「ヤング@ハート」
2009.02.28 Saturday
歌に励まされたとか、歌が生きる力をくれたとか、或いは歌詞に共感したとか、そういうのは迷信か戯言くらいに考えていました。それが最近になって、とてもよく解るのです。ミュージカルの影響が大きいと思うのですが、これという具体的な表現はできないものの何かしらの強い‘思い’が流れ込んできて、気が付いたら涙が込み上げてきたり、自分の気持ちとぴったり重なったり。人生経験ってこういうときに反映されますね(笑)。
特に感動したのは、本番でフレッドが『Fix You』を歌う場面。彼の瞳は客席を越えてはっきりとボブを見つめ、彼に語りかけるように優しく深く歌い上げるのです。俳優がどれだけ役柄に肉迫しても表現し得ない、本物の‘思い’に心を打たれました。
老いに付き纏うイメージは後ろ向きなものが殆どです。歌い手であれば高音が苦しくなり、踊り手であれば肉体的な限界が訪れる。私のように凡庸な人も、齢80ともなれば日常生活の中においてさえ、若き日の関節の滑らかさを羨む事になるでしょう。ところがこの作品を観ていると、老いが何か楽しいイベントのように感じられるのです。“年齢を重ねれば重ねるほど、奥行きのある表現ができるようになる”というのは、私の先生の言葉ですが、その言葉を裏付ける存在が24人も、スクリーンに映し出されていたのです。巧い下手に関わらず、この難関を突破しようという躍進力は見習うべきで、どんなに厳しい言葉をぶつけられようとも心からの朗らかな笑顔が曇る事は無い。歌それ自体も勿論ですが、幾重も重ねた年輪の厚みが歌い込められた歌声、どちらかと言えば人生の終幕が近い彼らの姿がとても輝いていて、チャーミングで、こちらも自然と笑顔になります。自分も彼らと同じに生きていると思うだけで、何とも幸福です。
言葉の端々に溢れるユーモアが良いですね。数箇所で、ミュージック・クリップのように挿入される映像も好きです。
特に感動したのは、本番でフレッドが『Fix You』を歌う場面。彼の瞳は客席を越えてはっきりとボブを見つめ、彼に語りかけるように優しく深く歌い上げるのです。俳優がどれだけ役柄に肉迫しても表現し得ない、本物の‘思い’に心を打たれました。
老いに付き纏うイメージは後ろ向きなものが殆どです。歌い手であれば高音が苦しくなり、踊り手であれば肉体的な限界が訪れる。私のように凡庸な人も、齢80ともなれば日常生活の中においてさえ、若き日の関節の滑らかさを羨む事になるでしょう。ところがこの作品を観ていると、老いが何か楽しいイベントのように感じられるのです。“年齢を重ねれば重ねるほど、奥行きのある表現ができるようになる”というのは、私の先生の言葉ですが、その言葉を裏付ける存在が24人も、スクリーンに映し出されていたのです。巧い下手に関わらず、この難関を突破しようという躍進力は見習うべきで、どんなに厳しい言葉をぶつけられようとも心からの朗らかな笑顔が曇る事は無い。歌それ自体も勿論ですが、幾重も重ねた年輪の厚みが歌い込められた歌声、どちらかと言えば人生の終幕が近い彼らの姿がとても輝いていて、チャーミングで、こちらも自然と笑顔になります。自分も彼らと同じに生きていると思うだけで、何とも幸福です。
言葉の端々に溢れるユーモアが良いですね。数箇所で、ミュージック・クリップのように挿入される映像も好きです。