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特異な2人の芸術家
 またもや美術展をはしごしました。今回は『スーパーエッシャー展』と『ダリ回顧展』です。

■スーパーエッシャー展-ある特異な版画家の軌跡-
 高校生の頃だったか、ある友人にエッシャー関連の本(何と彼女のお父様の私物だったのです!)を貸して貰って以来、彼の描き出す世界の虜になってしまいました。それ以前にも何処かで見かけて絵の感じは知っていたのですが、やはり多くの作品に触れてみると版画家の中で熱いモチーフが解ってきたりして、面白いものですね。何よりも、精緻で独特な世界が堪りません。
 4年位前にもBunkamuraでエッシャー展があり、勿論行きましたが、その時と比べて今回の方が断然作品が多く、見ごたえも違いました。エッシャー・ノートなるものまで展示されていて、それには作品のアイデアや幾通りもの平面分割の方法など、細かく書かれているのです。ただインスピレーションのままに描く・彫るというだけでない印象を受けました。非常に綿密で計算されたものであろうことは、彼の作品を見れば素人目にも想像はつきますが、それが裏付けられたと言うか、あぁやっぱり、という感想の隣には、エッシャー…恐ろしい人…!という驚きも確かにあって。初期の作品を沢山見ることが出来たのが良かったですね。
 「24の寓意画」が印象的。刻まれた字体が、描かれているものの雰囲気とよく合っているのですよ。例えば「リス」の絵では、忙しなく動き回るリスのように、文字がラーメンどんぶりの模様のように渦を巻いていました。あとはやはり「メタモルフォーゼ」とか、騙し絵の系統でしょうか。立体映像化されていたり、タッチパネルのモニター上で動かせたり、と言うお楽しみコーナー(?)も一角に設けられていて、何だか新鮮。「深み」の映像は、自分があの魚の群れに放り込まれたような風情です。「爬虫類」の映像はこの一角ではなく展示の最後に登場しますが、見ていて飽きないのですよ。よちよち歩く爬虫類が愛らしくて、ニコニコしながら見入ってしまいました。見たいと思っていた「静物と街路」と「循環」が展示されていなかったのは少し残念でしたが、「もう一つの世界供廚鮓ることが出来て嬉しかったです。
 出口にあるガチャポンでは、何と“でんくりでんぐり”を3匹も出してしまいました。本当は「もう一つの世界」や「球面鏡のある静物」に登場する人面鳥も欲しかったのですけれどね…でんぐりちゃんを呼んでしまったわ…

■ダリ回顧展
 イメージの連鎖や感情の渦巻きから生まれるものがああいう世界を構築する(敢えて形にするとダリの絵のようになる)と言うのは何となく解ります。自分でもそんな気がするので。しかし、正直に申し上げて、彼の世界は理解できませんでした。その究極のものは「アンダルシアの犬」。見終わった瞬間、解らない…!と洩らしてしまいましたから。
 理解できるか否かは別としても、彼の色使いというか、空のグラデーションや滑らかな画面は好きですね。描かれている主題の割りに、とても鮮やかなのが目を引きます。
 妙な気がしたのは、「記憶の固執の崩壊」があったのに、崩壊する前の「記憶の固執」がなかったこと。折角の機会だからその2作品を目の前に並べて見てみたかったので、残念でした。「茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)」や「聖アントワーヌの誘惑」も見たかったのですが、こちらも展示されておらず。。
 展示の最後を堂々と飾るのは「世界教会会議」。今までの悶々として鬱屈したような作品とは打って変わって、とても神々しい感じが印象的でした。
posted by Elie | MUSEUM REPORT | - | - |
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