BOOK SHELF
舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
好きなものは好き!

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「舞妓Haaaan!!!」
ここまでくると、執着も嫌らしさを感じさせず爽快だもので、好きなものを好きと叫んで何が悪い!と、勇気が湧いてきます。と言うのも、たぶんサダヲちゃん効果が絶大なのだろうけれど。

ぶっ飛んでいるけれど純粋で、猪もびっくりするほど真っ直ぐで、何の衒いもない、計算もない。正直者がバカを見るというのと同じくらい素晴らしい大団円を呼び込む力は、彼だからこそ。だと思います。滑稽なくらい一途すぎる姿がいじらしくて、愛おしくさえ思われてきます。

駒子ちゃんがとにかく可愛くて、京弁を喋りたくなって、京都出身の某先生のお喋りが思い出されて、レッスンを受けたくなるという、連想ゲームのような作用が働いております(笑)。
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「謝罪の王様」
謝るのはなかなか難しいことかもしれません。語り口は大袈裟だけれど、ちゃんと真心を示す大切さ・真心は通い合うという真理に触れていると思いました。見栄の張り合いでそのうち何に謝罪しているのか不明になってくるだとか、そういう揶揄を面白おかしく描きながらも、友情を途中まで(笑)感動的に描いて見せたり、自在な絵筆を持った創り手だなぁという印象。時系列をバラしながらもさりげなく繋げて見せる手腕にも、おぉっと思いながら見ました。

女性下着メーカーのチャラ男のエピソードで登場した“謝って欲しいということは、許したいということでしょう?”と言うセリフに膝を打ちました。いまやそこらじゅうにある謝罪に、こんな目を向けたことはなかった…!

茶化しているけど、実は茶化していない。新感覚の、くすっとした笑いの零れるエンタメでした。脇毛ボーボー自由の女神!サダヲちゃんの味わいが好き。オボロのキンタ、また見たくなってしまった…。
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「カミーユ・クローデル」
フォロワーさんおすすめの作品を鑑賞!「太陽と月に背いて」や「ピーター・セラーズの愛し方」にも共通して感じるのは、芸術家のエキセントリックなこと。燃え上がる感情が持つ、喜悦と破滅とがちょっとすると同じになってしまうこと。

カミーユにとっても、熱情と愛情と夢の行き先は、たぶん紙一重だったように感じました。或いは大差ないか。自分が立っていられて、歩ける地面があればいい。それがなくなった時、なくなるかも・奪われるかも、と恐れた時、破綻してしまう。彼女の中では傍目ほど壊れていないのかもしれないけれど、この綱渡り感。危うさ・脆さと、そこからにおう美しさを含めたものには、何故か吸引力があります。演じた女優さんの表情がよかった。

芸術家が新たな主題を見出し、忽ち没入してゆく子供のような瞳の輝きが好きです。
ミュージカル「カミーユとロダン」も、脆いゆえの美しさに彩られていたのかしら。
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国立文楽劇場開場30周年記念
七世竹本住大夫引退公演

 奇跡的にたった一枚だけ取ってもらえたチケットで、見にゆくことができました。文楽は3月にも杉本文楽を見たけれど、国立劇場で見るのはかなり久しぶり。床がある!人形遣いの足元が見えない!カテコがない!(笑)

 大御所の引退公演という特別な公演だからか、色々と贅沢でした。まず人形。今まで数えるほどしか見ていないけれど、一度にこれだけ多彩な人形を見られたのは初めてでした。座頭と童子と妖精なんて、本当に初めて見ました。そのうちガブも見てみたいです。人形遣い・大夫には、今日は特別に多数の人間国宝が名を連ねています。舞台上に人間国宝しかいない場も用意されていたり(贅沢すぎる!)、大ベテランが、もはやこの役が通常つくことはないであろう童子を遣っていたり、住大夫さんの引退に華を添えました。
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「雪の女王」
「アナと雪の女王」繋がりで話題に上った、最近のCGアニメ。アンデルセンの原作に完全に忠実ではなかったけれど、テンポよくまとまった冒険譚でした。原作を知らないと、お婆さんの庭園や薔薇の登場が唐突に思われるようです。

雪の女王は、原作では大した存在感もありませんが、本作ではそこにもドラマを持ってきて感動を呼ぶ仕掛け。女王の力の前に倒れそうになったゲルダの意識の狭間に登場した両親の姿や言葉にうっかり涙してしまうくらい、とてもわかりやすく語られます。アナ雪が下敷きにした物語というだけあり、共通するモチーフを見出すのが面白かったです。原作に描かれずこのアニメに描かれたものもあるようでしたが(例えば船)、いい加減に読みすぎて見落としたのか、アナ雪スタッフがこれを見たのか。後者はありそうな推測です。ゲルダがイルマ(雪の女王の実体)の心を溶かすところなど、アナ雪のtrue loveそのものでしたから。カイを助けるところは、寧ろラプンツェルがユージーンに対するところに似て感じました。

それより何よりも、トロルが白熊になってしまうのには度肝を抜かれました。窮地を切り抜けるには、ジョークも現実になる?!それにしても無敵すぎます(笑)。ここの場面は、アナ雪のvsマシュマロウと似ていました。
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迷宮舞踏会
キャスト(敬称略)

大和雅美、高橋竜太、前田新奈、佐藤洋介
熊谷拓明、金田あゆ子、石神ちあき、穴井 豪
竹田真奈美、曽根 歩、渡邊かおり、ハイジ
遠藤樹理、宮村紗生

@Angel R Dance Palace 表参道校 13:00開演


東京バレエ団で大活躍され、氷室友先生とのバレエコンテWSがとてつもなく楽しかった高橋竜太先生。この度、彼がご出演のスタジオパフォーマンスを見てきました!すごく面白かった!

観客移動型という形態で、途中でダンサーが移動先までエスコートしてくれるのです。スツールは自分で持っての移動ですが、照明を落とし雰囲気のあるまま、舞踏会の延長で我々はゲストのままなので、全く途切れた感じはありません。演出・振付ともちろん出演もされた豪さんの仰る通り、広いスタジオの利を活かした想像性・創造性の溢れる作品でした。
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「ピアノ・レッスン」
この曲をバレエのレッスンの時に使っていたことがあって、それをきっかけにして、レンタル開始を待っての鑑賞でした。またこれで踊りたいなぁ〜

内容は思いのほか過激でした。エイダがピアノを取り戻す過程のえろてぃっくな取引(そうまでして…きっと彼女にとってピアノは“楽器”や“モノ”を超えたものなのだ)や、終盤で夫がする暴力的な仕打ちが。形式上、夫にはなったけれど、そもそもピアノを最初の地である浜辺に置き去りにする男が幸せになれるはずがないのです。だって、エイダはピアノの妖精或いはピアノそのもののようにさえ。夢遊病のようにピアノを奏でたり、浜で日暮れまで延々と引き続けたりという常軌を逸した姿を見たら、そう思いました。

この物語がファンタジックに感じられるのは、印象的だった構図が夢幻のようだからだと思います。それこそ浜に置き去りにされたピアノであったり、原住民と隣り合わせで暮らすような島に訪れたのが陶器の人形のように美しい女性であったり。およそそぐわないものがポンとその中にある、これだと。あと極めて実写なのにあまり現実味がないこと。夫が激昂して斧を持ち出す辺りから、特に最後の船旅で起こる出来事なんて、まるで夢の中のような浮遊感を伴いました。

ピアノが人間になるまでの不思議な物語。
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「アダムス・ファミリー」
先日見た舞台はウェンズデーの恋が物語の主軸だけれど、映画は時系列だと恐らくその数年前で、フェスターおじさんがほぼ主役でした。

スモーキーメイク(の域を越えているが)って人相を隠すのか、おじさんが舞台版で彼を演じたキーヨさんにしか見えないこともしばしば。いや順番的にはキーヨさんが本家に迫っていると言った方がいいけれど。アダムス家ではグランマに次いで年長のはずなのに、仕草やおどけた声がいちばん幼いのもチャーミングです。特に子供たちと一緒になって遊びをとことん楽しもうとする姿が輝いていました。

アダムス家特有の言い回しや、彼らにとっての日常風景が突拍子もなくて面白いけれど、家族愛はどこも変わらず温かく優しく居心地が良いものなのですね。誰かがいなくなれば心配だし、楽しくないことや美味しくないものには不服だし、ご懐妊はおめでたいことだし。寧ろ性質が我々と大きく違って見えるから、根底にある普遍的なものが浮き彫りになるのかも。

面白いのは、家を追われた家族が“普通の”人間のように生きづらそうにしている様子と、それに相反してハンドくんが才能を発揮しすぎるほど発揮するところ。舞台では最初と最後のホログラムで登場したハンドくんが、映画では可愛さを振りまきながら大活躍です。彼が猛ダッシュするところや、発想の限りを尽くしてゴメスに伝言するところなど、大笑いしました。握手したい。
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レディ・ベス 其の弐
主なキャスト(敬称略)

レディ・ベス:平野 綾
ロビン・ブレイク:山崎育三郎
メアリー・チューダー:未来優希
フェリペ:古川雄大
アン・ブーリン:和音美桜
シモン・ルナール:吉野圭吾
ガーディナー:石川 禅
ロジャー・アスカム:山口祐一郎
キャット・アシュリー:涼風真世

@帝国劇場 2階C列下手サブセンター

どうしても祐一郎さんのアスカム先生を見たくて、2回目を見てきました!
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ririQ-paradise「One Day〜いつか…」

Dancer:鎌田真梨、木原浩太、谷古宇千尋、安村圭太
Musician:浅井智佳子(Vc)、遠藤勝彦(Drms)、C.C-ORI(Keys)、スズキサトル(A.Gt)、平間 光(E.Gt)、Tag(Saxs)、松井ジャーマンJr.(E.Gt)

主催:加藤汐里(C.C-ORI)、鎌田真梨

@吉祥寺スターパインズカフェ 初回

幼馴染の真梨さんとCさんが、いつかふたりで何かやりたいね、と思い続けて実現した、音楽とダンスの公演。テーマは“憧れ”や“夢”。

大好きなマシュー・ボーンのカンパニーでもご活躍の真梨さんと谷古宇さんは、その辺の日本人ダンサーと並べてしまうと顔の表情は勿論のこと、踊りそのものが芝居に見えてくる語り口の豊かさが桁違いのように感じました。首藤さんが「SWAN LAKE」に参加された時のインタビューで仰っていたことには、振り移しの前にまず各々演じるキャラクターに関する掘り下げを行なうのだとか。その作り方や作風が演劇的と言われる所以かと思われます。今日のおふたりに感じたもの、昨夏の「DORIAN GRAY」でも感じた他のキャストより際立った何かは、芝居によって鍛えられた心の芯から滲み出る要素なのかなぁ…と。

初めての会場だったので、まずはその小ささに驚きました。本当にここで4人一緒に踊るのか、と。下へ向かう2階構造で、フロアは吹き抜けの空間なので圧迫感はなく、洒落た感じのいいところだと思います。

緞帳風に舞台を隠しているのは、実は投影用のスクリーン。そこにバンドを含めた今日のメンバーたちがリズムを刻む後ろ姿の映像が映し出されました。最後にダンサーが振り返り、踊り始めるとスクリーンが上がり…舞台上には同じ衣装・同じ振付を踊るダンサーと、演奏するバンドの姿!映像と実写のリンクが見事でした!最初に盛り上げるのは木原先生。伸びる飴のようなしなやかな勢いのあるダンス。床と会話しているようでした。
以下、ダンサー登板箇所のみ。小見出しは勝手につけました。
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