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「ドニー・イェン COOL」
 英語の題はBallistic Kiss。VHSのみだと思います。タイトルから、もっと酒やギャンブルに若い衝動を持て余したヤンキーの映画かと思っていたら(それにしてもひどい思い込みである)、とっても繊細で切ない作品でした。ドニーさんは主人公のキャット・リー役。孤独で、過去に深いかなしみを抱えた元刑事の現暗殺者。

 暗殺者として生計を立てるから気持ちの上で切り離しているけれど、このひとはスコープの向こうにちゃんと人間を見るんだろうな、と思いました。同僚の裏切りにあって心に傷を負い、癒える処方箋がなかなか無いでいる刑事の物語ですが、天使が間違えて地上に落っこちて、生き方がわからず悪い風向きにのって流されてしまったようにも見えます。捕まえていないとどんどん風に乗って行ってしまう。違うほうに行くやり方も知っているけど、もうどうにもならないんだっていうみたいな哀しい目で、凛と生きるキャリーに憧れを込めて見るのですね。きみのほうが天使だねって。

 正義の道をまっとうに歩んでいて、これからもきっとそうであったはずの若者が、いちばん望んでいるわけもなく、予測し得なかったほうに転んでしまったなんて。キャットを見ているとすごく胸が苦しくなる…少しでも心が安らいでてほしい…と思わずにはいられない、水の底で泡が立って見つからないように息を殺している、ドニーさんの哀しみに満ちた眼差しなのです。

 キャットのメガネ(サングラス?)、拷問の際に目をどうかしたのかと思いましたが、狙撃していたので目に問題は無いのかな。ひとりになったあと、なんらかの拠り所だったのかな。激しい場面でも外さないので、自分を隠すため?守るため?刑事だったキャットといまを切り離すため? ひとつひとつに込められた意味がありそうで、いろいろ考え込んでしまいます。

 アクションは銃撃戦が多いですが、接近戦はほぼ肉弾戦でした。いつもながら速い、そして強い。証拠を残さず、生存者も残さない暗殺者なので容赦なく、戦うときの目つきは正義を追求する刑事の名残を感じます。キャットは名前らしく夜に立ち回るので、アクションシーンの明かりは暗めで、VHSという条件も加わり正直少し見づらさがあります。円盤化、しないかなぁ。。。

 本作に関して、ウィキに書いてあることを読んだら、これまた泣けてしまう。ドニーさん、映画を作り続けてくれてありがとう………と感謝せずにはいられませんでした。
posted by Elie | DONNIE YEN | comments(0) | trackbacks(0) |
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