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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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2014年と2015年を振り返る
 昨年は発表会のリハーサルで多忙を極めていたのもあり、年末年始恒例の振り返りをしないばかりか、1年近くも鑑賞記録を怠りました。もっと早く書けるようカジュアルな文面に変えたので、古くからこちらを読んで下さっている方にはちょっと別人のような印象も与えているかもしれませんが、書いている人は同じです。やっぱり見た直後に書かないと、熱い感想が書けない。

 せっかく時間もある今のうちに、強烈だった作品とともに、昨年と今年をまとめて振り返ってみることにします。劇場に行く回数や見る作品数は減ったけれど、出会った作品ひとつひとつが大切だなぁと、振り返ってみて感じました。来年も楽しみです!




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posted by Elie | OTHER MEMO | comments(2) | trackbacks(0) |
「レイルウェイ 運命の旅路」
 コリン祭22作目は、第二次世界大戦中の実話を基にしたこちら。日本軍の捕虜となり、重労働を強いられ、戦況を聞くために密かにラジオを作ったことがきっかけで酷い拷問を受け…。それがコリンが本作で演じた通信兵ローマクス。彼が自分の辿ってきた道を辿る記憶の旅路のようでした。

 粗筋を読むと、彼が当時通訳として憲兵と共にいたナガセと再会するまでに約50年とあるので、それほど長きに渡り誰にも言えぬ記憶に苛まれ続けていたのかと思うと……これは想像を絶します。新婚の床で忌まわしき記憶に苛まれる場面は、見ていてつらくなるほど。つらい、という言葉でまとめてしまえるものではないような気もしますし、ローマクスだけでなくあの時代の誰もがこういうものを抱えて生きてきたはずです。彼らを傷つけたのも、結びつけたのも、時代だったのかな。人間の業って、深すぎる。

 ナガセと会って帰宅したあと、妻(ニコ様の奥ゆかしい感じが素敵)と共にベッドに横たわるうつ伏せのローマクスが超絶にせくすぃーでして、しかもその横たわり方はどうだ?!というくらい女子っぽい(笑)。思わず一時停止ボタンを押してしまったほどです。あと、ローマクスとナガセの青年時代がふたりとも似ててびっくりしました。
posted by Elie | COLIN FIRTH | comments(0) | trackbacks(0) |
「アイ・アム・ニューマン 新しい人生の見つけ方」
 コリン祭21作目は、砂浜やホテルの部屋で裸足でいる彼の姿が気になったから手に取ったこちら。名前を変えて人生をやり直そうと試みる男性と、双子の姉の名を語りながら彼女と自分自身にも向き合うことのできないでいる女性が出会い、その不思議な交流が描かれます。不思議な、というのは、彼らが行きずりに見つけたカップルの家に忍び込んで、彼らを演じながら戯れるというゲームのようなことを繰り返すから。

 最初はマイクの型破りな行動に付き合っているだけだったかもしれないウォレスもだんだん生き生きとしてきて。そんな特殊な(現実からの)逃避行を経て、お互いを見つめ、自分を見つめ、やがて本心や、伝えたいことや…そういうものに気づいてゆくふたり。立て直し方っていうのは、色々あるのだろうな。ちゃんとそれぞれの道に戻ってゆく結末がいい。

 釈放されたマイクを、ウォレスが石段に座って待っているカットがあるのですが、両足とも足首から下が内向きになっていて、コリンったらたまに(?)女子っぽいポージングになっているよね、なんて。
posted by Elie | COLIN FIRTH | comments(0) | trackbacks(0) |
「キングスマン」on BD
 本作に出会って僅か20日後にはDVDを手にしているという、しかもその間に2回見ているという凄まじいヒットを飛ばす英国紳士スパイです。いつもは普通のDVDですが、今回はブルーレイのみの特典映像があるということなので、そちらを買いました。

※以下ネタバレ含む

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posted by Elie | COLIN FIRTH | comments(0) | trackbacks(0) |
「イングリッシュ・ペイシェント」
 コリン祭20作目は店舗で見て惹かれたこちら。

 コリンは主人公の不倫相手の夫という役柄上、出番はあまり多くありませんが、本編中でも出てくる“道化役”の言葉通り、サンタになりきってクリスマスパーティーを盛り上げたり、焚き火の周りで愉快な歌を歌ったり、ちょこっと変わり者な感じ。人懐っこい笑顔は出演作品すべてに共通する胸キュンポイントです。本領発揮なのが、妻の不倫に感づいたところと、確信を持ったところ(或いは人前でそれを仄めかされたように感じたところ?)での凍り付いてゆく表情の変化です。彼にしても、主人公にしても、彼らなりの形で想いを表出するわけですが、失いっぱなしとか、喪失感が埋まらないとか、仕方なかったのかもしれないけれど自分を責めてしまうとか、こういう風にしかならなかったのがなんとも切ないところ。他に道はなかったのか?そんなふうに思いたくなってしまう。

 看護士役のジュリエット・ビノシュが美しい。女神のような微笑みが安らぎの国を夢見させてくれる。「ショコラ」でも素敵な女性を演じていた方ですよね。彼女がキップに惹かれてゆく夜を、貝殻のキャンドルと薄暗闇に浮かび上がる教会の壁画で彩った場面がロマンチックでした。あと、終盤で主人公が不自由な身体をおしてモルヒネを彼女に押しやり、暗に安楽死の意志を示すのを察する場面の詩的な美しさも胸を打ちます。
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「秘密のかけら」
 コリン祭19作目は、裸のお姉さんの後ろ姿が目を引くジャケットのこちら。痴情の縺れが泥沼化してゆく昼ドラを連想しましたが、実際はもう少し複雑で、衝動と体面の両立みたいなものを思いました。全編通して、世間を渡るのに疲れきったような倦怠感を感じます。ずっとソファにしなだれていたいような、ベッドでシーツに包まってまどろんでいたいような。もしかしたら、そんなふうに過ごしていた方が幸せだったかもしれない…。秘密の共有は絆を強めることもあるかもしれないけれど、本作で描かれたような破綻に繋がることもあるのだなと。

 画面の色合いとか光加減とかが、常にどことなく精神的に揺らいでいる感じ…なんというか、薬の副作用のような。だからなのか、まさに副作用でぐらぐらしているのを描いた、カレンとアリスが性戯する場面が印象的でした。それをタネにカレンに脅しをかけようとするかつての名コメディアン、ヴィンスを演じたのがコリン。3P未遂をする場面では惜しみなく肌をさらしてそのナイスなプロポーションを見せつけ、先に書いた性戯を撮影したポラロイドを唇に挟む仕草をし、と、こちらの心をざわめかせる達人であります。相棒のために陰で暴力に打って出るときの変貌、気持ちの波がさーっと引いてゆくときの静かなグラデーションのような変化、酩酊に呑まれてゆく“完璧な”自殺。どんな情景でも名場面にしてしまう、見れば見るほどに魅力的なひとです。
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「キングスマン」Ladies and Gentlemen 聖夜ver.
 この映画、近年最大のヒットです!3回目の鑑賞は、KADOKAWAさん主催のイベント上映にて。会場は、初めて本作を見た角川シネマ新宿の、300席の劇場(大きい方)。作品に因み、スーツや眼鏡でめかしこんだ紳士淑女、通称“エージェント候補生”で溢れかえっていました。キュートな相棒を連れた方も。

もちろん普通の洋服でエレガントなお洒落をした方も少なくなく、スタッフも眼鏡やサンタ帽を着けていました。ロビーには各国(或いは国内のバージョン違い)のポスターパネルが壁にずらりと飾られ、電飾、オブジェなどでお祭気分を盛り上げてくれます。

扉も凝ってる!


 劇場内にも上下にツリーとプレゼント(Kロゴがいっぱい、近くで見るとプレゼントの包装紙には登場人物たちのイラストがびっしりと描かれていたようです)、スクリーンにもクリスマス仕様のイベントタイトルが。会場に向かう間にも感じていたドキドキワクワクが、最高潮に!



 もちろん予告編もなく本編が始まります。20世紀フォックスのロゴが流れると…早くもそのドラムに合わせてクラッカーが弾けました。そう、この上映会の特色は最低限の上映マナーさえ守れば“好きに騒いでよいこと”。音楽・銃声・俳優の演技に合わせてクラッカーを鳴らしたり、紙吹雪を撒いたり、鳴り物もOK。鈴をお持ちの方もいらして、しゃらしゃらと綺麗に聞こえました。歓声上げて、拍手して、上手に合いの手を入れる方もいて、大盛り上がり!奇跡みたいなひとときでした。すっごく楽しかった!!!!!みんなでわいわいするとエンタメが一気に加速します!そして作品や俳優を大好きな人たちと見ているだけでも、さらにキングスマンへの愛が深まる気もしました。

 私も勇気があったら、エグジーが「手癖が悪いからこういうのは得意技だ」でアーサーよろしくbravoって言いたかったです。クラッカーをもっとたくさん持っていたら(ツイッターのlike並みに使うw)、大好きな「Come with me」でどなたかと一緒に鳴らしたかったです。包容力を感じてしまうのですよね、ハリーのこのセリフ。ちなみに合いの手で最高だったのはチャーチファイト後の「前髪アリガトー!」です。私からもありがとうだし、そういってくれた方にもありがとうです。地毛のウェーブを取り戻した後頭部の髪も好きです。

 主要人物の登場シーン・再登場シーンでも、盛大にクラッカーが弾けます。一番人気はたぶんマーリン。昨今の事件を説明するために彼が「ウガンダ」と口にしただけでヒューゥだのパーンだの(笑)。ハリーの登場ではもちろんあちこちで盛大にパーン!エグジーのウィンクでもパーン!タイミングばっちりなのがまた面白い。これだから、終盤の見世物『威風堂々』への期待も高まるというもの。まるでハンドベルの演奏みたいにみんなの息が合っていてcoooolでした!爽快!

 本編で新たに思ったのは、ガゼルのこと。チャーチファイトのあとでヴァレンタインと交わす会話を聞いていたら、彼女に善悪の別があるかは不明だけれど、殺戮の繋がりを、手を下さなくても自分たちが殺したことに違いはないという事実関係をわかって受容できているのかなぁと思ったのです。ヴァレンタインは自分に都合よくしか理解しないけれど、ガゼルは自分にとってどうであれ現実を曇りなく見ることができる。のかな、と。


 さて、エンドロールでは場内が明るくなり、後ろからクリスマスカラーの風船がたくさん投げ込まれて遊園地状態に。ぽんぽん弾いて前の席に送ったりして、何だか童心に返りました。↓雰囲気※当日連写したものからgif動画にしました。リンク切れした場合はご容赦ください。


 予め告知されていた抽選会では、和製マーリン(スタッフさん)からプレゼントが手渡されました。当選者のみなさまオメデトーーー!!!エグジージャンパーいいないいな!あと、翌日発売のDVDから日本限定の特典映像のごく一部を流してくれたりという、大サービスも!

司会のお姉さん:いまからほんのちょこっとだけ、特典映像の一部をご覧頂きます!髭のコリン・ファースがすごく素敵です!髭、見てください。(場内笑)

 お姉さんが“みなさん本当に「キングスマン」を愛してくださって、本当にありがとうございます。この上映会は今回が本当に最後になりますが、これからも末永く「キングスマン」を愛していってください”とも仰いました。こんなに楽しい企画をしてくださり、こちらとしても感謝してもしきれません。会場で時間を共有した皆さんと笑ったり、叫んだり、ここいいよね!と言い合ったり出来た気がして、ますますこの作品を愛しく思います。ありがとうございました。

 最後にはこの言葉で名残を惜しみました。

 メリーキングスマン!

 ps 当日ご挨拶させていただいたみなさま、どうもありがとうございました。
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「デビルズ・ノット」
 コリン祭18作目は、実際の事件に基づいた物語。代表者が事件の核心に迫ってゆくよくあるタイプの描写ではなく、関係者がひとつの事件を円卓の中心に囲んで、近親者は泣き叫びながら、警察はルーチンワークとして、裁判官や弁護士は頭を抱えながら、見つめているという印象を受けました。いろいろな角度から見ても、事件に対する距離感が均等なように感じました。先入観に曇った真実の隠れ蓑の中で、真犯人はしめしめとほくそ笑んで近親者の悲しみに寄り添う振りをして生活しているのかもしれないと思うと、これも仮説でしかありませんが、真実でないもの(それもそのままにしておいてはいけないもの)がさもそれらしい顔をして流れていってしまうことが平気であるのだということに、憤りと恐ろしさを覚えます。

 コリンが演じたのは…“調査員”…法的な場では何ら権限を持てないけれど、裁判沙汰になる事件の調査を行なう役割のようです。でも容疑者に直接面会できるから、それなりの存在感はありそう。無知でお恥ずかしい。前述した客観的に見ている感じは、もしかしたらこの役の立場のためかな。事件に対して喜怒哀楽を殆ど開示しないのですが、きっと走り回る子どもや半狂乱になって泣き叫ぶ母親の姿などを遠巻きに見て、自分の感情に落とし込んでいるのだろうと思わせる、鋭くも深い観察者の眼差しに見えました。そういうものを受け容れる部屋が広いのか、麻痺してしまっているのか…。

 これまた本編とは関係ない瞬間、ウィスキーか何かを注ぐ姿をやや後ろから捉えたカットが好きです。背筋からにおいたつものが。
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「アナザー・カントリー」
 コリン祭17作目は、1985年に日本でも公開された作品。本作のトミー・ジャド役が映画デビュー作になるのでしょうか。いまと変わらぬ澄んだ瞳、あたたかな光が広がるような笑顔、物憂げな佇まい、そして老成したと言っていいのか、とても落ち着いた話し方。一歩引いて物事を見ているような雰囲気。他と違う思想を持ち、服装もトーンが違う感じなので、異分子とまでは行かないまでも、あの社会では少し(かなり?)変わったひとなのでしょう。

 宗教観に基づいて営まれる純粋培養的な寄宿生活、というだけで、完全にではないけれど隔絶的な印象を受けます。スノードームのような。その中ででも、ガイがハーコートと出会ったときのような電撃、ジャドが偏った?思想にはまってゆくように色合いの違うものがいるとか、刺激もあったりして。すごく美しくて(見た目のことを言うと、入学の条件に容姿端麗の項がありそうな学校だった)、ちょっと苦しくて、一瞬の泡みたいな世界だと思いました。共有した時間が確かにあって、でもその先はそれぞれに分かれてゆく。彼らの未来のことを思うと、学校にいた窮屈な時間さえ貴く思われてくるのでした。この感じ懐かしい。

 物語には直接関係ないことですが、ジャドの仕草ですんごく気になったところがあって。シーツか何か大きさのある寝具を大雑把に畳む一齣で、ジャドくん、真ん中を口ではむっと咥えて二つ折りになさいましたの。禁断のものを見てしまった思いがしました。あと好きなのは、コッソリ帰ってきたベネットくんを“つかまえた”ってヘッドロックするところ。生まれも育ちも考え方も違うもの同士でも仲良しなのがいいな。
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「聖トリニアンズ女学院2
不良女子校生たちの最悪ミッション!パイレーツの秘宝をねらえ!!」
 コリン祭16作目は、はちゃめちゃパロディ学園モノの続編。邦題にもあるとおり、蓋を開けたらいきなり某海賊映画を真正面から意識したテイストで、笑わされました。でも前作よりネタがわからず(笑)本編的には本作<前作。

 コリンは同じ役を続投。文部大臣か何か役職に就いていたのだけれど、前作で失脚し、髪もヒゲもボーボーで呑んだ暮れるという割とありがちな境遇にいます。今回の作戦実行のために必要な役回りなので登場シーンは多めかも?

 前作の終盤と本作でちらっと、カミラと過ごした既成事実的な素っ裸をすっぱ抜かれるショットがあるのですが、このときのお肌…というか肉体の質感が、掌に吸い付きそうな感じでワーオって思いました。張りのよさが羨ましい!笑

 あと、昔取った杵柄(設定)と即興でカミラとロミジュリを演じる舞台のシーンがとても貴重な気がします。それでまたまたコリンズ教授(コリンの演じるヒギンズ教授)見たい病に拍車がかかりました。容姿や演技は言わずもがな、お声も本当に魅惑的でいらっしゃるので、普通に喋るのではない、劇場で響かせる声もぜひ後世に多く残るといいです。シェイクスピアの美しく軽やかな罵詈雑言とか、自信に満ちた演説を聞いてみたい。「ヘンリー六世」のヨーク公とか、リチャードくんの捻じ曲がった感じを想像してはうっとりと溜息…。ヨーク公がマーガレットに紙の王冠で貶められるシーンとか、憂いと滑稽な悲哀と、それでも王然とした姿が間違いなく素敵だと思います。
posted by Elie | COLIN FIRTH | comments(0) | trackbacks(0) |