「ナイロビの蜂」
2006.06.03 Saturday
面白い作品と言うともしかしたら不適切かも知れませんが、面白い作品でした。緻密に練られていて、「ミスティック・リバー」よりリアルで、すんなりと頭に入ってきました。
全体的な印象としては、歴史的な寺社巡りや、キリスト教信者たちが十字架の道行きを歩くのと同種のものを感じました。パンフレットが完売だったため、公式サイトの小さくて読み辛い文字をさらりと追ったところ、ジャスティンが妻の死の真相を調査するようになって能動的になっていったとの事。そしてそれと共に、より深くテッサを愛するようになって行ったに違いありません。重厚な歴史やキリストの痛みを思いながら足を勧めるうちに、それらに対する関心が一層深まり、更なる探究心、或いは信仰心が高まっていく(と私は考えている)のと同様に、ジャスティンはかつてないほど彼の妻を愛していったと。
活動家テッサの情熱は時に周囲を不愉快にさせたかもしれないけれど、それほどまでに終始一貫した彼女の行為や存在は、スワロフスキークリスタルの鋭いカットが放つ毅然とした輝きさながらのように感じました。そういう、なよやかでない部分にも(こそ?)ジャスティンは惹かれたでしょう。そして我知らず、感化されていったと思うのです。『今、この子を救える』と言う台詞がそれを明らかに表していますから。
最期まで、この夫婦は正義だったと思うのです。今や国内でも、恐らく普通に行われている治験。新薬については、充分な動物実験を経てから臨床試験に入るはずですが、どういうわけかいきなり人間が実験対象とされてしまっている影の(?)実情は、思いの外厳しい問題のようですね。その臨床試験だって、第4相くらいまであるのですよ。第二次大戦中のナチス独逸などの行為に対する反省を含めて色々と定められた事柄があるようですし、何故治験などと言う事がまかり通ってしまうのか、ちょっと飲み込めません。人間って、そんなに汚い生き物なのでしょうか。告発のシーンは溜飲が下がる思いでした。ハムさん、泣かないで出来ましたね(笑)。
ハムさんの息子でしたっけ、PCにやたらと詳しい少年は。その技能が生かせるだけの人格が備わって欲しいですね。でないと末恐ろしい…。
全体的な印象としては、歴史的な寺社巡りや、キリスト教信者たちが十字架の道行きを歩くのと同種のものを感じました。パンフレットが完売だったため、公式サイトの小さくて読み辛い文字をさらりと追ったところ、ジャスティンが妻の死の真相を調査するようになって能動的になっていったとの事。そしてそれと共に、より深くテッサを愛するようになって行ったに違いありません。重厚な歴史やキリストの痛みを思いながら足を勧めるうちに、それらに対する関心が一層深まり、更なる探究心、或いは信仰心が高まっていく(と私は考えている)のと同様に、ジャスティンはかつてないほど彼の妻を愛していったと。
活動家テッサの情熱は時に周囲を不愉快にさせたかもしれないけれど、それほどまでに終始一貫した彼女の行為や存在は、スワロフスキークリスタルの鋭いカットが放つ毅然とした輝きさながらのように感じました。そういう、なよやかでない部分にも(こそ?)ジャスティンは惹かれたでしょう。そして我知らず、感化されていったと思うのです。『今、この子を救える』と言う台詞がそれを明らかに表していますから。
最期まで、この夫婦は正義だったと思うのです。今や国内でも、恐らく普通に行われている治験。新薬については、充分な動物実験を経てから臨床試験に入るはずですが、どういうわけかいきなり人間が実験対象とされてしまっている影の(?)実情は、思いの外厳しい問題のようですね。その臨床試験だって、第4相くらいまであるのですよ。第二次大戦中のナチス独逸などの行為に対する反省を含めて色々と定められた事柄があるようですし、何故治験などと言う事がまかり通ってしまうのか、ちょっと飲み込めません。人間って、そんなに汚い生き物なのでしょうか。告発のシーンは溜飲が下がる思いでした。ハムさん、泣かないで出来ましたね(笑)。
ハムさんの息子でしたっけ、PCにやたらと詳しい少年は。その技能が生かせるだけの人格が備わって欲しいですね。でないと末恐ろしい…。