いので、その点でもおすすめしたい)


以下、ネタバレしているため畳みます。


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posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(0) |