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「蟲師」
 綺麗でした。しかし、ただ綺麗なだけではない、うっとうしい湿り気と豊かそうな泥土と温かい気持ちが、そこには確かにありました。それと息遣い。雨にも、風にも、空にも、水にも、土にも、幹にも、葉にも…生き生きとした命が宿り、呼吸している生々しさがありました。

 見えないものの存在を意識した時代、それはとても素敵だと思います。見えないものに対するおそれは恐怖でもあり、畏怖でもあったと感じました。それだけ自然を敬っていたと言うことの表れだと思うし、そういう時代の方が平和だったようにも思われます。緑は濃く、人々の笑顔は温かいので。新種の蟲の報告も聞かなくなったと言っていたから、きっと蟲師の世界も近代化の波にさらわれて、アスファルトの下で蟲たちは儚くも消滅してしまうのでしょう。そう考えたら、何だかえも言われぬ寂しい気持ちが沸いて来ました。アスファルトの話は、現代の昆虫たちのことを某先生が仰ったことなのですが、私は節足動物が同じ空間に居ると思うと目の前のことに集中できないほどに、それらが大嫌いなのですけれど。

 淡幽がめんこい。真火もめんこい。素朴な可愛らしさなのですよね。病んだ二人を見つめるカメラの視線がとても優しくて、良かったです。ジョー君演じるギンコの飄々とした立ち居振る舞いも良い。だからこそ、巻物から染み出してきた大量のトコヤミを前にした時の、驚きと焦りが引き立ってドキリさせられます。そういう、今までの冷静さとか貫いてきたイメージとかが少しでも崩れるような瞬間は、人間味が溢れ出てくるような気がして好きなのです。

 さて、この作品で何より興奮したのは、淡幽が菜箸で以って文字を巻物に戻す場面。実は途中までではありますが原作漫画を読んでいたことがありまして、当時からこの場面は印象深く、お気に入りだったのです。それが実写化されると聞いてから、とても楽しみにしていました。美しく不思議な映像になっていたと思います。原作にあるどのエピソードも、何処かの里で語り継がれてきた物語が新たな民話として表出してきた感じで、不気味さと幻想が混ざり合った、朧でふらふらとした月光のような、何とも心地良いものなのです。

 最後に、疑問に感じる点を幾つか。
・阿だか吽だかがギンコの体内に侵入したようでしたけれど、アレはその後どうしたの?
・“元に戻るかはギンコ次第”…ある時点からいきなり復活していましたけれど、回復早すぎでは?
・旅を続けるギンコ、ぬいは置き去り?
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