大手で上映中には行けませんでしたが、とてもローカルな映画館にて鑑賞できました。小さくて、平らで、懐かしい雰囲気でした。
登場する様々なコレクションを見ていて、花のようだと思いました。鮮やかで美しく、強くて儚い世界。悦び・哀しみ・妬み。きっとそういうもの全てがドレープのひとつ、縫い目ひと針に含まれているのでしょう。それらに引きずられて、見る側も服に込められた物語を想像します。また、天才の中では人知れぬ闘いがあるのでしょうか…それらを乗り越えて、或いは坩堝で、生み出された芸術は香り高く私たちを誘惑してきます。イヴが迷いのない目で“生涯の男は君だけだ”とピエールに言い放つ、ピエールもまた揺らがずイヴを支え続ける。彼らの信頼関係も感動的でした。またひとつ宝箱を開けてしまったような気分です。
こういうのを見ていつも思い出すのは、ある舞台で主役が喋るセリフ…
芸術家ってのは狂っていなくちゃならない。僕は狂ってるだろう?