「バベル」
2007.04.30 Monday
先ず、独り善がりに喚き散らすのをやめると良い。自分の要求だけを通そうとする欲求を鎮めないといけない。そういう怒号は耳障りなだけで、何も有意義なことはないのですから。そんな風に思います。苛立ちは、憎しみ同様に連鎖を繰り返すようです。繰り返す毎に、嵩も増して行きます。それは恐らく、まだ言語が一つだけだった遙かな時代に、着々と高さを増していったバベルの塔の如く。
スーザンが運び込まれた家のお婆さんが良かった。言葉が通じない中で、彼女だけが喚き散らしたり取り乱したりすることなく、重傷を負ったスーザンを優しく看病する。それこそ、カオスにもたらされる一筋の光明なのではないかと感じます。
一番涙腺が緩んだのは、マイクが不安と涙で顔を歪めながらアメリアに“僕も行く”と訴える所。彼の心細さが痛いほど解って、辛かった。アメリアが彼らの下を離れた後、もしかしたらマイクはぐったりしたデビーを守ろうと必死だったかも知れない。そんな風に思いを馳せると、胸がキューッと締め付けられます。
アカデミー賞ノミネートで話題になった凛子さんの演技も素晴らしかったです。チエコの抱く孤独がスクリーンを突き破らんばかりの鋭利さをもって、こちらに迫ってきました。役所さんもとても印象的で、彼自身の提案による台詞“気をつけて”の雰囲気も良かった。これがもし脚本通りに“愛してるよ”だったら、リアリティに欠けたと思います。
「21グラム」の時も時間軸をばらし、最後に全てが繋がるという手法で物語を描き出した監督の色がこの作品にもあって、リチャードが病院から自宅に電話をかけるシーンで時間の正しい流れを把握しました。物語の舞台があちこちへ飛ぶので忙しいですが、最後の最後に落ち着くべき軸に落ち着くと言う監督の手法が、意外と嫌いではありません。ただ頂けなかったのは、クラブの照明が激しく明滅する場面。眩しいし、目まぐるしく動くので、正視するのが辛かったです。具合の悪くなった方が出たと言うのも無理はないかなと。
…うーむ、うまく書けないなぁ。
スーザンが運び込まれた家のお婆さんが良かった。言葉が通じない中で、彼女だけが喚き散らしたり取り乱したりすることなく、重傷を負ったスーザンを優しく看病する。それこそ、カオスにもたらされる一筋の光明なのではないかと感じます。
一番涙腺が緩んだのは、マイクが不安と涙で顔を歪めながらアメリアに“僕も行く”と訴える所。彼の心細さが痛いほど解って、辛かった。アメリアが彼らの下を離れた後、もしかしたらマイクはぐったりしたデビーを守ろうと必死だったかも知れない。そんな風に思いを馳せると、胸がキューッと締め付けられます。
アカデミー賞ノミネートで話題になった凛子さんの演技も素晴らしかったです。チエコの抱く孤独がスクリーンを突き破らんばかりの鋭利さをもって、こちらに迫ってきました。役所さんもとても印象的で、彼自身の提案による台詞“気をつけて”の雰囲気も良かった。これがもし脚本通りに“愛してるよ”だったら、リアリティに欠けたと思います。
「21グラム」の時も時間軸をばらし、最後に全てが繋がるという手法で物語を描き出した監督の色がこの作品にもあって、リチャードが病院から自宅に電話をかけるシーンで時間の正しい流れを把握しました。物語の舞台があちこちへ飛ぶので忙しいですが、最後の最後に落ち着くべき軸に落ち着くと言う監督の手法が、意外と嫌いではありません。ただ頂けなかったのは、クラブの照明が激しく明滅する場面。眩しいし、目まぐるしく動くので、正視するのが辛かったです。具合の悪くなった方が出たと言うのも無理はないかなと。
…うーむ、うまく書けないなぁ。