ジャパンツアーが実現しないままDVD化してしまったマシューの新作。やはり彼の創る世界が大好きです!いつかこれも生で見たいなぁ!!
性(欲)が本能的に現れるのとか、善か悪かぱっと見で判断しかねる持ち前の毒気とか、本当に堪りません。
クリスのダンスはしなやかで上品なのに、鍵をぷらぷら見せたりするちょっとした仕草が妙に人臭くて愛嬌がありました。彼を筆頭とするヴァンパイアフェアリーたちと仲良くなってみたいものです。何故かシャオチャンを彷彿させて、彼が踊っても似合うかもしれないと思いました。レオを見上げながら、もっと人懐っこくて不気味で裏のありそうな微笑みを浮かべそう。
カラボス/カラドックのアダム・マスケル(日本語表記だとこうなる?)は氷かガラスの向こう側、音も温度も感じられない異形の存在感が寒々しくていい!ヒステリックで残酷なカラボスに対し、カラドックは欲望を噛み殺したように静けさを装った、強引なティボルトといった風貌でした。
情熱の精には鎌田真梨さん。夏のDORIAN GRAY来日公演にもUKキャストとして参加されていました。ほっぺが愛らしくて、踊りは丁寧な印象。オーロラのお友達?来賓?で出ている時も、他とは違った佇まいで目を引きました。ぱちんと弾けそうな瑞々しさと、楚々とした雰囲気が両方あって、何とも素敵。
マシュー作品にしては、ハッピーエンドでした。ヴァンパイアフェアリーの小さな羽は「Highland Fling」のシルフを思わせ、ミイラ取りがミイラになる的なあの結末とも似て非なる感覚がありましたが、形はどうであれ望む相手とのひとつの幸せな結末だったと思います。寧ろマシューの作品でこんなに安堵と共に終わってしまっていいのでしょうか(笑)。
特典収録のドキュメンタリーは、以前BBCかどこかで放送されたのを見せていただいたのだけど、それと同じもののようでした。創られてゆく過程は本当に面白い。冒頭から笑いを誘ったbabyパペットにも力が入ったようですし(笑)。この特典を見て改めて驚いたことには、ドキュメンタリーの中に登場する他作品の舞台映像の多くにリチャードが必ずいるのです。まるでミューズ。あれのバジルはジェイソン???と思って調べたらどうも違うようです。あとオヤと思ったのは、くるみのゴブストッパー(だっけ?)の背景が口でなくて飴ちゃんのようなポップな背景だったこと。少しずつ変わってゆくのでしょうかね。
マシューの作品には中毒性があって、今度もやはり虜になっております。さて、次はいつ見ようかな!