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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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since 2005.Feb
歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉
主なキャスト(敬称略)

阿弖流為:市川染五郎
坂上田村麻呂:中村勘九郎
立烏帽子/鈴鹿:中村七之助
阿毛斗:坂東新悟
飛連通:大谷廣太郎
翔連通:中村鶴松
佐渡馬黒縄:市村橘太郎
無碍随鏡:澤村宗之助
蛮甲:片岡亀蔵
御霊御前:市村萬次郎
藤原稀継:坂東彌十郎

 舞台上演中から気なっていたはずですが、きっと何かしら折り合いがつかなかったのでしょう。この上映を心待ちにしていました!!いつも見ている〈いのうえ歌舞伎〉とはまた違って、これはより歌舞伎であります。というのも当然で、出演者が全員歌舞伎役者なのです。伝統的な歌舞伎と新感線の味が絶妙に融合していて、あらゆる瞬間がかっこいい!隙がない!物語が進むにつれてぽろぽろと明るみに出てくるひとの真意とか、そうやって展開してゆくのに興奮しっぱなしでした!!生で見たかったけど、見ていたら身を持ち崩していたことでしょう…

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posted by Elie | DANCE, BALLET, PLAY | comments(0) | trackbacks(0) |
大野幸人ソロパフォーマンス「Angel」
出演:大野幸人
パーカッショニスト:佐藤仙人文弘
脚本・演出:石丸さち子

@ニッポン放送 イマジン・スタジオ LB列センター(上手サイド)

 ご活躍の目覚ましい幸人さんのソロ企画第三弾にして、やっと彼のソロ公演を見ることができました!アイドルとして活躍していた少年の心象を、彼の自叙伝を通して旅する感じの95分。


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posted by Elie | CSB International | comments(0) | trackbacks(0) |
ビントレーの「アラジン」
主なキャスト(敬称略)

アラジン:福岡雄大
プリンセス:小野絢子
魔術師マグリブ人:マイレン・トレウバエフ
ランプの精 ジーン:池田武志
アラジンの母:楠本郁子

@新国立劇場 オペラパレス 2階5列センター

 前回観たのは5年前。細かいところは覚えておらず、まるで初めて観るかのように楽しみました。

 初日の今日は念願の絢子姫!すんんんんんnnごくかわいくて、登場するや否や視線は彼女に釘づけに。2幕冒頭の浴場の場面でアラジンがこっそり様子を窺っているのですけれど、ちょっとそこ代わってくれたまえと思いました。すごく儚げに見えるのは、腕や指先の繊細さゆえかなぁ。目元はきりりとしたきつめのラインで縁取られているけれど、白い可憐な花が咲いているみたいなのです。アラジンと一緒になったあとに見せるお茶目な表情とか、魔術師をやっつけたあと、アラジンに抱きついて泣いちゃうところとか。その涙をアラジンが親指できゅっきゅって拭ってあげるのですが、大きな瞳でお姫様も見つめ返すのが、今世紀最大かってくらい萌えました。

 アラジンの福岡さんは、端正な雰囲気なのに、友人役との絡みやお母さんを茶化すようなコミカルな演技がころころと笑っているみたいに面白くて、このペアで「こうもり」見てみたいと思いました。初めて見たとき、ベラは絢子さんだったのだけど、「パゴダの王子」のさくら姫のような清純さを持ちながら、妖艶さの対流も見られるの、たまらないのですよ。

 ジーンは本作の目玉キャラといってもいいかもしれません。実際に吊られて飛ぶような場面もあり、振付も、あぁ地面を歩く種類のひとではないと思わせる、跳躍と回転と、軸でない方の脚とのコンビネーションが人間キャラに対してちょっと異質かも。躍動的でかっこいいです。滑らかでダイナミックで爽快!アラジンへの忠誠がすごく感じられました。

 宝石たちはルビーがお気に入り。くるみのアラビアみたいな味を感じます。ほかの宝石たちもブリリアントカットという言葉を用いたいくらい、素敵でした。ほか、独特の仕草をするお母さんがカテコまでお母さんでかわいらしいです。お茶目というか、姫のお父上と意気投合して、素晴らしい子供たちと楽しい老後を過ごしながら、ますますかわいいおばあちゃんになってゆくのだろうな〜と感じさせるお母さんでした。

 ビントレーさんの作品は「美女と野獣」「ペンギン・カフェ」「パゴダの王子」と本作を見ましたが、どれもバレエらしいバレエから、コミカルな掛け合いまで、バレエ見ている感じがしないけれど、バレエを観たあとの優雅な気分になっているという、ふしぎな心地よさがあって好きです。いつか「カルミナ・ブラーナ」を見たいな。

 会場には5年前とはまた違ったランプのオブジェがありました。

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「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」
 連日のように見てきたマーベル映画は、ひとえにいろいろ知ったうえで本作を見たいがためでした。なるべく前情報は入れないようにしていましたが、"スティーブとバッキーの愛の逃避行だった"といったふうな感想だけはちらと見ていて、あぁまさにそんな感じだったなと思った次第であります。戦闘で本領を発揮するタイプの特殊能力を持った皆さんですから、逃避行を止めるにも、それに対抗するにも、その押しきり方とかが半端ないわけで、民間人を危険にさらし、不安に陥れ、不信を植えつけたとして講じられた対応策に関してアベンジャーズ内で意見が分かれて対立するのに、だんだん私情を挟みだして空港を大規模に破壊する結果になっているという、ある意味問題の根本をさらに面倒なことにしているように見えたりもして、これがさらに市井の人々の信頼を失ってゆくことにつながるのではないだろうか…などと頭をかすめたのも正直なところですが、普段は手を組んで敵に立ち向かうのが順当なところである彼ら同士の大喧嘩が見られて、ヒーローたちのスキルが遺憾なく発揮されるのを見られて、大いに楽しんでしまったのでした。

 キャプアメのシリーズ3作目であるので、物語の中心はスティーブ、そして彼と強く関連するバッキーの関係性にスポットが当たっています。好きだなぁと思うのは、バッキーがヘリの上昇緩めたとき。ポーの一族のエドガーがアランをつれてゆくときの「おいでよ、ひとりではさびしすぎる」を思い出しました。ここに限らず、互いを助けながら戦うシーンとか、スティーブとバッキーがお互いを大切に思っているのがすごく伝わってきて、すぐには起き上がれなくなったバッキーを守るスティーブなんて本当にかっこよくて…ヒーローオブヒーローだなと感じました。

 彼らの関係性に相似的あるいは対照的に存在するのが、トニー・スタークとの友情。互いに認める友人ではあるものの、共有してきたものの厚みとか重みがきっとスティーブの中ではバッキーとトニーでは違うのかもしれません。ふたりの喧嘩のクライマックス、バッキーは友達だから云々とスティーブが言うのに、トニーが「so was I(俺も友達だろ)」と返すの、切なかったな。結果的には友情は戻るわけだけれど、ああいう局面になったらスティーブはバッキーを選ぶのだもの。このくだりが一段落して取り残されたトニーの呆然とした様子が、アベンジャーズ同士の争いの不毛さを物語っているような気がして、心に虚無が吹き荒ぶのでした。仲良しな彼らが好き……
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「アイアンマン3」
 単独作品の最終章、アクションが進化しててすごくかっこよかった!ヒーロースーツの着脱すら遠隔操作で空中で自由に行なえるまでにし、その着脱さえ難を逃れるひとつの手段にしてしまったり、遠隔操作もあたかも中にトニーが入って活躍しているかのごとく。あのサルも木から落ちる的な連携で人命救助をするのはすごかったなぁ!クライマックスではこの遠隔操作と着脱アクション満載で、ジャーヴィスあっての技でした。歴代のアイアンマンスーツが勢揃いして戦うのは圧巻です。ファッションショーみたい。

 この流れで、ガイ・ピアース演じる悪役に熱エネルギーを発する能力の素を注ぎ込まれて大変なことになってしまったペッパーがトニーを救うのが、これまた痛快。彼女がアベンジャーズ側の人間だったら、こんなふうに戦ったのかもしれない。と思わせる場面でした。前半ではトニーに着せてもらった(咄嗟の機転)スーツを利用して、自分を盾に倒壊する屋敷に押し潰されそうになるトニーを守ったり、なかなかよいパートナーシップを見せてくれます。

 トニーにとってちょっとした刺激になるのが、ひとりぽっちの少年。歳のわりに落ち着いた立ち振る舞いを見せるあの坊や、とても可愛いです。ちょっと小生意気なのですが、留守の間に“整備士”が飾り立てていった部屋を見たときの喜びようときたら、少年らしく無垢で本当に可愛らしい!本作では坊やのほかにもアイアンマンのファンが何人か登場して、生活がすっかり変わっているのもわかりました。

 ところで、ハッピーおじちゃんの病室でかかってるのダウントンのシーズン1あたりでは?シビルお嬢様とトーマスが向かい合っていましたよ?懐かしいシビルお嬢様(;;)
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National Theatre Live コリオレイナス
主なキャスト

Menenius:MARK GATISS
Caius Martius Coriolanus:TOM HIDDLESTON
Cominius:PETER DE JERSEY
Titus Lartius:ALFRED ENOCH
Brutus:ELLIOT LEVEY
Sicinia:HELEN SCHLESINGER
Aufidius:HADLEY FRASER
Volumnia:DEBORAH FINDLAY
Virgilia:BRIGITTE HJORT SORENSEN


 トムヒ熱が高まったところに再上映?の吉報が!というわけで、映画の日かつ女性の日であるにも関わらず、そのいずれにもあやかることのできないNTLでしたが、この日しかゆけなかったので迷わず観に行ってきました!!

 思ったとおり、彼の声は舞台でよく響きます。生で聞いてみたい響きでした。歌うようなシェイクスピア節が心地よくて、たびたび字幕を読み忘れてしまうのでした。終始猛々しさが前面に出たキャラクターでしたが、時おり見せる恐ろしく澄んだ表情が絶品。かつての敵に喉を差し出すときのほんとうにまっさらなというか、無防備とは違うかも知れないけれどこの命、肉体、魂の他には何も、という感触に吸い込まれそうでした。(このあとのふたりの絡みが面白くてw)こういうときや、クライマックスで見せる涙がそれはもう。

 ケイオス・マーシャスは心と口が繋がっていると言われていたけれど、彼は政治の世界で生き残るのは難しい気がします。ひたすらに軍人、軍神で、でもワイフもボクも彼をとても愛しているし、最初は偏ってると感じた母上の愛情も、終盤ではシンプルに深いものを感じたから、このひとが政治的なほうにゆかず、戦線を離れたら普通の男で夫で父親で息子だったらなぁと考えてしまう、透きとおった涙でした。クライマックスで見せたのは。そんなふうに、彼があれほど心を動かされた瞬間が最初で最後だったらと思うと、farewellと言って家族を返したときにしたであろう覚悟がいっそう哀しいものに感じられます。自分の招いた結果、という点においても。

 戦傷を洗う場面が痛々しくて、うめき声も聞くのがつらいほど。でもケイオス・マーシャスはこれを擦り傷だと言う。いくさ場でしか本領とか持論とかを表出できないように生まれついたひとという気もしました。でも、これはトムヒが演じるからだと思うのだけど、ただすんごく愚直で不器用な男にも見えるのね。ぜんぶチラ見せる笑顔のせいなのだと唱えたい、とても素敵な彼の笑い方。笑うほかにちょっとおどけるところもあるのだけど(アドリブかな?)、終始熱く燃えるようだからそういうところがすごく引き立って、思わずカワイイ…と息を呑んでしまうのでした(笑)

 細身のズボンに麻っぽい被りのに革っぽく見える胴着がだいたいの基本衣装。初登場シーンでまず思ったことが、い〜いおちり!ということで(笑)。元々鍛えた良い身体をしてるみたいだけれど、役柄上もっと鍛えたのか着痩せだったのか、すごくガタイ良く見えました。政治活動の一環で票集めをするときは、白いワンピースみたいなのを着るのですが、これが膝下くらいまで長い。その中に内腿まで美脚のシルエットが窺えて、こんなところでも眼福〜なんて思ったりして。

 トムヒに注目しすぎてほかの役者がよそへ行ってしまったけれど、メニーニアスおじがコミカルからシリアスまで良い味を出していて好きです。あと母上が、高貴さと、女帝のような貫禄と、息子を思う母親をバランスよく塗り分けていて存在感がありました。

 幕間15分あり、舞台に散らばった血糊や色々をトンボで掃除したり、枠線を整えたりしている様子がそのまま映されていました。
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