「ステキな金縛り」
2011.11.26 Saturday
既出のような気がするけれど、実は前人未踏の思いがけない発想なのかもしれません。“本人が証言してくれたら楽なのに”とは、裁判長の台詞にもあったように、きっと誰もが考えそうなことですね。本人にしか言えないこと、本人にしかわからないこと、本人が胸の内に秘めたまま(時には意にそぐわずに)この世を去ってしまったこと。脚本と監督(エンドロールの表記ママ、他のスタッフにさりげなく混じっていて危うく見落とすところでした)の三谷さんだって、今は亡き実在の人物の場面を考えるときに、本人がここで当時の様子を語ってくれたらいいのにと考えたことが一度としてないなど、どうして断言できましょう(というのは私の勝手な想像ですが)。もちろん、その部分を考え抜いて、じりじりと迫真のものを練り上げてゆくのが産みの苦しみといった側面では楽しいのでしょうけれど。
西田さんの落ち武者は、彼が演じるからこその可愛さがありました。いかにも出陣の出で立ちで、僅かな月明かりに浮かび上がり、のしのしと歩かれたら絶対に恐ろしいのに(それも刀を首に押し込んだまま!)、どこか人好きのする雰囲気。滲み出るお茶目さというか、時々現代俗語的な喋りになるのも面白い。なのに、彼の切々とした訴えや、思いがけない子孫との邂逅には思わずじんとしました。
いろいろなところにビッグネームが登場するのも油断なりません。これだけの面々が名を連ねると、どうしてもカメオ出演みたいになってしまう方もいらっしゃいますが、そういう吃驚まで愉快でした。どうしても気になったのは、エンドロールを見ていて初めて気がついた猪野学さん。どの役だったのか気になる!映画の撮影現場にいたのかしら?
いっちーのつくつくとか、タップを踊る阿部さんとか、面白いところを上げたら本当にキリがないのですが、貴一さんがとり澄ました顔でマジックを披露するところや、傍目も気にせずラブちゃんとお戯れになるところなどは笑いでお腹が引き攣れて痛くなるレベルでした。あと宝生どのの彼氏(まきおちゃんでしたっけ)が仔犬のようにキュートでした。
他に良かったのは、あの幕切れです。お父さんも登場して、オマケにボスが貴一さんに死後の世界について教えるようせがまれているし(笑)、法廷画家の筆も絶好調。この絵が優しげで和みます。仕事が充実してきて幽霊の姿が見えなくなってしまった宝生どの、「魔女の宅急便」の後半にジジの言葉がわからなくなったキキと似ていると感じました。
西田さんの落ち武者は、彼が演じるからこその可愛さがありました。いかにも出陣の出で立ちで、僅かな月明かりに浮かび上がり、のしのしと歩かれたら絶対に恐ろしいのに(それも刀を首に押し込んだまま!)、どこか人好きのする雰囲気。滲み出るお茶目さというか、時々現代俗語的な喋りになるのも面白い。なのに、彼の切々とした訴えや、思いがけない子孫との邂逅には思わずじんとしました。
いろいろなところにビッグネームが登場するのも油断なりません。これだけの面々が名を連ねると、どうしてもカメオ出演みたいになってしまう方もいらっしゃいますが、そういう吃驚まで愉快でした。どうしても気になったのは、エンドロールを見ていて初めて気がついた猪野学さん。どの役だったのか気になる!映画の撮影現場にいたのかしら?
いっちーのつくつくとか、タップを踊る阿部さんとか、面白いところを上げたら本当にキリがないのですが、貴一さんがとり澄ました顔でマジックを披露するところや、傍目も気にせずラブちゃんとお戯れになるところなどは笑いでお腹が引き攣れて痛くなるレベルでした。あと宝生どのの彼氏(まきおちゃんでしたっけ)が仔犬のようにキュートでした。
他に良かったのは、あの幕切れです。お父さんも登場して、オマケにボスが貴一さんに死後の世界について教えるようせがまれているし(笑)、法廷画家の筆も絶好調。この絵が優しげで和みます。仕事が充実してきて幽霊の姿が見えなくなってしまった宝生どの、「魔女の宅急便」の後半にジジの言葉がわからなくなったキキと似ていると感じました。