BOOK SHELF
舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
好きなものは好き!

映画の感想はアプリを使い始めました。カテゴリーからMOVIEを選んで、表示される最新記事内のリンクから行けます。

ご連絡はコメントかメール(カテゴリーから選択)でお願いいたします。
since 2005.Feb
<< ヘンリー六世 | TOP | 鬼よ、笑え! >>
「Disney's クリスマス・キャロル」
 傲岸不遜な偏屈老人スクルージが全ての尺に金貨を用いていることは、冒頭でマーレイの伏せられた瞼の上から金貨を回収していく行為から明らかです。この嫌らしい爺さんのへの字に曲がった口が逆に曲がることは、果たしてあるのだろうかというほど。しかし哀しいのは、現在の彼を作ったのは過去の貧しさであるということです。現在の貧しさのために第二・第三のスクルージが未来に生まれて欲しくないと、本編に登場する物乞いをする子供たちを見ていて思いました。

 過去と現在が未来を織り成す。つまり、現在を変えれば良くも悪くも未来はいくらでも変えられる。スクルージのように時の旅は出来ないけれど、忘れようと努めてきた苦い思い出の中にも現在を形作る要素があるのだと思うと、自分の生きてきた軌跡がどことなく尊いような気がしてきます。

 本編中に目を見張るのは、その映像美です。CG技術もついにここまで来たか、という感じ。俳優の演技をデジタルで取り込み、スクリーンで再現する技術を用いた映像表現のようで、なるほど、スクルージもフレッドもどことなく声の主と似た印象です。(コリン・ファースはもっと2枚目なお顔立ちだと思うけれど!)人間の動き方がリアルで、特にフレッドがスクルージをクリスマスの晩餐に招待しにやってきた場面では、照明も暗いために本物の人間が画面の中で動いているような錯覚を覚える瞬間もありました。

 マーレイや未来の精霊の描写はホラーテイストで、次の動きまでの独特の間に恐怖心を掻き立てられました。一方で面白いのは過去の精霊。蝋燭の炎が迫真の再現力で表され、顔(に当たる部分)が妙な揺れ方をするのが可笑しかったです。

 街を見下ろしながら空を飛ぶように場所を移動していく冒頭部が、本当に風を切っているかのようなスピード感に溢れ心地よい。

 最後にクラチットをナレーターとして立てるのは、不自然だったように感じました。甥御のパーティーに出向くエピソードはしっかりと描かれているのに、クラチット家に配送を頼んだ七面鳥に家族が喜ぶ様子がクラチットの口から“何しろ昨日は大騒ぎで"としか語られないのは、何となく物足りない印象です。『現在のクリスマス』の中で、不平不満たらたらでスクルージに乾杯をしたクラチットの妻の反応が気になりました。

 いっちーの一人芝居、観たいなぁ!ご自身も再演に意欲的のようですし、いつかは叶うでしょうか?教訓めいているけれどファンタジックなお話が気に入っています。
posted by Elie | MOVIE | comments(6) | trackbacks(17) |
スポンサーサイト
posted by スポンサードリンク | - | - | - |
コメント
ご無沙汰ばかりしています。

『クリスマス・キャロル』といえば、いっちー(いっちゃん?)の、
スクルージからろうそくの炎までの一人芝居を思い出します。
再演されたらまた観たいなぁ・・・
でも最近、劇場から足が遠のいてしまっています。。。
2009/11/15 21:00 by 悠雅
いっちゃんのクリスマスキャロル…見たいですねp(^^)q
うちにDisneyキャラクター版の絵本があるのですが、スクルージの元にくる幽霊(マーレイ)?とドアノブの顔がやたら恐くて…。グーフィーのあの半開きの目…思い出してはびくびくしていました。(実は今も…)
行くなら誰かを誘って行きます!
2009/11/15 21:44 by T
悠雅さま

こちらこそTBで存在をちらつかせるばかりで、失礼をしております。
悠雅さまはいっちー芝居をご覧になったことがあるのですね。
映画パンフにご自身が“また演じたい”ようなことを書かれていたので、いつの日か…と期待したいです。
最近はもっぱら劇場に通っています(笑)。来年だったか、「キャンディード」というミュージカルにいっちーが出演されますが、小規模な作品の良さに触れてしまうと東宝の作品はやはり‘商業演劇’だなぁと思いますね。。
2009/11/16 21:05 by Elie@管理人
T嬢

観たいですねぇ!
いつかも話したことがありましたが、あなたがお持ちの絵本と我が家にあるものは同じものです。グーフィー@マーレイ…この映画のマーレイはグーフィーより怖いと思いますよ。
いっちーのノッカー(ノブかと思っていたけれど、違うようです)はきっとユーモラスで可愛いから、大丈夫!
2009/11/16 21:10 by Elie@管理人
あのグーフィーより恐いんですか((゚Д゚ll))ますます1人じゃ見られない…。
いっちゃんの顔のノッカー…面白そうですね。
2009/11/16 22:17 by T
T嬢

怖いと思います。彼が現れるまでの場面はホラー仕立てなので、覚悟召されるが宜しいかと。
いっちーノッカーはおどけた表情が素敵ですね(決め付け)
2009/11/20 21:09 by Elie@管理人
コメントする










この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
2009/11/15 22:40
フェイントで鑑賞―【story】守銭奴で、家族を持たず、誠実な使用人ボブ(ゲイリー・オールドマン)やたった一人の甥(コリン・ファース)どころか、全ての人との繋がりに背を向けて生きるスクルージ(ジム・キャリー)は街一番の嫌われ者。あるクリスマス・イブの夜、
★YUKAの気ままな有閑日記★
2009/11/16 10:33
お金は大事やけど,人間愛はもっと大事。  
Akira's VOICE
2009/11/16 10:47
 19世紀イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』を、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ/一期一会』や『ポーラー・エクスプレス』のロバート・ゼメキス監督ロバート・ゼメキス監督が、モーション・キャプチャーCGアニメ
コソダチP's 光速L(気分は冥王星)SQ
2009/11/17 21:52
私の本棚にはちょっと厚めの「クリスマス・キャロル」の絵本があるくらい好きな作品なんですよね。このタイトルから受ける印象なのか楽しいクリスマスのお話をイメージされる方も少なくないみたいなんですけど、実はちょっとダークなお話だったりするんですよね。初めて
カノンな日々
2009/11/18 21:16
今年は〈3D映画元年〉らしいけど、コレ観るなら絶対、3Dで {/ee_1/} この時期観たくなる、大好きなクリスマス映画のひとつに「ポーラーエクスプレス」{/kirakira/}がある。 そのロバート・ゼメキス監督の最新作は ジム・キャリーときいて楽しみに待ってました〜♪ (
我想一個人映画美的女人blog
2009/11/19 01:50
今週の平日休みは、シネマイレージ会員の鑑賞ポイント6点と300円払って、 日本語吹き替えの3D版を鑑賞。 予告編もバシバシ飛んでくる3Dの「カールじいさん〜」と「アバター」だった。
★☆ひらりん的映画ブログ☆★
2009/11/20 14:30
映画『Disney's クリスマス・キャロル』は、ロバート・ゼメキス監督がチャールズ・ディケンズの小説を映画化した作品です。先日、劇場に観に行きました。●導入部のあらすじと感想
yanajunのイラスト・まんが道
2009/11/23 23:58
金儲けに執着し人間らしい感情を忘れてしまった初老の男性の物語です。
水曜日のシネマ日記
2009/11/24 10:04
【 66 -13- 1ヶ月フリーパスポート=14 】 『ロンドンが大不況にみまわれた1843年に出版されたチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」は、絶望の日々を送っていた当時の市民たちに希望の光を灯し、今なお世界中で愛され続けている“世界で最も有名な”クリ
労組書記長社労士のブログ
2009/11/25 00:43
 未来は、まだ変えられるかもしれない… フリ―パスポート第3弾は、ジム・キャリーが嫌われ者のスクルージ他過去・現在・未来のクリスマスの霊等、全部で7役をこなすヒューマンファンタジー「クリスマス・キャロル」です。監督は「ロジャー・ラビット」「ポーラー・
銅版画制作の日々
2009/11/26 05:32
観に行くなら断然、3D をおすすめ。 吹替になってしまうが面白さは倍増スクルージが亡霊に連れられて 空を飛びまくるねんけど それが速いから まぁとにかく目が回りよりまくりますぜ (ただ単にワタクシの動体視力が弱ってるせい) 画面に奥行きがあって 雪な
HAPPYMANIA
2009/11/26 23:30
【 67 -13- 1ヶ月フリーパスポート=15 】 Disney'sクリスマス・キャロル【字幕スーパー2D版】を先日観たんだけど、レビューに書いているとおり、かなり印象が悪く俺としては評価も悪かった。 しかしTBさせていただいたブロガーの皆さんの評価を観ていると、3Dと2Dの
労組書記長社労士のブログ
2009/11/28 14:08
 A CHRISTMAS CAROL  "God bless us, every one!"  19世紀、ロンドン。金の亡者スクルージ(ジム・キャリー)は、クリスマスが 大嫌いな孤独な...
真紅のthinkingdays
2009/12/01 10:41
金儲けに執着し人間らしい感情を忘れてしまった初老の男性の物語。今回観たのは3D日本語吹替版です。
水曜日のシネマ日記
2009/12/06 21:00
「Disney's クリスマス・キャロル」は、デジタルアニメーション映画の世界で、独自のスタイルを追求しているロバート・ゼメキス監督による最新...
ノラネコの呑んで観るシネマ
2009/12/07 21:15
Disney's クリスマス・キャロル字幕版 <Story> スクルージは、強欲で思いやりのかけらもない孤独なお爺さん。 甥っ子がクリスマスの食事に誘いに来ても「帰れ」。クリスマスの寄付にも「貧しくて死ぬのは運命だ、知らん」、従業員のクラチットに「なぜクリスマスを
犬・ときどき映画
2010/01/03 20:44
> 昨年2009年のクリスマスにDisney’s クリスマス・キャロルを観てきました。  記事にするのが年越しになってしまいました・・・。年を越しちゃうと正直記事にする気力が・・・。なのでちょっと手抜き記事になっちゃうかも知れませんがご了承のほどを。
よしなしごと