「バリー・リンドン」
2014.09.27 Saturday
これも発表会の研究として。貴族やそれ相応の人たちの“凛とした”佇まいや目の感じを見たくて借りました。マイフェア以降、「ゴスフォード・パーク」やら「日の名残り」やら「ダウントンアビー」やら、階下の人ばかり見ていたので、新鮮な世界でした(笑)。
身分という後ろ盾と、それなりの教養と矜恃が香る“凛とした”雰囲気は本人の心持ちに因るのだと、成り上がりのレドモンドを見て感じました。策謀も熱情も全て飲み込んで、知っているけど何事もない様子で居ようとする、内面と外面の間に介在する後ろめたさのようなものは、妙に色っぽい。この点で、終盤、バリー親子追放の画策を聞いているラント牧師の表情が、身の置き場の複雑さを語り、思わずオォッと身を乗り出したのであります。リンドン公爵夫人の佇まいは言わずもがな!人形のように目が澄んで大きいので、感情の機微が際立ちます。恐ろしいのは、いたいけな子供が大人と同じ目をしていること。この世界にいると、本当の無邪気ではいられないのかも。
人の目が気になったり噂が立ったりという絢爛なサロンでの背筋の通った社交ではなく、賭場でのちょっと怠惰な感じが強いかも。レドモンドが持ち前の野心で思う様欲しいものを手中に収めてゆくので、より駆け引きめいた危うさとかセクシーさという面では「ブーリン家の姉妹」が美しいかと。
身分という後ろ盾と、それなりの教養と矜恃が香る“凛とした”雰囲気は本人の心持ちに因るのだと、成り上がりのレドモンドを見て感じました。策謀も熱情も全て飲み込んで、知っているけど何事もない様子で居ようとする、内面と外面の間に介在する後ろめたさのようなものは、妙に色っぽい。この点で、終盤、バリー親子追放の画策を聞いているラント牧師の表情が、身の置き場の複雑さを語り、思わずオォッと身を乗り出したのであります。リンドン公爵夫人の佇まいは言わずもがな!人形のように目が澄んで大きいので、感情の機微が際立ちます。恐ろしいのは、いたいけな子供が大人と同じ目をしていること。この世界にいると、本当の無邪気ではいられないのかも。
人の目が気になったり噂が立ったりという絢爛なサロンでの背筋の通った社交ではなく、賭場でのちょっと怠惰な感じが強いかも。レドモンドが持ち前の野心で思う様欲しいものを手中に収めてゆくので、より駆け引きめいた危うさとかセクシーさという面では「ブーリン家の姉妹」が美しいかと。