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「孫文の義士団 ボディガード&アサシンズ」
 革命派リーダーの孫文と、彼を暗殺しようとする清国のアサシンたち、そして孫文を守ろうとする義士団(タイトルに照らすとボディガードのほう)をめぐる群像劇。義士団と言っても、いろいろなところから集められた、いろいろな背景を持った人々で、ドニーさんはその義士のひとりシェン・チョンヤンを演じています。

 これから観る方にはネタバレになります。注意。



 ひと言で言うと、ダメな父親。腕は立つけれど(ドニーさんですし笑)賭博で身を持ち崩した警官です。妻との仲を裂いたのは、愛の終わりではなく現実だったという、言ってしまえば身から出た錆。孤独のうちに送る生活は当然貧しく、あり金も賭博に使ってしまう有様なのに、こんな状況にあっても気高さを失わないのはひとえにドニーさんの佇まいゆえなのかもしれません。幼い娘と束の間の再会をする場面があるのですが、覚えているのかいないのか、じっと見つめはするけれどパパに抱っこを求めるでもなく、呼びかけるでもない様子。シェンはというと、抱いてやりたいけれど、触れることすらできないで、下唇を噛みながら、込み上げるいろいろを押さえられそうにない。こんな切なくて悲しい再会のシーンを見たのは初めてかも。

 ひとつ余談をすると、聞くところによれば、ドニーさんは大切なものには手の甲で触れる癖があるということ。どこまでお芝居に表出するのかはわかりませんが、この再会の場面で、娘の頬に指の甲側で触れようとして見えたのですよね。それとこれとが結びついたら、なおのこと切ない…

 父親として、夫としてはあまりよくなかったシェンですが、一本とおった志は見事。殺陣がとてもダイナミックで素晴らしかったです。ダイナミズムは「レジェンド・オブ・フィスト」と似た感じ。動きや跳んだときの放物線が緩やかで長いの。最後がちょっとやけくそというか、悪あがきに見えないこともなかったけれど、シェンは最後まで戦い抜きました。義士たちが散ると、その最後の姿と生没年、名前、出身地が出るのですね。これが、歴史的には名もなき人たちだったかもしれない(私が知らないだけなのかもしれない)けれど、ひとつの目的に向かって命を賭した仕事をしたという証明というか、いまの我々はこうして彼らの死を見つめることができる、哀悼の歌のような気もしてきて…

 こういうふうに歴史の中で木の葉が散るように消えてゆくひとたちがいたから、次へ繋いでゆくこともできるのであり、木の葉が土に還って、その土が木や草やいきものを育むみたいに、ひとびとの思いも循環し得る。(ここでローグワンのスカリフの戦いを思い出して泣く)

 何人か見覚えのある役者さんがいらっしゃいました。影武者の男の子は関羽に出てきた朕だったし、彼のお父さんは天地英雄の摩訶不思議なおっさんだったし。黎明さんも。アスーは「かちこみ!」でドニーさんの弟役でした。こちらは前髪がかちこんでおらずわかりませんでした。それにしても、シャオミン(葉問のレオン役)とルイス・クーの区別がつかないほどでしたが、もしかして少しずつ顔がわかるようになってきたかも!
posted by Elie | DONNIE YEN | comments(0) | trackbacks(0) |
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