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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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進化するだまし絵 Into the Future


だまし絵と言われてまず始めに浮かぶのはエッシャー。高校生の頃、友人の影響で見るうちに好きになりました。美術の時間に登場したダリやマグリットなんかも面白くて結構好きです。以前見たシュルレアリスム展もかなり想像力を掻き立てられて面白かったなぁ。そんな有名どころ、教科書とかを少し越えたチョイスでの展示が刺激的でした。

アルチンボルドでも連作として有名な野菜や魚の顔ではなく、本の人だったり。ある一方向から見るとちゃんとして見える、というやつは「アンダーグランド・ピアノ」が印象深い。そこに置いてあるものが、ピアノの一部をくっつけたスクラップのようなのだけど、向こうの鏡を見ると、ちゃんとピアノとして成立している。ただ描くだけでなくて、見た人を驚かす仕掛けまでも描きこむの、すごい発想力だなぁと感心することしきり。まして立体物であれば尚更です。針金の絡まったのを特定の方向から照らすと影絵が蚊になったり、蜥蜴になったりする作品にもびっくり。作り手の頭の中、一体どうなってるんだろ!

そう言う仕掛けに驚かされたり、見ていたものが実はダブルイメージで違うものになったり、錯視をまんまと利用されたり、そうやって“騙された”ことに気づいた時の、えぇ?!という感じ、世界がめくれてもうひとつの世界が登場しちゃった感覚が気持ち良くて、好きです。

八嶋さんの解説も、すっかりオーナーになりきっていて面白かった!絵の知識+αの解説は、本当に案内してもらってるみたいでした。

於:Bunkamura ザ・ミュージアム
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東京バレエ団創立50周年〈祝祭ガラ〉


始めはスルーしてしまっていた公演だったのですが、追加公演のお知らせが来た時にやはりこれはと思い、見にゆくことにしました。

そうして良かった!とても見応えがあり、充実のひとときでした!

団員のみなさまは、私にとっての全盛期とはがらりと顔ぶれが入れ替わり、殆どどなたかわからず…


@NHKホール 1階18列下手サブセンター

指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ピアノ:菊池裕介(「ペトルーシュカ」)
協力:東京バレエ学校(「ペトルーシュカ」)
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posted by Elie | DANCE, BALLET, PLAY | comments(0) | trackbacks(0) |
Lost Memory Theatre
原案・音楽:三宅純
構成・演出:白井晃
テキスト:谷賢一
振付:森山開次
出演:山本耕史、美波、森山開次、白井晃、江波杏子
演奏:三宅純 (Piano, Fender Rhodes, Flugelhorn)
宮本大路 (Reeds, Flutes, Drums)
伊丹雅博/今堀恒雄(Guitar, Mandolin, Oud)
渡辺等(Bass, Mandolin)
ヤヒロトモヒロ(Percussion)
noattach strings by Tomoko Akaboshi (弦楽四重奏)
歌手:Lisa Papineau 、勝沼恭子
踊り手:伊藤さよ子、後藤いずみ、高瀬瑤子、中嶋野々子

@神奈川芸術劇場 1階15列センターブロック上手寄り

「GQ」がそうだったように、見終わったあとの余韻がとても深い。かと言って「GQ」のような爆発的衝撃ではないのだけれど、じわじわと心の中に広がってゆく“あ、好きだな”という感じが心地よくて。時間を止めて寝込んで、じっくり味わい考えたい作品でした。きっと何度も見ることができれば、ここの示唆するものは?とか細かいところまで突っ込んでゆけたのだろうけれど…。展開される場面にひたすら酔い痴れていました。

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「硫黄島からの手紙」
地上波にて鑑賞。「火垂るの墓」「終わりにみた街」「風が吹く時」「はだしのゲン」などなど、市井の人々の姿を描いた作品は私が見た中にもありますが、本作のような最前線の様子が多く描かれるものは、もしかしたら初めてかとも思えるほど稀でした。洋画ですと「プラトーン」とかその類でしょうか?戦争ものを殆ど見ないので確かではありませんが。

帰宅が間に合わず途中から見たのですけれど、胸が痛くて、つらくて、でも消せずに最後まで見てしまいました…。戦闘音とか時代の荒波の中ではか細い声だったかもしれないけれど、彼らの言葉や心が伝わっていることに感謝します。それを風化させずに繋ぐのは、今の世代の負うもの。例えば、興味を持ったことについてちょっと調べてみて、時勢柄ついったーなどが便利なので、こうなんだねと事実をポツリと投稿するだけでもいいと思うのです。誰かの目に触れることが、まずは第一歩だと思うので。せっかく知ることができたので、我々に書ける手紙もしたためたいところです。

ニノの芝居、静かな水面の下に激しいものを飲み込んで、あの抑圧的な時代を生きようとしている姿。とてもよかったです。あと米兵も同じ人間なのだとわかるところ、わかったそばから永訣せねばならぬ最前線。これには何とも言えない気持ちになりました。
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「るろうに剣心 京都大火編」
上映中にゆけなかった第一昨目を地上波で見て、続編こそは絶対にスクリーンで。と心に決めていた作品。念願叶って見てきました。

大勢をひとりでのしてしまったり、室内戦であったり、神仏の前であったり、多彩なシチュエーションで繰り広げられるアクションはやはり大きな画面で、映画館の音響で体感できてよかった!あと健くん剣心のカッチョよさ!たまに、このひと以外には考えられないというくらいのハマり役を見ますが、健くんの剣心は見れば見るほど、2次元と3次元のただ事ではない出会いに思わず拝みたくなるほどです。清々しさ、瑞々しさがとっても素敵。妙に落ち着き払った声だって、すっとぼけた味もある役柄に似合っていると思います。あと体格も、原作の再現力に一役買っています。構えが格好良く決まるし、例え一瞬でも、あ!あの構え!とピンと来る。素敵ですね!

さて本編で印象的だったことを。

志々雄の差し金で家族を惨殺されて孤独の身になってしまい、周囲に唆されて復讐しようとする少年に“この小さな手を汚すことは誰も喜ばない。志々雄からおぬしや家族を護ろうとした兄上のような男になれ”と諭すところ。とてもいい男ぶりでござった!

目と口しか見えない志々雄が藤原竜也氏であるのも、納得。その表情と佇まいだけで尋常ならざるものを発してて、ぞぞっとしました。声の芯が冷めているのもいい。

漫画、好きだったけれどもうほとんど覚えていません。しかし、原作ファンをニヤニヤさせながら、原作を知らない人も夢中にさせてしまうエンタメになっているのじゃないかしら!続きは9/13封切り!楽しみに待ちます!
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[ title of show ]
キャスト(敬称略)

ジェフ:浦井健治
ハンター:柿澤勇人
ハイディ:玉置成美
スーザン:佐藤仁美
ピアノ演奏/ラリー:村井一帆

@シアタークリエ 9列上手センター寄り

実際の出来事や情景が舞台上の虚構と混ざり合い、徐々にどこまでが何なのか曖昧になってきました。事実に基づいて作られただけに、一体いまはどの次元にいるのか、現実?物語の中?物語の中で語られる物語の中?現実で夢想しているだけ?もはやわかりません。

ああやって愛されて生まれた作品がたくさんあって、今も舞台にかかって、感動させ続けてくれるのかなと思い、とても温かい気持ちになりました。

本編は、もはや台本などないに等しいのではと思われるほどのネタの嵐!舞台は結構見るけれど、詳しくはないので、きっと種々のパロディやオマージュを取りこぼしているのだろうな…。それでも爆笑の連続で、たくさんのパワーを頂きました。一途に愛し、突き進むこと。それを諦めないこと。そして初心を忘れないこと。作品づくりのみならず、あるべき大切な姿勢を彼らの中に改めて見出したのでした。
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posted by Elie | MUSICAL | comments(0) | trackbacks(0) |
War Horse〜戦火の馬〜

@東急シアターオーブ 1階22列下手ブロックセンター寄り

終演後暫く震えていました…あすこにいたのは紛れもなく、パペットでなく馬でした。三人遣いの呼吸は文楽さながらで、開幕して間も無く、パペットは心の中で本物の馬に化身していました。動きもですが、息遣いも然り。一頭の馬のいななきを、男女混声で複数名分を重ねているそうです。また馬の気持ちを語る耳の動きは、25年の試行錯誤が見事に結実して、まとわる羽虫の存在まで感じさせますし、胴体が絶え間なく活動して呼吸の変化、馬の興奮などを克明に描写します。すぐそこに、大きな生命がもうひとつ息づいているのを感じます。


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posted by Elie | DANCE, BALLET, PLAY | comments(0) | trackbacks(0) |