BOOK SHELF
舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
好きなものは好き!

映画の感想はアプリを使い始めました。カテゴリーからMOVIEを選んで、表示される最新記事内のリンクから行けます。

ご連絡はコメントかメール(カテゴリーから選択)でお願いいたします。
since 2005.Feb
ラストダンス オブ ヴァンパイア
 「ダンス オブ ヴァンパイア」大千穐楽、おめでとうございます!!!

 帝劇での2ヶ月、とても熱く・楽しく・心踊る毎日でした。続く博多座での1ヶ月、当地への嫉妬・まだ国内にいるという安心感…旅行の予定もない博多は遠く、飛んで行くことは叶いませんでしたが、やはり心を占めるのはヴァンパイアでした。原田みのるさんにまつわる吃驚事件(9月24日ソワレにてオケピに落下したとの情報あり)があったようですけれど、幸い大事には至らず翌日から何事もなかったかのようにご登板だったそうで、ホッと胸を撫で下ろしました。

 これで今期は本当にお終い。…寂しいな。。
 でもね、でもね(アルちゃん風)、再演の千穐楽は再々演への布石だと思うのです。みんながTDVを好きなら、絶対にまた来て下さいます。そう信じて、次なる舞踏会まで暫しのお別れをします。これからまた棺桶の中で、ヴァンパイアに会えない、永遠に思われる時を憂いながら、少しだけさようなら。

 カンパニーの皆様、3ヶ月間の熱いシーズンをありがとうございました!
 ヴァンパイア大好き!ヴァンパイア最高!!

 ところでリー子ちゃん、東京公演終盤でヴァンパイア・ダンサーが登場したクコール劇場の動画、待っていても良いですか?(笑) 因みに、博多前楽でもダンサーを従えて千手観音もどきをされたそうです。観たかったなぁ〜(by教授)

追伸:遠征された方、お疲れ様でした。レポを楽しみにしています(笑)
posted by Elie | STAGE MEMO | comments(0) | trackbacks(0) |
「カムイ外伝」
 カムイの軌跡に累々と連なる死体に、抜け忍の背負う宿命の重さを感じました。どんなに大きな相手・強い敵を斬り伏せても、その闘いに終わりは見えて来ず。幸島でのひと時のように心に抱えた闇が時おり薄らぐことはあれど、決して晴れることはなく。彼の負った宿命は天空の暗雲と違い、風で消し飛ぶこともなく重々しく垂れ込めたまま精神を苛み続けるのです。不動に“地獄だな。ここがお前の墓場、お前は自分の作った地獄で死んでいくのだ”と言われたクライマックス、彼の心に突き刺さったものはどんなであったか…想像の域を超えています。逆境に耐え、自ら進んでその中に身を置いて鍛錬してきたカムイだからこそ『生き抜け!』るのだと思いますが、常人だったらたちまちのうちに精神を病んでしまうに違いありません。

続きを読む >>
posted by Elie | MOVIE | comments(6) | trackbacks(11) |
カウントダウン オブ ヴァンパイア @博多座
 某動画サイトにTDVを特集した「ザ・博多座」のファイルが上がっていました。

 個人的な先入観と好みから、浦井/たまきペア(初演)・浦井/ちひろペアしか観たことがないのですが、ここで少し、キャストの比較などしてみようと思います。
 上記の映像を含めますと、浦井さんは実は相当のヘタレであるという美青年の見掛け倒しのような印象(笑)、いずみんは頼りなさのなかに少し男らしさもある感じがしました。知念ちゃんは清純な声質なので、可憐な美少女という印象。裏声が美しく響き、レミゼでコゼットを演じたということもあり、初演でサラを演じたたまきさんと共通項が見られます。例えば、菊地美香ちゃんはどうだろう?逆にちひろちゃんは、地声をある程度まで引っ張るタイプで力強さがあり、視線で殺すオナゴの魔力(笑)と健康的なエロスを感じさせます。前者は自分のフェロモンに無自覚で、後者は大いに自覚している節がある、といった風です。私の知る限り、ちひろちゃんと同じ年頃で同じタイプのサラを演じられそうな女優さんはいないような気がします。

続きを読む >>
posted by Elie | STAGE MEMO | comments(0) | trackbacks(0) |
劇団四季 ミュージカル 南十字星
主なキャスト(敬称略)

保科 勲:阿久津陽一郎
リナ・ニングラット:秋 夢子
島村中将:田代隆秀
原田大尉:鈴木 周
塚本少尉:前田貞一郎
ニングラット博士:池田英治
ルアット・ニングラット:内田 圭
ニルワン:小出敏英
キキ:山中由貴
オットー・ウィンクラー:吉賀陶馬ワイス
原田春子:都築香弥子
岡野教授:維田修二

@四季劇場 [秋] 1階14列センター

 劇場内は、普段よりも明らかに年齢層の高い方が多かったというのが印象的でした。作品柄でしょうね。キャスト表の文字が大きく、紙のサイズも一回り大きいのは、カンパニーの人数が多いだけではないと思います。

 初めて触れた思考としては、島村中将の言葉、復讐の矛先になったと言うことです。その悶々とした復讐心を癒し、本土のお上に危害が及ばぬようにできるなら、死して全うするまでが使命であるとする島村中将の粛々たる意思表明に衝撃を受けました。戦犯とされた方のご遺族は憎しみをやや露わにするけれど、理不尽な極刑を言い渡された方たちの中にはそういう思いを抱いていた人もいるのだと、この作品を通して新しい側面を教えていただきました。

 島村中将によって、保科少尉も少なからずそういう心で絞首台に消えていったわけですが、後に紹介された彼の遺言では胸が裂けんばかりの葛藤と闘っていたことが明かされます。どうして自分が死なねばならぬのか…と。それでも気持ちの整理をつけて(本当についていたのかと突き詰めれば、必ずしもそうではないのかもしれませんが)リナの愛情に包まれて、驚くほど安らかな気持ちでその時までの残り時間を過ごすことが出来た。そう書き残してあったと、岡野教授は語ります。ラストシーンでは、あるはずの理不尽さすら受容した保科の背中が余計に悲しかったです。保科をはじめとする彼らの死が後世に訴えかけるものが切々と感じられるような気がしました。
続きを読む >>
posted by Elie | MUSICAL | comments(0) | trackbacks(0) |
欲望こそがこの世界動かす
 本日、TDV博多公演中日でした。あれよあれよという間に時が経ってしまって、もう残すところあと2週間なのですね。考えまいとしても、2週間後にはヴァンパイアはいなくなってしまう…。

 博多座アルちゃんのいずみん(泉見さん)が、マチソワ間の楽屋からテポちゃん(遠山大輔さん)と共に配信したネットラジオで、日常生活にTDVの歌詞が飛び出す現象を“病気ですね”と一蹴していましたが、5W1Hの話が出ただけで“いつ、どこで、誰が、何を〜なぜ!”と始まり、その後が延々と続いてしまう私であったり、TDVの歌詞だけで会話が成立する私とT嬢であったり…。危篤と表現したことはありますが、重篤な症状には間違いございません。どなたか、ワクチンを処方してください。

 明日は博多座TDV唯一の休演日だそうで、お城の皆様は一日だけ人間に戻って、クコちゃんはお掃除から解放されて、のんびりゆっくり疲れを癒して欲しいですね。…お忙しい方もいらっしゃるようですが、季節の変わり目でお疲れが出ないと良いなぁ。。
posted by Elie | STAGE MEMO | comments(4) | trackbacks(0) |
開次さんとこんにちは。
 開次さんがご出演のスタパの録画を見ました。

 はにかんだような笑顔も爽やかで、こう言っては失礼ですが、少年のようでとても可愛らしいのです。低めだけれど重々しくない、滑らかで肌触りの良さそうな、とても心地良い声でお話なさいます。静かな中にも踊ることへの情熱が感じられ、胸が熱くなります。
 踊ることと生きることが同じになってきている。誰もが踊っている。自分も死ぬまで踊り続ける。別に自分が踊らなくてもいい(これは自分の作品を継承するということだろうか?)。…とても素敵な言葉です。日常動作と踊りが直結しているから、内臓ダンスなどのユニークな振り付けや、その物の特質を精緻に描出するダンスが生まれるのかもしれないと思いました。「KATANA」の映像では鳥肌が立ってしまうくらい、刃が放つ妖艶な反射光や、触れるもの全てを貫き通す鋭利さを感じたのです。私に骨董品の価値は判らないですけれど、まさに名刀を目の前に見ている錯覚というか…。妖刀開次、と勝手に名付けました。

 “怪我ですね”と断言するくらいストイックに自分を追い詰めた、がむしゃらな努力。今から考えれば、体が資本の世界において体の限界を顧みない愚かな行為にあたるのでしょうけれど、それほどの覚悟と、理想とがあってこそのエピソードであると思います。

 5歳のお嬢ちゃまも喜んで実践するという手洗いダンス、テレビの前で踊りました(笑)。泡帽子がよくお似合いでいらっしゃる。そしてニコニコ笑顔です!私たちが思う踊りらしい踊りでなくても、この人がやると踊りになっている。本当に根っからの“踊る人”なのだなぁと感じます。「サロメ」でどんなお芝居をするのか、どれだけ官能的なヨカナーンを描き出すのか、と〜っても楽しみです!!

 開次さん以外のところで思わず歓喜の声を上げてしまったのが、能と競演した映像のひとつ。しなやかでたおやかで凛とした佇まいの女性ダンサー、TDV初演でサラの化身を演じた加賀谷さんではありませんか!!

 そうして、たちまちのうちに私の血はごうごうと沸騰するのでありました…。
posted by Elie | OTHER MEMO | comments(6) | trackbacks(0) |
兵士の物語
キャスト(敬称略)

兵士:アダム・クーパー
ストーリーテラー:ウィル・ケンプ
悪魔:マシュー・ハート
王女:ゼナイダ・ヤノウスキー

指揮:ティム・マーレー
演奏:ソルジャーズ・アンサンブル・オーケストラ
   ヴァイオリン:桑田 譲
   コントラバス:赤池光司
   クラリネット:飯島 泉
   ファゴット:鹿野智子
   トランペット:本間千也
   トロンボーン:村田秀文
   パーカッション:平子久江

@新国立劇場 中劇場 1階12列最上手


 物凄くインパクトのある寓話。寓話的でありつつ、闇の入り口にぽっかりと口を開けているような、少し怖さがあるけれども覗いてみたくなる、不思議な色彩で鮮やかに彩られた作品でした。

 役付の出演者は4人、誰もが卓越したダンステクニックを持ち、アダムの男性的なダイナミズム・ウィルの切れ味鋭いダンス・ゼナイダの美しく安定感あるアラベスクなど、どこを切り取っても隙がなく、全体的にダンスシーンはそれほど多くないものの観応えがあります。中でも特筆すべきは悪魔を演じたマシュー・ハートでしょう。老人、老婆、胡散臭いおっさん、半人半獣の悪魔…と、中身は全て悪魔ですが、劇中では4回の早替えがあり、それぞれの姿で強烈な印象を残していきます。怖さもあるけれど愛嬌もあって、何だか惹き付けられました。役どころもあってのことと思いますが、肉体の贅を尽くした(肉体美という意味ではなく)人間離れした存在感のあるダンスは、人間を嘲笑う悪魔の恐ろしさで更に華やかでした。

 休憩なしの75分はとてもスピーディな展開で、面白い絵本をあっという間に読み終わってしまった感覚と共に幕となりました。いろいろな角度からじっくりと観たい作品。再演に期待します!!!今回は仕事の都合で、珍しくソワレ観劇でした。
 以下、パンフレットに掲載された粗筋に沿ってネタバレ全開です。

続きを読む >>
posted by Elie | DANCE, BALLET, PLAY | comments(2) | trackbacks(0) |
AMP「The Car Man」鑑賞2回目
キャスト(表記順・敬称略)

ルカ:アラン・ヴィンセント
ラナ:サラン・カーティン
アンジェロ:ウィル・ケンプ
リタ:エタ・マーフィット
ディノ:スコット・アンブラー

修理工&友人
 メルセデス:ヴィッキー・エヴァンス
 ロッコ:アーサー・ピタ
 モニカ:ヴァレンティナ・フォーメンティ
 ブルーノ:スティーブン・バークリー=ホワイト
 ジーナ:ヘザー・ヘイベンス
 サンドラ:レイチェル・ランカスター
 デロレス:シェルビー・ウィリアムス
 “ホット”ロッド:アダム・ガルブレイス
 チェド:リー・スマイクル
 ヴィト:ニール・ペンリントン
 マルコ:ベン・ハートレイ
 ダーク:ジェイムズ・リース
 田舎の警官チャック:ダレン・J・フォースロプ

クラブ
 クラブのオーナー シャーリー:ミケーラ・メアッツァ
 バーテンダー:パウロ・カドウ
田舎の監獄
 監視人デクスター:ダレン・J・フォースロプ


 前回は友人の厚意によるTV放送の録画を、今回は自ら購入したDVDを鑑賞。

 前回はただただダンスの勢いと、ほとばしる欲望に圧倒されたのを覚えていますが、今回は映画的な演出に目を奪われました。今でこそ New Adventures とおっしゃいますが、この映像のときやスワン初来日時の Adventures in Motion Pictures というお名前にある通り、映画的手法を用いた演出が斬新で、素敵なカンパニーなのです。

続きを読む >>
posted by Elie | MATTHEW BOURNE | comments(6) | trackbacks(0) |
あたしを呼ぶのは誰?
 TDV初演時に民衆の力が結実したハイライト・ライヴ録音盤を再演舞台鑑賞前に聞いて以来、凡そ2ヶ月ぶりに聞きました。…といっても、ほんの部分的に、ですが。

 TDVのフォルダを開き『外は自由』まで飛ばして、『幻想』の音楽が始まるまで更に早送り。サラが“いいの、もう!”と森へ駆け込んでしまうと、今度は『夜を感じろ』に飛びます。10分間の至福を味わった後は『永遠』で彼らの渇望を共有し、『荒野2』で泣いてから『Act-2 フィナーレ』でお祭り気分に浸りました。

 曲目を見ただけでピンと来た方は、もうお解かりのはず。聞きながら目を瞑っていた、その瞼の裏には、シャオチャンの姿をしたひとりのヴァンパイアが踊っていました。あぁ…何という幸せ…。。あの瞬間々々を体感できたという幸福、思い出せるという幸福!…しかしあくまでも、博多に飛べない身を慰めるひとつの手段であります。

 今日は某チケット合戦に参戦していましたが、“回線混雑ゆえに繋がりません”のアナウンスが少し変わり、一つ壁が薄くなったと思われたときに“そう、近づいてる前より〜♪”と、またもやひとりTDVを演じてしまったのでした。。

 元気に踊っているのか、博多の空は晴れているのか、そればかりが気になる今日この頃、私を呼ぶのはただひとり、吸血鬼Xなのです。
posted by Elie | STAGE MEMO | comments(2) | trackbacks(0) |
念願の「ノートル=ダム・ド・パリ」
 コウモリの飛び交う夏祭りによって凡そふた月の中断を余儀なくされましたが(笑)、購入から半年という牛歩で漸く読了いたしました。

 建造物の丁寧すぎる描写や、嫉妬に狂う感情描出が凄まじく、動画サイトなどに上がっているアニメーションで垣間見る雰囲気とはまるで違っていました。「レ・ミゼラブル」ほど格調高くはないものの、徹底して人間の情欲の生々しさを謳い上げて、終始炎のようです。そういうフロロが、自分の欲望をしまいこんだつもりでひっそりと立っているからか、カジモドの清らかさが浮かび上がって見えました。

 前述の通り、感情の描き方が本当に凄い。特にフロロについては、醜く渦巻く炎の塊なのかもしれないと思わせる、猛り立った獣のような感じさえします。実際、『抑えがたい欲望』とはこういうものなのでしょうけれど。彼の嫉妬狂いは、最後で見せたカジモドの涙と対照を成しているように思いました。

 主要人物、奇跡御殿の宿なしども、外の出来事はまるで別世界という風情の宮殿に集うやんごとなき人々、哀れなシャントフルーリ…全く違った価値観と、全く違った環境で生活している人々が、同じ街で、ひとつの大聖堂を取り巻いて繰り広げる感情的なスペクタクルは、実に読み応えがありました。

 これは是非とも、プティさんのバレエ作品を観てみたいですね!
posted by Elie | BOOKS | comments(0) | trackbacks(0) |