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舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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天保十二年のシェイクスピア
主なキャスト(敬称略)

佐渡の三世次:高橋一生
きじるしの王次:浦井健治
お光/おさち:唯月ふうか
鰤の十兵衛:辻 萬長
お文:樹里咲穂
お里:土井ケイト
よだれ牛の紋太/蝮の九郎次:阿部 裕
小見川の花平:玉置孝匡
尾瀬の幕兵衛:章平
佐吉:木内健人
浮舟太夫/お冬:熊谷彩春
清滝の老婆/飯炊きのおこま婆:梅沢昌代
隊長:木場勝己

@日生劇場 2階A列上手


 一時期は、舞台や映画に原作となる文学作品がある場合は必ずと言ってよいほど読んでいました。最近では、買いはするものの観劇当日までに読破できないとか、全く読まずに来てしまった、とかザラですが、本公演に登場するシェイクスピア作品のいくつかも、原作読書にハマっていた時期に読んでいたので、少しばかりですが「これはあれだな」とニヤリする楽しみがありました。片や、私の隣で見ていた同行の家族は「ハムレット」の有名な一節も、ロミジュリも、ミリ知ら状態だったようです(その事実を観劇後に知った)が、楽しかったみたいなので誘ってよかったなぁと思いました。

 大きな枠組みがストプレやミュージカルで馴染み深いロミジュリだったことと、三世次が鵜山演出版で好きだったリチャード三世を担っていたことで、私にとっては随分「顔見知り」の感を抱きました。とは言え「十二夜」を除く全作品が登場しているとなれば私も履修済みなのはほんの数作品……中途半端に知っているだけに、全部の出典を知りたい!と欲が出ます。

※以下ネタバレあり

 特に面白かったのは、To be or Not to beを歴代の翻訳で繰り返すくだり。シリアスな所からのこの展開だったのですが、ハムレットを担う浦井さんの表情がどんどん崩れていっちゃうのも可笑しかった。道化的な役割の木場さんに、もういい加減にしてよぉと音を上げそうなお顔でした。ひとつのセリフに数多の翻訳、言葉遣いも受ける印象も、リズムも違って、耳だけでなく目でも味わいたいところ。上演台本を読んでみたいなぁ。

 それから王次とお光をくっつける妙薬を作る場で浄瑠璃に見せるところも面白かった。こうして、こうして、こうしちゃおう!と魔女たちが話し合っているのを具体的に示す感じで、漫画だったらもくもくの吹き出しの中の絵という位置付けなのかなぁ。女性の膝から下を折りたたんだところなんて本当に文楽人形そっくりで、当時の人形師は本当によく観察していたんだ。ここは「夏の夜の夢」だろうな。バレエと映画でも見たことある!

 我らが王次の女慣れしている感じが、ご本人にはあまりない役柄のような気がしてたいへん美味しゅうございます。貴重な着流し姿も素敵でした。登場すぐのダンスシーンもこなれ感がかっこよくて、もう一度見たいな〜〜〜!!!!そして実年齢より20歳も違う役をされても違和感がない!若い!ツイッターでそういう感想を目にするまでご年齢のことなど忘れていました。やはり見せる・見られるお仕事で肉体(声でしょうか)を使っていると、いつまでも瑞々しく居られるのでしょう……。ところで王次も女を抱きますが、王次のみならず、性風俗の描写が今まで私が見た舞台作品の中でも屈指のえげつなさだったようでした。まぁ天保年間のご時世はあんな感じだったのかな。大きな花街があったのですものね。それもいまほど気密性の高くない建物で。そういう内容のお歌で、言葉を聞いて頭に浮かぶ映像をそのまま出そうとしたら修正線が必要なのですが、そんなことを語っていても、非日常使いの雅やかな表現にごまかされて上品に聞こえてしまうの、不思議ですね。貞淑なおさちもソロナンバーの最後の節で「泉」という言い回しをして、ひと通りは肉体の感応やら官能やらを体験として知っているんだなとわかりました。

 ところでやっぱり読んだり見たりしたのに気づけなかった作品が悔しくて!コリオレーナスはトムヒ主演の舞台をNTLで見たきりだから日本語でのインプットがなかったし、トロクレは浦井さんとソニンちゃんの舞台でみたけれど、セリフまでは思い出せない。テンペストは文楽の再演を待ちながら本を読んだけれど、エアリアルが可愛いことと、文楽版での娘の名前が美登里だったことしか覚えていない。シンベリンは公演中に二度みて、その後映像でも何度か見たのに、繋がるものを見つけられなかった。タイタスアンドロニカスは映画で見たきり。ヘンリー六世の要素に気づけなかったのも悔しいな。ヴェニスの商人はみきじーが四季に客演したときに見たじゃないの!うーむ、やっぱり知っているものだけでもいいから全部探したいですね!あ、マクベスは読む前にメタマクを見てしまったので未だに書籍は手付かずなのですが、妻たちが夫を唆して先手を打たせようとするくだりがそれですかね?

 何曲か、歌詞もプログラムに掲載されているのですが、もう一度読みたいお冬ちゃん(オフィーリア)の棺の歌がなかったの残念です。こういう、ここもっと、ここもう一度、がかなり多いので、円盤の購入を真剣に検討します。

 出典探しという名の宝探し、したいですね。
 
posted by Elie | DANCE, BALLET, PLAY | - | - |
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