BOOK SHELF
舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
好きなものは好き!

映画の感想はアプリを使い始めました。カテゴリーからMOVIEを選んで、表示される最新記事内のリンクから行けます。

ご連絡はコメントかメール(カテゴリーから選択)でお願いいたします。
since 2005.Feb
Art Climbers Works「BABYLON」
主なキャスト(敬称略)

月 ツキ:島田亜紀
青年 シン:梅澤紘貴
花 フルール:高木 綾
太陽の神 マタハリ:長瀬直義
雲の男 ヴォルケ:高橋竜太
闇のエクリプス:工藤加奈子
闇のアビス:矢島みなみ
シンの友人アエロ:田鹿尚子
シンの友人ゲイル:冨士原凜乃
新しい花 フロリ:桜庭絵利子
新しい花 ブルーム:黒田夏鈴

@狛江エコルマホール F列下手ブロック

 竜太さん率いるACWの全幕新作!なかなかこの団体の公演を見に行くことが出来なかったので、このたびが初めてです。独創的で、エネルギッシュで、ピュアでした。物語は、バビロンという砂漠の街で起こった神話のような悲恋のような、そんなお話。青年と好奇心いっぱいの明るい白い花、太陽と月、パックのように悪戯な雲。バレエにとどまらない自由さと、自由な中にバレエの芯があって、演劇的なコミカルさもあって、最後まであっという間でした。楽しかったです!特にラストにぜんぶ持ってゆかれました。彼女は何人目の月なの?って思ったら、すごくゾクゾクしました……。

 この結末を招くちょっとしたこじれ(?)に関わってくるのが太陽のマタハリさん。大好きなダンサー、長瀬さんが踊っていらして!端正でふとしたときに妖艶な雰囲気、それからフルールちゃんとのPDDでニコッとするのと、同じときに冷えた顔になるのと、シンくんと戦うときの絶対的な感じと。もうぜんぶすき……(重症)ロングスカートをたなびかせて踊るスッとした男性ダンサーってすごく素敵(重症)。久しぶりに長瀬さんのダンスを見られて幸せでした!!

 梅澤さんは一段とイケメンになっていた気がします!彼の踊りを見てると心が清められる。髪型のせいで周さんと似て見える瞬間が何度もあって、でも醸しだす雰囲気が全然違うの。

 綾さんは東バ時代も好きな女性ダンサーでしたが、今日も素敵でした!女神のような少女のような不思議なやさしい存在。新しい花に嫉妬するところが打って変わって黒くてよかった…!!

 このお花さんを雲がエスコートするようなひとこまがあって、感動で泣いちゃう〜って小芝居してて面白かったです。ダンスの中にも雲の性格がすごく感じられて、弾けんばかりのダンスのポテンシャルはもちろんのこと、竜太さんの器用さみたいなものを感じたのでした!
posted by Elie | DANCE, BALLET, PLAY | comments(0) | trackbacks(0) |
「デストラップ 死の罠」
 82年製作、ケインさん主演の映画です。落ち目の劇作家(ケインさん)が、かつての教え子(スーパーマンのクリストファー・リーブ)の処女作で起死回生を試みようと様々な作戦で原稿を我が物にしようとします。騙し、騙され、ときには共謀して。そういうところにちょっと「スルース」っぽさを感じました。

以下、結末に触れています。

 神経質になる妻を宥めたり、教え子との妖しい関係が仄めかされたり(これがカモフラージュなのか本当なのか)。台所から相手を呼んで、その隙に別の部屋に回って仕掛けを施してから気付かれないうちに戻る、そういうときのケインさんの、大きな身体を少し丸めてこそこそ立ち回るのが妙に可愛らしかったりも。

 クライマックス、雷鳴と稲光の中で演じられる騙し合いが、クラシカルな映像表現というか、人間の目を騙す古典的な技法っぽい感じ(フラッシュ)で描出されていて面白かったです。これの決着が着く瞬間はすんでのところで切られる形ですが、最後は……「ペテン師とサギ師」のような、あぁそこが取ってゆくのか…といった結末で、まさに漁夫の利。罠を仕掛けた当人たちが罠にかかってしまったのかな。
posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(0) |
「ビトレイヤー」
 マカヴォイさんとマークが共演したクライムアクション映画。刑事が追う犯罪者と、その犯罪者の息子を殺した犯人が同一であることが判明し、最初は敵対関係にあった追う者と追われる者が結託します。主軸となっている事件の説明や、以前の顛末をくどくど説明しないで、登場人物の言動から明かされるのみで展開してゆくのがよかったです。

 「トランス」のマカヴォイさんと本作の彼が似て見えてしまったのですが、どちらも刑事役でしたっけ。いずれにしても痛みに呻く演技と、どんでん返しで変貌する演技がすごく好きです。綺麗なのに汗臭いとか汚れているとか、精神バランスの危うい役とか、とても惹きつけられてしまう役者さんだなと思うのであります。

 対する犯罪者役はマーク・ストロング。思い詰めた顔、何かを成し遂げようと腹を括ったような顔をするのが最高に好きです。黒い社会に生きて、そういう孤高の男を醸すのと、息子を失った父親の姿が纏う空気感のギャップがすごすぎました。

 このふたりが追う追われるの関係だったのが、マーク演じるジェイコブ・スターンウッドが助太刀する形になって束の間共闘するようになります。まさか戻ってくるとは思わない展開でくるりと踵を返し、当然の顔して戻ってきて「go now!」とか声荒げて逃がそうとしてくれる。マカヴォイさんの襟を後ろからひっつかんで、腕ずくで早く行けと促すのも。本当に束の間、利害が一致していた間だけの関係が大変美味しゅうございました。

 明るすぎるくらいの都市の夜景が何度も映ることの意味はあるのかしら?スターンウッドが進む方向を変えるのは、あの電気のうちのひとつが点いたり消えたりするのと同じで、大したことでもなんでもない。とか。
posted by Elie | JAMES McAVOY | comments(0) | trackbacks(0) |
「アベンジャーズ」
 金ローで「アメイジング・スパイダーマン」を見ていたら、俄かにマーベル作品が気になり出してですね。でもどこから手をつけたらよいやらさっぱりなので、ふぉろわさんにお勧めいただいたこちらを。アイアンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカの面々がクロスオーバーするヒーロー映画です。

 スーパーパワーを駆使したアクションと、彼らが人間としてその力と折り合いをつけようともがくのが、「マン・オブ・スティール」を見たあとヒーローものに感じた魅力だったので、こういう色んなキャラクターが凌ぎを削るようにわいわい頑張るのはすごく面白いです。混戦してくるなかで仲間の結束が高まって、それぞれの能力が非常にうまく活きてくるのが爽快で。あ、アイアンマンが直立でホバリングしているときの手首が反り返っているの、アイドルみたいでかわいいですね。

 本作を見ていて気になったのはロキちゃん。独裁的で、物凄くダークな表情で登場するのに、途中幾度も見せる笑顔が、役柄上ハートウォーミングな類ではないのになかなかどうしてものすごくかわいらしい。危うさがとても魅力的。「マイティ・ソー」にも登場しているらしいので、こちらも見ることにします。このロキちゃんを演じているのは一部でトムヒと称されているトム・ヒドルストン。81年イギリス生まれの若い役者さんで、映画のほかに舞台でもご活躍されているようです。あの素敵な声、舞台でナマで聞いてみたい!!

 ちなみに私は以前、「戦火の馬」と「ミッドナイト・イン・パリ」で見たことがあるみたいですが、認識しておらず覚えていませんでした。見覚えがあるなぁと思ったのも道理です。前者ではニコルズ大尉。主人公アルバートの相棒ジョーイに乗って戦い、戦死してしまうけれど、とてもよい人でした。彼が散ってしまったとき、涙を禁じ得ませんでした。(たぶんこのひとのことであっているはず)後者ではフィッツジェラルド。奥さんのゼルダ役の女優さんに目が行ってしまっていた気がします。でも隣にいた端正な男性のことは覚えている!彼がトムヒだったなんて!どちらも映画館で見て以来の作品ですが、近々再見です。

 余談ながら、「戦火の馬」でジョーイが戦場で出会う名馬、後に生き延びる旅を共にするトップソーンの乗り手をベネさんが演じているよう。こちらも認識せずに見ていて…あぁ洋画界の知らぬが仏こわいです。。。
posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(0) |
National Theatre Live 夜中に犬に起こった奇妙な事件
キャスト

クリストファー・ブーン:ルーク・トレッダウェイ
シボーン先生:ニアマ・キューザック
エド:ポール・リッター
ジュディ:ニコラ・ウォーカー
ミセス・アレグザンダー:ユーナ・スタッブス
ミセス・シアーズ&ガスコイン先生:ソフィー・デュヴァル
ミスタ・シアーズ&ミスタ・ワイズ:ニック・シディ
ミスタ・トムソン:マシュー・バーカー
隣人:ライノン・ハーパー・ラフティ
ピーターズ師&ロドリ&テリーおじさん:ハワード・ウォード


 隣家の犬が殺されたことから始まる、少年の冒険物語。彼は自閉症とアスペルガー症候群のために、ひととの交流が苦手だったり、数学的な能力に秀でていたりします。彼の視点にこだわって描かれた人気小説を原作としています(知らなかった!読みたい!)。舞台も彼を通して世界を見つめ、彼の中で起こった混乱がプロジェクションマッピングで視覚的に表現されて、とても目新しかったです。天井から見る全景を平面的に使って空間移動を表すのが特に新鮮!(エスカレーターのシーン)見ながら、クリストファーの勇敢な姿を応援するような気持になって、彼は大丈夫かしら?どうするのかしら?とのめりこんでゆきました。続けてもう一回見たいくらいでした。好き!!!

 クリストファーは、願望とか、見て見ぬふりとか、情報の取捨選択とか、そういうフィルターの何にもかからない世界を見ているのかなと、電車の乗り換えなどの人と音の雑踏の場面を見ていて思いました。あと帰宅してから自室に向かうまでのルーチンワークのようになっている動作・動線も幾何学模様を描くように振付られていて、彼が見ている世界がきっと自分を含めた多くのひととは違うのだというのを見たような気がしました。生活雑音の中で心地よく集中して、手元の作業や自分たちの会話をできるひとには気づけないくらい情報過多の外の世界に、クリストファーがどんなふうに触れているのか。なんだかもうこれが日常だったらクラッシュしてしまいそう。

 たぶんそこは生き物、実にうまくできていて、ほかの人…というか社会はみんなが丸く平安に暮らせるように、規範とか、これ以上はいらないと思えば取ってこない仕組みにはめこまれていて、それが安全だと思っているのかなと。自分本位で見ているし、世間の大多数が自分と同じだから、クリストファーには特別な接し方が必要だと思ってしまうけれど(実際、両親や教師が彼に接するときはちょっと注意を払わないといけないけれど)、寧ろ彼以外の人間のほうが鈍磨している。つまり、生きていくうえで便利な退化をしたのかな。なんて考えました。

 当事者やその家族ではないので理解できない部分があったり、能天気だと思われてしまうかもしれませんし、鋭敏すぎる感覚では生きにくいかもわかりませんし、そんなこと軽率に言うなと咎められるかもしれませんが、数学が死ぬほど苦手で、感受性が大したことない私からすると、クリストファーが羨ましくも思えてしまうのです。そのくらい、彼の目で世界を見ることができたのは、驚きで、感動的でした。最後は、よい兆候が示唆されて終わるの、すごくホッとしました。

 カテコ後に、クリストファーが劇中で取り組んだ証明問題の解説が、これまた床いっぱいのプロジェクションで行われます。死ぬほど数学が苦手ですが、「証明終わり!」ですごくときめいている自分がいました。
posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(0) |
「マジック・マイク」&「マジック・マイクXXL」
 チャニング・テイタム主演の…ダンスムービーということにしてもよいでしょうか。夢を叶えるためにストリップショーで資金を稼ぐ主人公のお話です。1作目はどちらかと言うとマイクが引き込んだ素人青年の物語が中心になりますが、2作目はダンスシーンやマイクが夢のために行動することがはっきり描かれている印象。

 これやりたい!という熱い気持ちは大事だなぁと思いました。そしてそれをどういう形にしろアウトプットできるって素晴らしい。セックスアピールの強いダンスは、恥じらいとか道徳とは違うところにある、それこそ嗜好品的な、夢みたいなひとときなのかも。特にXXLの最後に見られる大きなショーは、観劇している気分にもなるし、キャーキャーいってる女の子たちと一緒になって、気分爽快でした。見ている人を煽るように踊れたら、きっとお互いに熱いものが迸るんだろうな。こういうショーを作っちゃおうという仲間同士の結束もだけれど、夢に向かって行動しようとするマイクのパワーはすごい。みんながまとまるのは、彼に牽引されている部分もありそう。

 そしてさっそく、ダンスシーンを見ながら彼らの腰つきや胸のアイソレーションを真似し始めるElieでしたが…ちょっと経験のあるだけではなかなかああも滑らかにはできないものです。あのえっちな動き方、会得したい。笑

 私の周辺では、出演作の中でやたらと脱ぐらしいと話題のテイタムさん。「キングスマン」の続編に出演が決まったらしいとか?早くもその筋力でスーツが弾けると話題沸騰です。どうせ脱ぐなら、ガゼルちゃんを演じたソフィアさんに続く、ダンス系アクションで魅せるキャラだったらいいな〜と思います。奥様との出会い作「ステップ・アップ」も見たいな。
posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(0) |
エドウィン・ドルードの謎
主なキャスト(敬称略)

支配人/トーマス・サップシー市長:山口祐一郎
エドウィン・ドルード:壮 一帆
ローザ・バッド:平野 綾
ネヴィル・ランドレス:水田航生
ヘレナ・ランドレス:瀬戸カトリーヌ
クリスパーク牧師:コング桑田
ジョン・ジャスパー:今 拓也
プリンセス・パファー:保坂知寿

@シアタークリエ 補助席センター寄り


 面白そう!と直感で、久しぶりにミュージカルを観に行きました。原作はチャールズ・ディケンズの未完の遺作。ミステリーですが結末はディケンズが墓場まで持って行ってしまったので、そこを想像に委ね、観客の投票によって犯人を決め、そこへ向けた物語を語ると言う前代未聞の第2幕が用意されています。幕開きも、支配人が出演者紹介をするという趣向で、物語の本筋を語りながら出演者のバックボーンと役が混ざり合うネタが多く、大爆笑でした。出演者をみればわかる方にはわかりますが、当然飛び出す四季ネタ。と、まさかのStarSネタwww(バザードは4人目になりたいとのこと)

 開幕前、幕間にキャストから繰り返されるアナウンスの中に「皆さんが盛り上がれば盛り上がるほど、支配人の身長が伸びるかもしれません!逆に反応が悪いと…あの大きな支配人が、帽子を被ると2mを越える支配人が、小さくなってしまうかも知れません!」と言うのがあって、笑いました。支配人には悪いけれど、小さくしてみたい(笑)。

以下、かいつまんでキャスト別。

続きを読む >>
posted by Elie | MUSICAL | comments(0) | trackbacks(0) |
Charlie Show
Cast
横関雄一郎、大野幸人、NOPPO(s**t kingz)& Charlie
navigator:新上裕也、piano:福井小百合、attend boy:松野乃知

@GUARDIAN DINING AND SOUL 昼公演 G卓壁寄り・夜公演 E卓中央寄り


 ビュフェとダンスショーのパック公演。普段は舞台と客席なのが、今日は両者がまったく同じ高さの、まったく同じ床の上で、共に過ごします。劇場の最前列や、スタジオパフォーマンスなんかでも、近距離の躍動感や緊張感は味わえますが、それとは桁外れに緊密な空間。だって、すぐそこ。ほんの10センチのところ、手を伸ばせば届きそうなところにで踊っているのですから、それはもう興奮しますとも…!

 かすかな呼吸の音、密かに唇を開いた音、ちょっとした関節の音まで聞こえました。自分の席の真後ろにダンサーがいることもあり、幸人さんが椅子の背に手をかけていることもあり、そういう見えないけれど感じるという体験をしました。頭上を横関さんの伸ばした腕が通り過ぎてゆくのを見上げるということも。新しいことでした。後頭部にも目が欲しかった!(正直)

 幾つもの忘れがたいナンバーのなか、タンゴの場面が最高オブ最高!!!遠くから早くも絡み合う視線、ただただ情熱的に見つめる視線、激しく相手を抱く腕、前脛や伸ばした甲で相手の脛を撫でたり。もうとにかくえろ過ぎてやばいってやつです。ひとりを巡って3人で踊るタンゴを思い出しました。

 抱腹絶倒シーンも用意されていました!ショウのタイトルにもなっているチャーリーが登場して、お客様参加型のイベントで盛り上げます。あの着ぐるみで美しいバレエポーズを決めるの、シュールでした。中の人は…お察しくださいませw

 裕也さんの作る世界は、どこか別次元からの視線を感じるのです。舞台で展開されている情景を、遥かから眺めていると言うか、それが映った水晶玉を覗き込んでいると言うか。自分もその世界の中にあるようでいて、少しも干渉できない、切り離された切なさもあって。不思議な感じ。

 本当に、こんなショウが毎週あったらいいのに!!!
posted by Elie | CSB International | comments(2) | trackbacks(0) |
「クラウド アトラス」
 よく名前を聞く作品だったのと、トム・ハンクスとヒュー・グラントに惹かれて。見終わったあと、わーーー!!!と思わず声が出てしまうほど、とてつもなく壮大!!!年代の離れた6つの物語にそれぞれに、大勢のプリンシパルキャストが主役から端役までを演じてぞろりと出揃い、まるでレミゼのようでした。あれも舞台ではコゼットが工場でファンテをいじめていたりするので、そんな風に感じました。映画ではなかなか味わうことのない、みんながアンサンブルっていう美味しさ!!!

 あれほど描きこまれた物語なのに、各キャラクターの生活や、語られなかった部分をつい想像してしまいました。転生に転生を重ね、どこかの世界戦で、出会ったときとは違う姿・違う境遇で再びめぐり合い、願わくば幸せになってほしい…。そんなふうに考えていたら、ひとりひとりについて1本の映画が作れそうですね。特にお気に入りは、フロビシャーとシックススミスのお話と、ソンミとヘジュのお話。どちらも自分たちの世界では幸せになれなくて、、、という切ないカップルです。

 様々なキャラクターが登場する中でも、ヒューの悪役ぶりが光りました。転生するたびにどんどん転落してゆくというか(笑)。特に食人種の長は、後にも先にも見られない扮装と野蛮な振る舞いがとても珍しかったです。彼の死に様が、リーというソンミの世界戦で不気味な店長(?)として登場する奴が手を下した、ユナの死に様とちょっとリンクするところがあって、業の深さ感じました。こんなふうに大化けしているキャストの皆さん、現場でも朝の挨拶の代わりに“あなた誰だっけ?”だったそうです。瞼が変わると本当にえらく化けますね。

 6つものエピソードがテンポよく切り替わり、時にそれらの繋がりを見せる中で、地球色をしたボタンとベストが印象的でした。あちこちと展開する物語に混乱するかと思いきやそれほどでもなく、むしろぐいぐいと引き込まれてゆきました。違う年代の出来事が、似たアングルと構図で矢継ぎ早に切り替わるの、感動的にすごかったです。気持ちよい。

 あまりに雄大で、壮大。広大無辺な中に取り残されて漂ってしまう感じもするのだけれど、愛情でソートするとクリアになる感じがしました。どの年代でも、どの生き物でも、変わらない部分だからかもとしれないなと。

 またあの悠久の流れが綿々と繋がっているのを感じるような音楽が最高です。作中で聞くのもいいですが、これは物語を知ってから終盤に聞くと心に沁みます。

 これ、映画館で観たかったな………
posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(0) |
「フィルス」
 マカヴォイさん出演作ということでお勧めいただいた作品。何の予習もなしに鑑賞しましたら、下のほうの話題が実にすごかった(笑)。というのも、たぶん主人公がよくない薬の影響で勃ki不全に近い状態というか、そういうことなっているから。なのかな。

 下世話なだけで終わらないのがなかなかの曲者で、主人公は少年の頃の記憶と妻子のことに拘っていて、たびたびそれに苛まれます。しかも、殺人事件の現場に現れた、ちょっとその場にそぐわないくらいの金髪美人が実は。。。薬の副作用で幻覚も見えるようになる。この幻覚が不気味。何かに囚われて、溺れて、苛まれて、壊れてゆく…

 そんな彼の前に、清らかな美人が現れます。ダウントンアビーでメイド長アンナを演じている彼女が演じる、急病で夫を失った若い未亡人。この夫を主人公が助けようとしたことでふたりの関係が始まってゆくのですが、このひとが本作唯一の清涼剤でした。最後に彼女の訪問に応対していたら、あんなブラックジョークみたいな最後にならなかったのではないかなぁ…(笑)

 X-MENでマカヴォイ入門された方は、結構衝撃を受けるかもしれない…
posted by Elie | JAMES McAVOY | comments(0) | trackbacks(0) |