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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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「チェンジリング」
 母親と言うのは、凄い生き物だと思います。子供のためなら自分の全てを差し出せる、その覚悟と、毅然とした態度。感情的だとか常軌を逸しているとか評されがちです(本編でもそういう扱いを受ける場面が多々ありました)が、それこそが母たる者の本能・直感、寧ろ備わった必要不可欠な能力なのだと思うのです。肉体的変化・記憶違い等々、理屈で捩じ伏せられるような脆いものであるはずがありません。優しいクリスティンが発揮した行動力、彼女が法律に投げかけた大きな波紋、最後に掴んだ希望(それが確信であったか、もっと朧な祈りのようなものであったかは解らないけれど、後者であるならとても切ない)、どれもこれもに母親の底力を見、改めてその存在の偉大さに感動しました。私は母親ではないけれど、ウォルターが姿を消した時のクリスティンの狼狽ぶりを見ると、幼い頃に門限を破ったために凄い剣幕で私を叱った“母親”の気持ちが解らないでもありません。

 我が子を案じる母親から、真実を見極めようとする強い女性への変遷(しかし根底にあるのはウォルターへの愛情であり、並々ならぬ母性なのだ!)を、アンジーは丁寧に・深く表現されていたと思います。クリスティンの腐敗に敢然と立ち向かう姿は美しく、見ていて憤怒が頭をもたげてくるほど堕ちた警察側との対比が際立っています。素晴らしかったのはアンジーばかりではなく、警察の名誉挽回・汚名払拭ばかりを考えている警部を演じたジェフリー・ドノヴァンも!とことん憎らしい、クリスティンでなくとも理不尽さを感じさせる演技で印象付けます。

 2つの事件が繋がっていく過程の見せ方は巧みで、残虐な描写もありますが、ぐいぐいと引き込まれました。今後これを越えるものに出会うことは難しいのではないかとさえ思います。犯人の従弟の少年が、犠牲者の遺体を掘り返す場面では何だか心がヒリヒリと痛みました。牧師、精神病院で出会った女性、良心的な刑事など、クリスティンの支えとなる人々との関係性が少しずつ広がっていくのも静かな見所かと。

 落ち着いた街並み、シンプルだけれど素材などにこだわりを感じさせる服飾品、ゆったりと走る路面電車にクラシックカーなどなど、古き良き時代という感じで懐かしさがあり、情景にも目を奪われます。精神病院で眠る前に薬を与えられる場面では、「17歳のカルテ」を思い出しました。
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