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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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since 2005.Feb
宝塚BOYS
キャスト(敬称略)

竹内重雄:葛山信吾
星野丈治:吉野圭吾
上原金蔵:柳家花緑
太田川 剛:山内圭哉
山田浩二:猪野 学
長谷川好弥:瀬川 亮
竹田幹夫:森本亮治
君原佳枝:初風 諄
池田和也:山路和弘

@シアタークリエ 17列10番台 東京公演千穐楽

 誰にだって夢がある。しかし、夢は誰にでも掴めるものではない。前途多難だから、展望が絶望的だからと諦めるのは簡単だけれど、果たしてそれで夢を追う心を満足させ得るか?かじる手前で幾度となく遠ざかる人参、その度に何度も崩れかかった決意、このままで良いのかと言う疑心。最大の挫折が訪れようとした時に上原さんが叫んだセリフ“出来る人がやらないで、誰がやるんだ?!”がとても印象的でした。青春を取り上げられ死んでいった戦友たちの分も頑張るのだ、そうすることが自分たちにできる限りの手向けだ、という捉え方は戦後特有のものかもしれませんが、‘夢を諦めない’姿勢は今にも充分通じると思うのです。彼らが気まずい状況や困難の底から、高らかに歌いながら這い上がろうとする懸命さに思わず涙が込み上げます。

 大劇場の舞台に立つという夢、男子部から劇団を盛り立てたいという夢。夢に向かう彼らの一生懸命な姿はとても溌剌としていて、男子部解散という残念な結果に終わったにも関わらず幕切れの清々しい笑顔はとても素敵でした。実現の運びとはならなかったレビューの場面がクライマックスに挿入されるのは本当に感動的で、せり出してくる大階段を感慨深げに眺める池田さん・アリアを歌うおばちゃん・歌い踊るBOYS、それぞれどのような思いで掴むこと叶わなかった夢を顧みたのかしらと思ったら、涙を禁じえませんでした。

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posted by Elie | MUSICAL | comments(6) | trackbacks(0) |
ミス・サイゴン
主なキャスト(敬称略)

エンジニア:橋本さとし
キム:新妻聖子
クリス:原田優一
ジョン:岡 幸二郎
エレン:シルビア・グラブ
トゥイ:泉見洋平
ジジ:池谷祐子
タム:中西龍雅

指揮:若林裕治

@帝国劇場 1階T列20番台

 美しい音楽と、その裏腹の殺伐とした戦場。どちら側から銃口を向けられるか解らない、終始はりつめた極限状態の空気。愛を交わすにも、遠くに想いを馳せるにも、あんなに切羽詰ったものを見るのは初めてでした。戦場で生きると言うのがどれだけ厳しいものかを想像しようとするのだけれど、自分のそれを遙かに越えてしまっている過去の現実が押し寄せてきて、正直どうしようもない感じです。例えば自分があの世界に居たら、愛を守るために躊躇なく許婚を撃殺するだろうか?ああいう状況に陥った時、我が身をかえりみず、文字通り命をあげるという選択ができるだろうか?キムが最後にした究極の選択が、究極の愛の体現としてひとつあるわけですが、そうせざるを得なかった・そういう道を選ぶしかない状況まで彼女を追い込んだ戦争、そしてその中で死を目の当たりにしながらも生き抜こうとしたキムの力強く・清らかな姿に涙せずにはいられませんでした。飛び立つヘリのプロペラとエンジンの轟音が、あんなに無情に聞こえたことはありません。

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posted by Elie | MUSICAL | comments(2) | trackbacks(0) |
Matthew Bourne's 「Nutcracker!」 on DVD
キャスト(敬称略、クレジット順)

Dr. Dross / King Sherbet:スコット・アンブラー
Matron / Queen Candy:エミリー・ピアシー
Suger / Princess Suger:サラン・カーティン
Friz / Prince Bon-Bon:ユアン・ワードロップ
Clara:エタ・マーフィット
Nutcracker:アラン・ヴィンセント
Orphanage Governors:フィリップ・ウィリンガム、イザベル・モーティマー、ケリー・ビギン
Orphanage Governors / Humbug Bouneer:ロス・カーペンター
The Cupids:VALENTINA FORMENTI、ニール・ペンリントン
Liquorice Allsorts:ヴィッキー・エヴァンス、リチャード・ウィンザー、PAURO KADOW
Knickerbocker Glory:アーサー・ピタ
Marshmallows:レイチェル・ランカスター、BERINDA LEE CHAPMAN、ミケーラ・メアッツァ、シェルビー・ウィリアムズ、友谷真実
Gobstoppers:リー・スマイクル、アダム・ガルブレイス、ジェイムズ・リース

役名および発音が解らない方については原語表記

 実際の舞台は未見ですが、DVDを見るのはかれこれ3回目くらいになります。まともな感想を書いた記憶がないので、今回改めて気付いたこと・感じたことを書きとめておくことにしました。


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posted by Elie | MATTHEW BOURNE | comments(0) | trackbacks(0) |
久方ぶりの通信簿
映画の話題でお世話になっているkossyさま宅でご紹介のあった『ブログ通信簿』、私も貰ってきました!
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posted by Elie | OTHER MEMO | comments(2) | trackbacks(2) |
Chagall -My Stories-
 苦悩は天才芸術家に添い寝する。私にはそういうイメージがあるのですが、このマルク・シャガール(本名はモーセに因んだモイシェ・シャガール)と言う画家は、才能はもちろんですが、家庭にも恵まれていたようです。作品からは、清らかで邪気の欠片もない幸福な微笑が零れてくるかのようでした。妻ベラを描いた作品には、シャガールの愛情深い優しい眼差しを感じます。

 シャガールと言えば、独特の色使いと重力から解放されたユニークな構図が印象的ですが、本当に感性豊かな人だったのだなと、生の作品に触れてみて改めて感じました。そして、自分の感性をそのまま表現できる人だと。今日はシャガール好きの父と行って来たのですが、彼の語るところによると“そこに何が描かれているかは大した問題ではない。少し離れて見ると、配色のバランスの良さがよく解る。例えばあの絵(「ヴィテブスクの冬の夜」、闇に浮かび上がる積雪の塗り方が好き)の真ん中の黄色も、近くで見るとどうしてこんな色を塗ってあるのかと思うけれど、離れて見ると意味を持ってくる”のだそうで、私も少し離れて見てみましたが、実際そうなのです。どこにどの色を配すると絵全体にどういう効果を生むかを知った上で描いているとしか思えません。しかも、そういった計算は微塵も感じさせない。感性のまま、インスピレーションの稲妻が駆け抜けるままにカンバスに筆を滑らせ、色を乗せたという印象。一見拙い絵ではありますが、それの持つ幻想的で少し風変わりな画風や、一瞬にして視線を惹き付けられる色使いはシャガールのものでしかなく、彼にしか表現し得ない世界なのでしょう。

 油彩とかパステルとか、カラーの作品しか知らなかったので、リトグラフや銅版のモノクロの世界はとても新鮮味がありました。また雰囲気が変わって面白いですね。あと、年表を見ていて驚いたことがひとつ。シャガールが23歳の時、“(レオン・)バクストが手がけていたディアギレフのバレエの装飾を助手として手伝う”とあるのです。…「牧神の午後」!? シャガールが関わっていたことは知りませんでした〜。

於:ポーラ美術館
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「乞食オペラ」を読んだ
 書店でブレヒトの「三文オペラ」を購入したものの、やはり始めは正当な原作から入るのが良かろうと思い、ジョン・ゲイの著作を読みました。

 もうのっけから面白くて!と言うのも、ミュージカルを見ているためか、その時の役者さんの姿に声に自動変換されて想像できるからなのです。それも手伝ってのことですが、予想以上にすんなり読めたのは、ミュージカルが原作通りに作られていたからだと思います。翻訳本ではありましたが、舞台に登場したセリフがそのままあったり、歌の内容も舞台版とほぼ同じであったり、“原作を下敷きにした”と言うより“できる限り再現した”と言う感じ。ポリーとルーシーの修羅場もあれば、マクヒースの女たちが次々と隠れ家にやってきて、挙句ピーチャムに逮捕されるくだりとか、もう本当に舞台そのまま。…本来ならば原作そのまま!と評する方が順序的には正しいのでしょうが、何しろ舞台からベガーズの世界に入った者ですので、その辺の順不同具合はご了承あれ。。

 この本を読んで一層強く感じたのは、底辺に追いやられてしまった乞食にも人生があると言うこと。彼らは彼らにできる最大限の努力をして、彼らなりにまっとうに生きているのであって、どうしてお歴々にその権利までも奪うことが出来ようかという切なる訴えのようなものを感じました。彼らの言い分を聞いていると、吊るされるのは貴族どもだと叫んで、賛同さえしたくなります。もう一度ベガーズに会いたい!舞台で!

 劇場鑑賞時の感想はこちらです。
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マイ・フェア・レディ [映画版サウンドトラック新盤]
主な収録キャスト(敬称略)

イライザ・ドゥーリトル:マーニ・ニクスン
ヘンリー・ヒギンズ教授:レックス・ハリスン
アルフレッド・ドゥーリトル:スタンリー・ホロウェイ
ピッカリング大佐:ウィルフリッド・ハイド=ホワイト
フレディ・アンスフォード・ヒル:ジェレミー・ブレッド

 映画版は未見ですが、ふとミュージカルを懐かしく思い手に取ってみました。私の中ではあまり印象の強くない(かといって弱いとも言えない)作品ですが、曲そのものは結構頭に残っています。…と言うことは、親しみやすい旋律が揃っていて、そういうものほど名曲との誉れが高いのかな、と考えました。
 日本語版と比べて演奏速度が違ったり、アレンジ(と言うか歌い方)が違ったりすると、やはり海の向こうのものを日本語に変換するのは難しい作業なのかなと思います。舞台版プログラムの日本語歌詞と併せて聞いてみましたが、これはとてもうまいことはまっていました。TDVやウィキッドも違和感の少ない翻訳モノと言えるのではないかしらと思います。大きな声では言えないですが、某大劇団の某代表が和訳したものは、ちょっとゴロゴロとした違和感があるのですよね。

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ウィキッド [劇団四季キャスト盤]
主な収録キャスト(敬称略)

グリンダ:沼尾みゆき
エルファバ:濱田めぐみ
フィエロ:李 涛
オズの魔法使い:松下武史
マダム・モリブル:森 以鶴美
ネッサローズ:山本貴永
ボック:金田暢彦
ディラモンド教授:武見龍麿
魔女の父:白倉一成
魔女の母:今井美範
産婆:遠藤珠生

 発売日に山野に行ったら完売と言う憂き目を見たので、予約して購入しました。発売日翌週の頭にはもう聴いていたので感想のアップが遅れてしまった形ですが、聞きながら書いたメモがあったのでレビューに仕立ててみました。


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posted by Elie | MUSICAL REC | comments(2) | trackbacks(0) |