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「ブリッジ・オブ・スパイ」
 実はトム・ハンクスが好きなElieです。予告編に惹かれて観てきました。米ソが核爆弾やらの製造や保有を巡ってピリピリしていた時代、ブルックリンの弁護士ドノヴァン(トム)が両国の捕虜の解放のために奔走する物語。ドイツを東西に分断する壁が築かれた頃、「コードネームU.N.C.L.E.」とほぼ同時代、数年前?という感じでしょうか。歴史的・政治的に難しい社会情勢を背景としながら、描かれているのはひとりの男の不撓不屈の物語でした。

 アベルが捕まったときやドノヴァンと初対面したときの動じない様子は、仕事人としての誇り高き精神を感じさせますが、始末されるかもしれないことに覚悟と諦めも何となく感じられ、少し悲しい出会いにも見えました。こんなところから始まったふたりの関係が、物語が進み、状況が変わり、そんな中でもドノヴァンがぶれることなく使命を、それも自分の信ずるところを揺らがせずに使命を果たそうとする姿に、それからほとんど友達にも近いような感じで打ち解けてゆくのに、アベルも表情は変えないけれど心を動かされたに違いないのですよね。真心は伝わる。彼がドノヴァンに語る昔の日々に登場する不屈の男が、時空を超えてリンクしてきます。

 情報戦なので、派手なことは起きず、むしろ地味に進んでゆきます。が、クライマックスの引き渡しが行われるかどうかは、同じ時間を過ごしているかの如くでした。家に帰りたい人が帰れますようにと祈ってしまったほど。しかしこれがいくら政治的にうまくいっても、条件がクリアされて目的が達成されても、弁護士の仕事はここまで。どんなに心を痛めても、壁を越えようとして撃ち殺されてしまった人々まで救うことはできない。列車の中から悲惨な現実を目撃してしまう場面も、とても印象的でした。これの対になるシーンが終盤にも挿入されて、あ、なんかうまいなぁと。ちょっと救われた気持ちになってしまいました。

 重すぎず、軽すぎず、でもちゃんと質量を感じる、あんなにいろんな風が吹き荒んで寒いのに、人の温かみが伝わります。心に残る映画にまたひとつ出会えました!あーほんと、観に行ってよかった!!もう一度くらい見てもいいなぁ〜
posted by Elie | MOVIE | comments(0) | trackbacks(9) |
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2016/01/16 20:47
その男、不屈につき。 スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演、コーエン兄弟が脚本と聞けば、映画ファンならこの面子だけでワクワクしてしまうだろう。 現代アメリカ映画界最高の才能たちが挑むのは、米ソ冷戦下の1957年から62年にかけて実際に起こっ
ノラネコの呑んで観るシネマ
2016/01/18 18:11
正直なとこ私があんまし見るタイプの映画じゃない。(わわわわわ) でも、安定のトムハンクス。ヾ(・∀・;)オイオイ ジェームズ・ドノヴァンは、フツーの市民、フツーの弁護士、それも保険の。 それが、形式上は弁護士をつけなきゃくらいの気持ちで選ばれただけだっ
ペパーミントの魔術師
2016/01/19 22:04
ブリッジ・オブ・スパイ '15:米 ◆原題:BRIDGE OF SPIES ◆監督:スティーヴン・スピルバーグ「リンカーン」「戦火の馬」 ◆主演: トム・ハンクス、ピーター・マクロビー、アラン・アルダ、イヴ・ヒューソン、エイミー・ライアン、オースティン・ストウェル、
C’est joli ここちいい毎日を♪
2016/01/21 01:39
[ブリッジ・オブ・スパイ] ブログ村キーワード  “監督 スティーヴン・スピルバーグ”“主演 トム・ハンクス”“脚本 イーサン&ジョエルのコーエン兄弟”。各部門でそれぞれ2度のアカデミー賞に輝く彼等が集結した、或る意味夢のような映画「ブリッジ・オブ・スパイ
シネマ親父の“日々是妄言”
2016/01/26 21:54
 『ブリッジ・オブ・スパイ』を吉祥寺オデヲンで見ました。 (1)今度のアカデミー賞作品賞の候補に挙げられている作品というので映画館に行ってきました。  本作(注1)の冒頭では、「1957年 冷戦の高まり。 米国とソ連は、互いに相手の核の能力と意図を怖れていて
映画的・絵画的・音楽的
2016/02/05 17:32
非常にきちんとした作品。更に言えば、トム・ハンクスの独壇場。きちんと真面目に職務を遂行する男。それがトム・ハンクス扮するジェームズ・ドノバンだ。ドノバンは、保険関係を担当している一介の弁護士だ。冒頭の日常業務の描写で、その後の出来事での彼の戦略を象徴
ここなつ映画レビュー
2016/02/06 03:02
[ブリッジ・オブ・スパイ] ブログ村キーワード ↓ワンクリックの応援お願いします↓ おみくじ評価:大吉 2016年3本目です。 【あらすじ】 アメリカとソ連が冷戦下だった1950〜60年代。 ソ連のスパイ・アベル(マーク・ライランス)の弁護人になったジェームズ・
必見!ミスターシネマの最新映画ネタバレ・批評レビュー!
2016/03/10 22:36
9日のことですが、映画「ブリッジ・オブ・スパイ」を鑑賞しました。 弁護士ドノヴァンはソ連のスパイ アベルの弁護を引き受ける 敵国の人間の弁護に周囲から非難もあったが死刑を免れ懲役刑となる 5年後、アメリカがソ連に送り込んだ偵察機が撃墜され、乗組員が捕獲
笑う社会人の生活
2016/05/17 17:13
監督 スティーヴン・スピルバーグ 主演 トム・ハンクス 2015年 アメリカ/ドイツ/インド映画 142分 ドラマ 採点★★★★ 私の世代的なものもあるのかも知れませんし、いつ見ても似たり寄ったりの服装にモジャモジャ髭と変わらない風貌のせいかも知れないんです
Subterranean サブタレイニアン