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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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「ステキな金縛り」
 既出のような気がするけれど、実は前人未踏の思いがけない発想なのかもしれません。“本人が証言してくれたら楽なのに”とは、裁判長の台詞にもあったように、きっと誰もが考えそうなことですね。本人にしか言えないこと、本人にしかわからないこと、本人が胸の内に秘めたまま(時には意にそぐわずに)この世を去ってしまったこと。脚本と監督(エンドロールの表記ママ、他のスタッフにさりげなく混じっていて危うく見落とすところでした)の三谷さんだって、今は亡き実在の人物の場面を考えるときに、本人がここで当時の様子を語ってくれたらいいのにと考えたことが一度としてないなど、どうして断言できましょう(というのは私の勝手な想像ですが)。もちろん、その部分を考え抜いて、じりじりと迫真のものを練り上げてゆくのが産みの苦しみといった側面では楽しいのでしょうけれど。

 西田さんの落ち武者は、彼が演じるからこその可愛さがありました。いかにも出陣の出で立ちで、僅かな月明かりに浮かび上がり、のしのしと歩かれたら絶対に恐ろしいのに(それも刀を首に押し込んだまま!)、どこか人好きのする雰囲気。滲み出るお茶目さというか、時々現代俗語的な喋りになるのも面白い。なのに、彼の切々とした訴えや、思いがけない子孫との邂逅には思わずじんとしました。

 いろいろなところにビッグネームが登場するのも油断なりません。これだけの面々が名を連ねると、どうしてもカメオ出演みたいになってしまう方もいらっしゃいますが、そういう吃驚まで愉快でした。どうしても気になったのは、エンドロールを見ていて初めて気がついた猪野学さん。どの役だったのか気になる!映画の撮影現場にいたのかしら?

 いっちーのつくつくとか、タップを踊る阿部さんとか、面白いところを上げたら本当にキリがないのですが、貴一さんがとり澄ました顔でマジックを披露するところや、傍目も気にせずラブちゃんとお戯れになるところなどは笑いでお腹が引き攣れて痛くなるレベルでした。あと宝生どのの彼氏(まきおちゃんでしたっけ)が仔犬のようにキュートでした。

 他に良かったのは、あの幕切れです。お父さんも登場して、オマケにボスが貴一さんに死後の世界について教えるようせがまれているし(笑)、法廷画家の筆も絶好調。この絵が優しげで和みます。仕事が充実してきて幽霊の姿が見えなくなってしまった宝生どの、「魔女の宅急便」の後半にジジの言葉がわからなくなったキキと似ていると感じました。
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「バーレスク」
 スクリーンで上映中に見に行けないまま終わってしまった本作を、漸く借りてきて観ました。小難しいひねりがなく、気持ちの良いサクセス・ストーリーでした。お話の舞台になるバーは街角の小さなお店なのだけれど、そのこじんまりさがいい。宝箱を開けたような輝きと、文字通り夢のようなひと時が詰め込まれた空間でした。舞台上に展開される鮮やかで豊満なダンスシーンには、アリさながら、すっかり魅了されました。この魅惑のステージは、ぜひ舞台化されたら良いのじゃないかと思います。(この作品は映画だけですよね?)オフブロードウェイかどこかで製作して、来日公演でもしてくれたら嬉しいのにな。

 アリを演じたクリスティーナ・アギレラは、冒頭から目を惹きますね。期待に満ちた眼差しが熱っぽく燃えて、格好良いです。爆発的なエネルギーを内包したクリスティーナと、シェールの成熟し愛に溢れ達観した歌声とのデュエットがないのが残念。

 作中に描かれる男女関係には、駆け引きめいたものも語られますが、総じて清潔な印象(比較的)。下心のある人物もありながら、みんながそれぞれの大切なもの、好きなことを追いかけていて、美しかったです。素敵な作品に出会えました。
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ニューヨークに行きたい!! 帝劇開場100周年記念公演
主なキャスト(敬称略)

リサ・ヴァルトベルク:瀬奈じゅん
アクセル・スタウダッハ:橋本さとし
フレッド・ホフマン:泉見洋平
コスタ・アントニディス:戸井勝海
オットー・スタウダッハ:村井国夫
マリア・ヴァルトベルク:浅丘ルリ子
船長:阿部 裕
主任客室係:武岡淳一
フロリアン・スタウダッハ:石川新太

@帝国劇場 1階T列30番台



 この作品、何と本日千穐楽!NY流に言うなら、帝劇クルーズ最終便です。おめでとうございました!こんなに観劇で大笑いしてハッピーな気持ちになったのは、何だか凄く久しぶりな気がします。フォロワーさんがアクセルのことを「フルハウス」(アメリカのホームドラマ)のジェシーおじさんのようだと仰っていたけれど、本当にそんな感じ。

 耳に馴染む曲の数々が、急展開してゆく物語と一緒に体中を駆け抜けて、爽快です。老人ホームで安らかに暮らしていたはず(体のいい厄介払いとも言えるかもしれない)の親同士が豪華客船で駆け落ちという突拍子もない事件の中、上記の主な登場人物たちがそれぞれに自分の心と正直に向き合って、こうありたい、という姿を再認識し、それに近づこうとして懸命な様子には、素直に自分の気持ちと向き合う勇気を貰えました。心に大きく占めるもの、真っ先に去来するもの。自分が思い描いてきた理想形でなくとも、全く思いがけない形であっても、きっとそれこそが本物なのです。

 中盤、デッキでリサがアクセルに詰め寄る「どうしてあなたはスーパーヒーローみたいに平気な顔をしていられるの?」からのくだりに大変共感しました。腹を割って率直になれる相手はいいものです。特にそれが異性ですと、同姓とは違った感覚と視点からものを言ってくれるのでしょうね。


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posted by Elie | MUSICAL | comments(0) | trackbacks(0) |
シネマ歌舞伎 一谷嫩軍記 熊谷陣屋
出演者(敬称略)

熊谷次郎直実:中村吉右衛門
白毫弥陀六
 実は弥平兵衛宗清:中村富十郎
平経盛室 藤の方:中村魁春
亀井六郎:大谷友右衛門
片岡八郎:中村錦之助
伊勢三郎:中村松江
駿河次郎:大谷桂三
百姓 麦六:中村吉三郎
同  栗八:中村吉五郎
同  米蔵:中村蝶十郎
近習:中村扇之助
同 :中村鴈祥
同 :中村蝶三郎
同 :松本錦二郎
軍兵:中村東志二郎
同 :市川茂之助
同 :中村獅一
同 :中村梅秋
梶原平次景高:澤村由次郎
堤軍次:中村又五郎
源義経:中村梅玉
熊谷妻 相模:坂田藤十郎


 歌舞伎座のさよなら公演で演じられた吉右衛門さんの熊谷直実を、イヤホンガイドの解説と共に堪能してきました!

 観劇回数的にはかなり少ないのですが、実は伝統芸能にも関心があるので、歌舞伎文楽も観たことがあります。(因みに桂文珍さんの落語も2度ほど聴きに行った事があります。今度は志の輔らくごを聴きに行きたいなぁとこっそり狙っているところ) が、知識が殆どないので、役者に関する選り好みとか作品に対する思い入れとか、作品に求める理想的な姿とか、当方にしては珍しく(笑)そういったものは全くなし。三味線と浄瑠璃と重厚な芝居に、ただただ陶酔したのでした。

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The Phantom of the Opera at The Royal Albert Hall
主なキャスト(敬称略)

The Phantom : Ramin Karimloo
Christine : Sierra Boggess
Raoul, Vicomte de Chagny : Hadley Fraser
Carlotta Guidicelli : Kiera Duffy
Monsieur Firmin : Barry James
Monsieur André : Gareth Snook
Madame Giry : Liz Robertson
Ubaldo Piangi : Wynne Evans
Slave Master (Hannibal)/Shepherd (Il Muto) : Sergei Polunin
Meg Giry : Daisy Maywood
Joseph Buquet : Nick Holder
Auctioneer : Earl Carpenter
Monsieur Reyer : Philip Griffiths
Monsieur Lefevre : Simon Green
Don Attilio (Il Muto) : Stephen John Davis
Passarino (Don Juan Triumphant) : Gardar Thor Cortes
Madame Firmin : Heather Jackson
Wardrobe Mistress : Ellen Jackson
Confidante (Il Muto) : Rosemary Ashe

 好きなものを追いかけるのに、距離なんて関係ありません。時間さえ作ることができればどこへだって行ってしまえるのです。

 ということで、アクセスが不便と名高いららぽーと横浜の映画館まで、これを観に行ってきました!レミコン同様、映画は思い立ったが吉日ですね。大きなスクリーンで、映画館の音響システムの恩恵に与り、心から堪能しました…!!

 客席の造りがオペラ座風にコの字を描き、桟の部分も赤と金でそれらしくしつらえてあります。支配人ズやラウルが舞台を見下ろすボックス席は、普通のボックス席より舞台寄り・客席向き、きちんと着席したら客席を正面に見るようになる位置に造られているようでした。

 本編は、レミコンのようにスタンドマイクで直立不動というのではなく、衣装もアクティングも本舞台さながら。『All I Ask of You(Reprise)』でファントムが現れる2階の装置が広めに造られ、そこにオーケストラが乗っていて、役者の主なアクティングエリアは地上の板の上と、上手から下手に吊橋様に渡された上下可動の装置の上。これは『Il Muto』でブケーがいる3階(に相当する?)と、『The Pantom of the Opera』でファントムの住処に向かうふたりが移動してゆく回廊として機能していたようです。支配人ズの初登場シーン(『Hannibal』)は上手の客席通路から。

 驚いたことに、翻訳字幕は四季の代表である浅利さん。映画翻訳を手がけるような方が担当されるのかと思っていたので、意外でした。この作品に関してはGerry主演の映画公開時に映画館に5回通い、DVDで数回鑑賞し、シナリオが収録された本まで輸入している実績があり(笑)、日本語字幕は寧ろ必要ないくらいになっているので、殆どそれは読まなかったのですが、ちらちらと見たところでは四季で上演されているのと同じ翻訳だったようです。新たな翻訳を当てるより安上がりだからかもしれませんね。

 余談を申しますと、映画字幕と四季翻訳では言葉の選び方が当然ながら違います。原詞のエッセンスを掴もうとした(そうして結構失敗した感のある)のが映画、四季翻訳はお話の流れを変えず・無理なく流れるように気遣っている印象で、原詞に登場する言葉は登場しないことも多いです。並べてみると両極端なので、中間色の翻訳を読んでみたいですね。


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過去の足跡と、欲しいもの。
ターザン451号(05年)
DDD vol.3
シアターガイド07年1月号vol.179(06年12月2日発売)
TopStage vol.40(06年10月27日発売)→入手困難かな?
Dance Move 2007_09Autumn →チャコットで配布されたもの、誰か持っていませんか?
メンズノンノG(07年9月10日発売)

インタビューは、入手できなければ仕方ないと思うけれど、グラビアは見たいなー。。お取り寄せしてみようかしら。。
ちなみにこれらは、全て周さん関係です。

あと、Leslie Stuckのmaxi-zubという曲が欲しいです。これは、「パーフェクト・コンセプション」の後半部に使われています。Pasというアルバムに収録されていることまではわかっている。(クレカ使っていないので、これだけをDL購入ということが出来ませんでした)
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「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」
 三谷さんの人形劇も見ないまま、原作も読まないまま、三銃士のお話に関する知識は6年前に見た牧阿佐美バレエ団の「三銃士」のみ。それも記憶にあったのは、冒頭に登場したバターカップと思われる睫の長い着ぐるみの馬、ダルタニアン・コンスタンス・ミレディ・リシュリュー・アンヌ王妃の配役だけというお粗末ぶり。首飾りさえ、物語に箔をつけるためのエッセンスだと思っていたくらいでした。この映画に登場する俳優も、オーリーとミラくらいしかわからなかったので(後で見たら「キング・アーサー」にご出演の方がおふたりもいらした!)、作品それ自体を単純に楽しんでいました。

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posted by Elie | MOVIE | comments(1) | trackbacks(10) |