BOOK SHELF
舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
好きなものは好き!

ご連絡はコメントかメール(カテゴリーから選択)でお願いいたします。
since 2005.Feb
<< Baked Hotel | TOP | 「ラストキング・オブ・スコットランド」 >>
「SHAME」
 これの前にマカヴォイさんが少しだけ出演している「Murder in Mind」というドラマの断片(字幕なし)を見たのです。マカヴォイさんは主人公の先生(校長先生をしているらしい)に声をかける男娼の役。冬であるにもかかわらず薄着で寒そうにし、あの人を惹きつける顔でにっこりと微笑んで、こちらがあえてしまい込んでいるものに触れながら知らぬふりをして離れてゆくような…男娼として「そう」やって生きるようになって身につけたものが自然に滲み出てくるような仕草。計算を計算に感じさせない小首の傾げ方、声の調子、きっとあのひゃひゃっとした甲高いのや、くくっと喉の奥を低く鳴らすようなのも、使い分けてるに違いない。笑い方ひとつで相手を翻弄する長けた感じ。声も感情も、震えとか揺らぎがすごく危うくて色っぽい。御しがたく激しいものが迸る(またはあえてそうする)のとか、下手に触ったら壊れてしまいそうな繊細さがありながら、狡猾に自分を隠して相手をあおったりとか、ひとを惹きつける美貌と高潔さとを持ちながら、破滅的でゲスい。これ真骨頂かも。

 うーんたまらん!なんて騒ぎ立てていたら、ふぉろわさんが本作「SHAME」を勧めてくれました。マイケル・ファスベンダー主演、性依存症の男性の物語です。たとえば共演回数の多いコリンとマークが、どの作品でも役柄上で幸せになれないと、違う世界線でもいいからどうにかして決裂せず、平和と安息を得てほしいと願ってしまうように、X-MENシリーズで共演しているマカヴォイさんとファスベンダー氏の役柄をクロスオーバーさせたらどんな化学反応が起きるのかという、そういう視点をとっかかりにしたお勧め作品でした。

 物語は、性依存症のブランドン(ふぁす)の生活が、彼の妹の介入により崩壊してゆくというもの。色合いが全体的にパサついた感じで、その行為が本当ならもっと愛に溢れていたり、相手への気持ちがありそうなものを、ただバイタルを維持するために摂取するサプリメントのような、しかも一日数回ではなく、暇さえあれば、できることなら延々点滴しておきたいようなものになっているように見え、そういう自分の感覚が常軌を逸しているとどこかで理解しているからこそ、女性を(時には男性も)そういう対象にしか見ていない自分に気づいて苛まれるのかもしれないと、ちょっと息苦しいような気持ちになりました。

 で、ここにマーティンくん(「Murder in Mind」のマカヴォイさん)がやってきて、同情でもなんでもいいから少しずつ芽生えるものがあったとしたら、お互いに求めるもの、与えられるもの、どうしたいか、どうありたいかという相手への欲求がうまく満たされない空洞が生まれて、切ないすれ違いが起きるのかな…と想像して、うつくしいブランドンの肉体の内側に潜む癒しきれない闇を垣間見るような心地になるのでした。

 妹が>>>>ネタバレ>>>>自殺を企図して手首を切った<<<<ネタバレ<<<<とき、ブランドンは必ずしもそれだけではないのに自分がすべて悪い気がしなかっただろうかとも考えました。
posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
posted by スポンサードリンク | - | - | - |
コメント
コメントする










この記事のトラックバックURL
http://citychrom.jugem.jp/trackback/1419
トラックバック