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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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「恋の掟」
 原題はValmont、ラクロの「危険な関係」を下敷きにした映画です。1989年に制作され、日本公開は1992年だったよう。コリン・ファースがヴァルモン子爵を演じています。少年のような微笑みと、魅惑のにおいを振り撒きながら。

 子爵と言うだけあって貴族の扮装をしていて、先日のアルマンとは違い長い髪をひとつに縛って背中に垂らしています。メルトゥイユの言動から、手練手管に長けたことは察せられますし、佇まいからも“非常にフランクな”男性なのかしらと想像されます。自分に自信があり、迷いがなく、そんなところをひっくるめてとても麗しい。少年のような微笑みと書きましたが、下心あってその必殺スマイルを見せたりもしますから、そんなときは、こんな笑い方どこで覚えたの…と思わずにはいられませんでした(笑)。

 「危険な関係」は原作とダンスで作品に触れたことがあるのですが、舞台を観たのはちょうど11年前、本を読んだのはその少し前なので、ヴァルモンの末路は忘れてしまっていました。特に舞台では象徴的に描かれていた気がするのですよね。LIBERTEという血文字と、強烈な逆光か白い光があったのは覚えています。でも印象の違いだけははっきり感じました。舞台では犯罪色とか背徳感さえ感じたくらいなのだけど、映画では貴族のえっちな悪戯という、もう少しライトな感じがして、可愛らしく見えたほど。

 コリンのほかには、私の知っている俳優さんはいらっしゃらず。どこかで見ているかもわかりませんが。セシルとメルトゥイユが本を読んでイメージしていたのと近かったです。メルトゥイユの喋り方、瞬き、笑い方はまさに悪の華。彼女とヴァルモンに(子種までも)仕込まれたセシルは今後、無意識のうちに男を手玉にとってゆくに違いないと思いました。
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ゲキ×シネ 蜉蝣峠
主なキャスト(敬称略)

闇太郎:古田新太
天晴:堤 真一
お泪:高岡早紀
銀之助:勝地 涼
サルキジ/おるい:木村 了
がめ吉:梶原 善
流石先生:粟根まこと
お寸:高田聖子
立派の親分:橋本じゅん


 東劇の一週間上映の初日を見てきました。いのうえ歌舞伎というと「鉈切り丸」の印象が強くて、とてもシリアスな物語なのだろうと思っていました。そうしたら序盤はとにかくシモネタ満載だし、シリアスな局面にきてもそこで笑いに転じる?!という展開が多く、なにより堤さんにこんなに笑わされるとは思いもよらないことでした。彼の二役、必見です。ところで、鉈切りは歌舞伎ではなくてシェイクスピアですのでお間違えなきように。

 あれだけ笑わせておいてから、人間関係や事実関係がもつれたり解けたりしながら、物語が進むにつれてどんどん哀しい方向に転がってゆきます。天晴が“どこの何太郎であるとわかっていたい反面、それがわずらわしくもなる”といったようなことをクライマックスで言うように、それを利用した久太郎(九太郎?)のアイデンティティとか、お泪が愛したのは結局誰だったのかとか…見ていながらだんだんと真実がどこにあるのかわからなくなってきました。

 お泪ちゃんが愛したのは幼馴染の闇太郎ではなく、闇太郎を名乗った男だったのか。“死にたくない!”と取りすがるふるちんのああいう役というかお芝居を見たことがなかったけれど、こんなに脆く壊れてしまいそうに切々と訴えられたら、素性が不確かでも流されてしまうのも無理はないかもしれない……と思ってしまいました。言葉では拒みながらも抱きしめてしまうお泪ちゃんの心境、闇太郎…九太郎(久太郎?)が峠で待っていた間の心の内に思いを馳せてしまいます。

 闇太郎はどこからおかしくなってしまったのだろう?握り飯を渡されてろまん街を出たときか、待ち続けていくうちにか。それともずっと正気だったのか。それらの狭間で、それこそ蜉蝣のように揺らいでいたのか。彼が最後に見た蜉蝣が、ずっと心の芯にあったものなのかもしれないな。登場シーンのおちん出し丸ウルトラミニ(なぜか最初だけモザイクがw)も消し飛ぶほど切ない幕切れでした。

 お泪ちゃんを演じた高岡さんがとても可愛かったです。少女っぽさを生き生きと残しながらと、生き抜く強さというか覚悟みたいなもの感じる。けれど寂しそうな陰が、彼女の女と交じり合ってとても艶っぽいです。

 天晴を演じた堤さん、二枚目役者のスーパーロングポニテの完璧さは何かそういう事変であるかのごとくです。ポニテ事変。キャラクターも相まってなのですが、とにかくかっこいい。“振り回す刀がたまたま人に当たるだけ”などという物騒極まりないことを抜かしやがりますが、それでもいい。酒の壺提げて抜き身担いで流し目とか、間違いなくかっこいい。ふるちんとの大立ち回りでは、めくれた着流しから太腿までばっちり露出し、脚の長さも堪能できます。
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「Camille」
 1984年に制作された映画です。日本版は発売されておらず、UKの密林から取り寄せました。アレクサンドル・デュマの小説「椿姫」を基にした物語。ギエムとル・リッシュが踊った「マルグリットとアルマン」でしか馴染みがなかった作品でしたが、想像よりも純愛で(というかふたりの間には何の打算もなかった)、美しかったです。花が咲くときってまさしくこんな感じなのかもしれません。急速に色と匂いが濃くなって、粘度の高い蜜がとろうりこぼれてくる。そして最後は褪せて朽ちてばっさりと、それこそ椿の花の如く。強烈な余韻だけを残して。

 以下ネタバレ。


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「パディントン」
 チラシを無意識に貰ってくるくらいには気になっていた作品、そして何とコリンがパディントンの声を当てたかもしれなかった作品。可愛くて面白くて和む!と話題になっており、お勧めもいただき、観てきました。

 幾ら言葉に問題がなく、礼節をわきまえていようとも、悲しいかな始めは見てくれで判断してしまうもの。どれだけ可愛らしくても、種の違う社会にそうやすやすと溶け込めるわけはないのです。でもブラウン奥さんのように純真でオープンマインドなひとに出会えたのは、くまさんにとって幸運でした。彼に友達として接してくれるひとの助けによって、パディントンはかつての友、いまとなっては生活の唯一の頼りである探検家を探すのです。ブラウンさん一家の“分け隔てなさ”が救いである一方、ある種の不親切にもなり、事件の起爆剤でした。浴室が洪水を起こしたり、火を出したり…。有名映画のパロディも交えつつコミカルに描かれます。頑張って適応しようとするくまさんの奮闘ぶりがいじらしく、彼がいるお陰で心がときほぐれてゆく家族の姿には、バラバラでも個性的過ぎてももうそんなこといいじゃないかと思われてきます。

 ほのぼのした物語の世界で、悪役ニコさまがピリッと効かせます。「レイルウェイ」「リピーテッド」でコリンと共演していた彼女、「コールドマウンテン」「めぐりあう時間たち」でもとても美しく印象的な女優さんでしたが、こういうテンポ感のある作品での濃密でとろっとしたシロップのような悪役もお似合いですね!彼女にもブラウンさんのような家族ができて、喜びと照れ臭さに戸惑う顔を見てみたいものです。

 家長ブラウンさんは「ダウントン・アビー」の伯爵。カチッとした役の印象しかなかったので、尽きないモンダイに頭を抱えたり呆れたりするこんなお父さん役もチャーミング!勇敢な一歩を踏み出してゆくところのヒーローぶりが面白カッコいい!

 パディントンの声は、最近のボンド映画でQというキュートなインテリ(未見なので写真の印象です)を演じて人気のベン・ウィショー。私自身はどうやら「パフューム ある人殺しの物語」のグルヌイユ役で見ていたようです。これも印象ですが、憑依型の役者さんだったりするかしら?地声をよく存じませんが、くまさんのちょっと甲高い感じの優しい声がとてもはまっていて、愛嬌と誠実さがとても感じられる声で、素敵でした。彼の出演作も見てみたくなりました。

 劇場を後にしながら、なんだか幸せな気持ちになっていました。
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「ゴッドファーザー」
 グレーテルのかまどという番組でシチリアの伝統菓子カンノーリが取り上げられたことがあります。映画に登場する銘菓ということで、本作の名場面のひとつが流れました。コルレオーネ・ファミリーの幹部クレメンザが仕事に出かけてゆくとき、妻が「カンノーリを忘れないで」と言い、彼がその約束を守ると言うもの。役者のアドリブだという「銃を置け。カンノーリを」という名台詞。この番組以外に親の勧めもあってずっと見たいと思っていたのを、ここにきて漸く鑑賞しました。

 先のカンノーリのくだりに見られるような、妻を尊重せよとのマフィアの血の掟を守りながら、それが掟だけのことではないのだなと思う箇所がここのほかにもあったりして、凄惨な社会を生きてゆかねばならない、市井からは恐れられているだろう彼らの温かい一面が見られて、案外ほっとした部分でもあります。

 感情的な騙し合い、牽制、何かあった後の報復まで凄まじいし、身内が蜂の巣にされて消される(これは嵌められてのこと)のが隣り合わせの世界で生きるとは、想像を絶する覚悟が要るはず。立場と状況を弁えつつ、人を踊らせながら、愛をもって、時に残酷に繋いでいた糸を切る。マフィアのドンという壮絶な生き様。壮絶だと思ったのは、きっと優しい愛の中にもいるからなのかも。「お前にはこの仕事をさせたくなかった」という父の悔恨のようなものが浮かんだ顔が、先天的に刻まれてしまったもの、引き返せない運命の非情さ、どうしようもできない心の中、なんだかそういうのに巻き込まれてゆく抗えなさを感じさせます。堅気の世界より、そういうのが濃い気がして。

 これ、全部で3作あるんですね。これだけでも満足してしまったので、続編の鑑賞は迷うところ。
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「スプリング・ガーデンの恋人」
 コリン祭31作目、これで国内で購入およびレンタル可能なDVDで見られるコリン出演作品は最後かも。VHSはまだ幾つか見られそうなものがあるようです。本作は、失恋の痛手から再出発を試み、渡米してきた英国人コリン(同じ名前だ!)が新しい出会いを得て元気になってゆくラブコメディ。…コメディよね?観たあとに、爽やかなハッピー感が心に残る作品でした!

 他の作品ではなかなか見ないような愉快な表情やおふざけパートや、思わず感情移入してしまうような表情がこれでもかと収められていて、その点では大変見所の多い作品でした。ミニー・ドライヴァー(クラスにいる気になる子ってタイプ。「グッド・ウィル・ハンティング」でも目がいきました)が演じる“元”婚約者が喫煙に不自由するように、思ったとおりの感情表現が出来ないのはなんだか苦しくて不自由で、もしかしたら幸せを感じながらもそういう感じを英国にいたときのコリン・ウェアは味わっていたのかもしれない。まったくコネも当てもない土地に来たのは、彼に絵の才能と自負があったからというのも少なからずあったからかもしれませんが、いずれにしても橙色の落葉と茶色く骨ばった木立の懐かしい街で、あえて肖像画を描く画家をコリン・ファースが演じているという絵がまず魅力的でした。


 何だか放っておけない背中を見せる方だなと思います。あと、天真爛漫なお嬢さんに振り回されるのが不思議なほど似合う。

 こちらはスーパーコミカル可愛いファースさん(個人のタンブラーにリンク)。ちくびーむって感じですね!ネタバレが厭わしいお方は見ちゃダメです、お楽しみになさってください。
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「恋におちたシェイクスピア」
 コリン祭ついに30作目です。ずっと気になってはいて、ようやく見ることができました。ロミジュリが生まれるまでの物語ですが、シェイクスピアの身に起きたこととロミジュリの筋とが溶け合うように重なり、セリフを交えながら愛を交わす場面などがとてもドラマチックに、それこそシェイクスピアの紡いだ言葉のように流麗に展開されて、引き込まれました。本当に素晴らしい重なり方。作家にとって、経験に勝る素材はないのかもしれない、とも思ったりして。

 コリンの役どころは、シェイクスピアと恋におちるレディ・ヴァイオラの結婚相手であるウェセックス卿。持参金目当ての殿方なので、甘い言葉も笑顔も出てきませんが、エリマキトカゲとかぼちゃパンツのコラボレーションした豪華な扮装もよくお似合いです。さらに、ちょっと不機嫌そうなお顔に、左耳のピアス。それも涙形の白い石が揺れるピアス。セクシー爆発してて、朝から興奮しました。


 もうお一方、気になる役者さんであるジェフリー・ラッシュは劇場の持ち主であり興行主。ちょっとクレイジーな感覚を持ったひと癖ある役がとても似合います。彼らが揃った「英国王のスピーチ」をまた観たくなる!

 本作の脚本家に名を連ねているトム・ストッパードは、昨年念願叶って観劇できたロズギルの戯曲を書かれた方。これ凄く面白かったからまた上演して欲しい!今度どうにかして戯曲も読もうと思います。
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「New York 結婚狂騒曲」
 コリン祭29作目は、いかにもラブコメの匂いがするこちら。ニューヨークでラブドクター(恋愛相談士?)として有名な女性エマ(本職は編集社の社員か何か?)が、完璧な結婚を前にとんだ番狂わせに巻き込まれるという、クレイジーでドタバタなお話でした。結局、人生何が起こるかわからないよね!ということと、冒険の中で答えが見つかることもあるよね!ということでしょうか。でもやはりあの弟くんにこそ、身をもって自分のしたことの重さを知って欲しかった。むしゃくしゃって良くも悪くも色々なことの発端になるけれど、なんだかこればかりは笑い飛ばせなかった…。

 で、主人公の婚約者リチャードを演じるのがコリンです。甘いものが大好きで、社会的地位も男性としても、申し分なさそうな感じ。エマとリチャードが並ぶと美男美女のセレブカップルと言う風情で、世間からは羨ましがられそうです。お互いに愛情もありましたし、朝からいちゃいちゃごろごろしているのは可愛すぎだし、大変な事態を何とかしようと意見を戦わせるのも、男の方がスイーツをばくばくやりながらだから殺伐とした感じゼロだし、このまま夫婦になっても特に問題はなさそうに見えました。でも彼女の気持ちが最終的には…

 ネタバレになるけど書きますね。

 彼女は最終的に、アクシデントで書類上の夫になってしまっていた消防士を選ぶのです。本作の原題がThe Accidental Husbandで、まさしくと言う感じ。彼女が決断したときに新郎リチャードが提出しておくはずだった結婚を無効にするための書類を取り出して、双方合意の下で別れのハグをするくだり。「幸せになれよ」て言って、エマには見えないところですごく寂しそうな顔をするのです。そりゃそうでしょ、愛しているのだもの。それでも彼女が幸せになるためならと潔く身を引く(彼女が自分を選ばないことを悟っての書類未提出なのだが)男ぶり。でも離れるときに、カメラには背を向けているけれど明らかに涙を拭ったと思われる仕草をするのですよね。いいひとすぎる!


 最後まで“らしい”なと思って笑ってしまったのは、去り際に彼、テーブルにあったビスケットを両手で掴んでポケットに入れて行っちゃうのですよ。ひとつは齧りながら。リチャードの血糖値が心配です(笑)。
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「ストレンジャー」
 コリン祭28作目です。長年暮らした自宅を売ろうか悩む老婦人、母親に依存されている警察官の息子、そのガールフレンド?で上司と不倫関係にある新入社員、それぞれがなにかしらの心配事を抱えた街に、有害廃棄物を扱う仕事をする男が、老婦人の貸し倉庫を目当てにやってきます。この男性を演じるのがコリン。

 以下ネタバレです。

 貸し倉庫に保管するものを巡って、警察官、老婦人とその姪、男が繋がって行くのは面白かった。不審なものを扱う、正体不明の男。人当たりもよく、屈託のない笑顔は好印象で、ますます掴みどころがありません。ただ、老婦人の家の買い手がつき、警察官のガールフレンドが急な旅立ちのために彼が空港まで送迎しようと車を走らせていた、大雨の夜。奇しくも男が自分の事業の将来性を、市議会(?)で演説していたその夜。次に倉庫に運び込まれる予定だった廃棄物のドラム缶を輸送中のトラックが事故を起こしてしまいます。市民の代表たちの賛同を受けていた男の立場は?老婦人の姪との仄かな関係は?

 …しかし横転までしたトラック事故、死者も出ず、ドラム缶の破損もなく、男はあっさりとこの事業を辞めることを明言し…盛り上がりそうだっただけにちょっと肩透かしを食らった感じでした。それでも、事業にかける真っ直ぐな思いを語る男の態度、老婦人に向ける笑顔、ここに至るまでの葛藤の経過を語る切ないような苦しいような面差し、それだけでもまぁいいかと思えてしまうのは、ひとえに彼の演技力なのかもしれません。贔屓目かな。
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「キングスマン」&「コードネーム U.N.C.L.E.」2本立て!!
 まだスクリーンで見られる&またスクリーンで見られる!の嬉しい楽しい2本立て上映に行ってきました!!全然カラーの違うスパイの世界を一気に駆け抜けて、もう酸欠(笑)。すっごく楽しかった!特にアンクルは久しぶりだったので、まるで初めてみたいな気分でした!同じスパイだけど、違うスパイ。改めて並べてみたら、キングスマンが心構えならアンクルは実質って感じがしました。

 「キングスマン」については、12月に入ってから初めて観たにも関わらず、DVDを含めないで数えても既に今日で4回目。それでも観るたびに新しく、また発見もあり、違うことを感じたり、と色々に心が動くので、全然飽きない作品です。エグジーの採寸が出来なかったのは、ヴァレンタインに盗聴追跡機を仕掛けるために帽子屋(提携店と思われる)に根回しする必要が出来たからだなとか(奴が出てこなければハリーはエグジーの採寸を手ずからやったと思うのだ!)、スクリーンになってしまうと身バレおじさんの色合いや柄が暗くてよく見えないとか、スーツ初体験のときに英語でもチェリーと言っているとか、エグジーの防弾スーツにめり込んだ銃弾がわかるカットが僅かにあったんだ!とか、他にもあれこれと気付きがあったはずなのに、威風堂々で爆散してしまうのが残念です(笑)。

 アンクルは、もう一度観られることがただただ楽しみだったので、ツイッターで見かけた面白い点を幾つか確認しながら、あとはもう彼らの勢いに乗っかって。お互いに仕掛けられた盗聴器を返却申し上げるシーンの最後、去り際にソロが“タイと服が合ってない”とイリヤにアドバイスをくれます。次の外出のシーンになると、イリヤのタイがちゃんと違うものに替わっているのですね!偉い!あとイリヤの情緒不安定(激しやすく時に自制不能)がハリーに負けるのではという説。お父さんの時計を奪われるところ、ハリーなら殺してでも取り戻すだろうし、ルディおじに失礼なことを言われたら、ハリーなら罵詈雑言交えてつもりだけ上品な皮肉で応戦するだろうし……イリヤよく頑張ってるじゃん…!という結論に至りました。あとクライマックスで相手の返事を待たずにthank youまで一気にまくし立て、四の五の言わせる暇を与えないウェーバリーおじさんが素敵です。あんなに存在感あるのに本編では途中からしか登場しないのが勿体無い。せめて特典映像にたくさん映ってたら嬉しいな。(DVD買いそう)

 トイレには手描きのJBがたくさんいたり、スタッフさんがスーツに眼鏡姿で迎えてくれたり、愛に溢れたプロデュースがとても嬉しかったです。贅沢なひとときをありがとうございました。

 目黒シネマにて
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