BOOK SHELF
舞台・映画などの鑑賞記、感動をそのままに。
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「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」
 ジョニー・デップ主演の髭アレルギーコメディ…ではなく、破産寸前の貴族が裏商売で一攫千金を狙うどたばたアクションコメディ。深いことは考えずに笑いながら見られる気楽な作品でした!ジョニーのウィリー・ウォンカ系のキャラクターはみんなしてキュートなおばかさんだから、愛さずにはいられません。

 本作のMVPは何といってもベタニーの演じた従者のジョック。撃たれても撃たれても必ず主人を助けに来てくれる屈強なヒーローであり、お菓子を片手に映画を見たり、がっしりした腕でハンケチにアイロンをかけていたり、可愛いところもあってキュンでした。

 でもやはり…同じ美術系コメディ(に括ってよいかわかりませんが)なら「モネ・ゲーム」の方が好きな笑いでした。最近のジョニーでは「ラム・ダイアリー」「パブリック・エネミーズ」が結構好きかな。ただうっとりするなら「フロム・ヘル」「ショコラ」あたり。後者はね、作中の幼女になりたいです。
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「ラム・ダイアリー」
 久々に肌色をしたジョニーでしたね!造形がものをいう、ファッションショーみたいなキャラクターが続いたのでとても新鮮でしたし、瞳の饒舌さがやはり好きです。何かこう、ぐぐっと惹きこまれてしまうのです。“とうのたった青年”と新聞評にはあったけれど、年齢設定を知らなければ気にもならないほど、冒頭やシャワーシーンでさらされる肉体も、朦朧とする顔も美しい。いちばん年齢感を失うのは、ポールがアンジョルラスになったとき(訳:上層部を叩く記事を引っさげて闘おう・立ち上がろうと仲間たちに呼びかけたとき)と、幕切れにサンダーソンのボートで船出するときにサーラに微笑みを向けたとき。世渡り上手に見えて実は不器用で、周囲から舞い込む幸運とか厚意で順風に乗ってしまう印象の彼でしたが、酒浸りでも美しくて色っぽいって、それは天も味方するに決まっていますね。笑

 ドンパチファイトする作品を続けて観ていたためか、本作はとても静かで落ち着いた作品であったと感じました。モラルとインモラルの、エキセントリックな境界線で酩酊している、ギリギリの生き方と言うか、彼らの選ぶ手段がスリリングに見えたのです。酒も煙草も、闘鶏も、喧嘩腰の口から出任せな揶揄も、有力者の女も、長い目で見たら危険な橋を渡っているのかもしれませんが、今だとばかりに飛び込んで、そうしてしまったら全力で酔っ払ってしまえばいいじゃないの、というこれ以上ないくらいの大らかな感覚がとても羨ましく、目が見えているうちにたくさん見て、感覚がしっかりしているうちにたくさん感じよう、と励まされたような気になってしまったのでした。

 笑う作品ではないのですが、思わず声を立ててしまうカットが幾つかありました。ポールとサーラがふたりならんで双眼鏡で隣家のテレビをちゃっかり観賞しているところとか、サーラを座椅子にしてポールがハンドルを握り、住宅(ガレージ?)に突っ込んでしまう漫画のような場面とか。
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「ダーク・シャドウ」
 ティムとジョニーが組んで面白くないわけがない。と思って観にいきました。これを「シザーハンズ」や「チャーリーとチョコレート工場」や「コープスブライド」などなどと比較してしまえば、正直なところ切れ味はやや鈍っているかも解りませんが、作り手が、装置・視覚効果・演技など、どこにこだわったか、どういった悪乗りをしたか、アイデアを加えたか、など考えながら観るのは楽しいものです。この作品に関しての、私にとっての最大の見所は、アスファルト体験(この表現面白かったので拝借いたしました)から始まるバーナバスくんの現代生活。箪笥に入って眠っているのなんて、何だか肩身が狭そうでした(笑)。

 ダークメルヘンというのか、家に幽霊が出るとかはアトラクションのホーンテッドマンションに近い味がし、結局西洋モンスター勢揃い(というほど多種多様ではない)なところは「リーグ・オブ・レジェンド」を思い出させたけれど、そういう展開の中でキャロリンのエピソードはとってつけたような印象。確かに、普段の目つきや身構え方が、後から思えば人間らしからぬところはあったように思いますが、もっと掘り下げて欲しかったところ。しかし「ヒューゴ」のときとは役柄がガラリと違っていて面白かったです。一方、アンジェリークの徹底した悪魔女ぶりは寧ろ痛快。

 いい味出していたのは、監督もお気に入り(?!)というお婆ちゃん。彼女だけが日常感を失わずに画面に映り込んでいて、和みました。アンジェリークの反吐を拭いてあげた後、床を這う虫(Gかフナムシか)を見て、あぁもうお掃除が大変だわ、とばかりの反応をしたところいちばんそう感じました。

 ヴァンパイアのラブシーンはやはり重力と切り離されるのでしょうか。「ドラキュリア」でも、特にルーシーとのそれがそうでしたが。

 お屋敷改装の場面でカーペンターズを選曲するダジャレ(と思ったのですがw)が仕込まれていたり、落ち込んでオルガンに突っ伏し、額で不協和音を奏でたり、地味な笑いが散りばめられていました。原語がどうかわかりませんが、アンジェリークのおppaいに対し神妙な顔で“しぼんではおらぬ”と言っていたのも可笑しかったです。

 オチは容易に想像できましたが、こういう後日譚の存在をにおわせる幕切れは好きです。
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「シザーハンズ」
 スクリーンで見る好機!逃すまじと行って参りました。寓話的で、綺麗で、根源的な感情のたくさん詰まった、大好きな作品です。記憶の限り、マシュー・ボーンの舞台を観たあとには初めての鑑賞だったので、音楽から舞台の様子を思い出しながら二重に楽しみました。大画面のよいところは、ほんの僅かな睫の動きまで捉えられること。それだけでも瞬間的な印象は変わるもので、これほどびりびりとエドワードの怒りや妬みやそういったぐらぐらと煮え立つ心を感じたのは初めてでした。それだから、直後の場面でキムが“あなたこそ大丈夫だった?”とエドワードの瞳を覗き込むときの彼の、独りぼっちのところに落っこちた心が際立って、よりいっそう胸を締め付けられました。

 この作品を見るの自体は今日が3度目かそのくらいですが、何度見ても“Hold me,”“I can't...”のくだりは前が滲んで見えなくなってしまいます。

 午前十時の映画祭にて。
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「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」
 大好きなシリーズの、まさかの4作目。ジャックの姿を見るのも久しぶりです。如何にもアトラクション然として、要所の隅々でにやりとさせられる感じ、そういう端々に潜んでいそうなエピソードのとっ散らかった雑多な感じ、キャラクター造形の突飛さ・目新しさ等々は、やはり1作目が抜きん出ていると思いますが、本作はそれらとともに物語もどこか洗練されてしまい、前3作に比べると、つるりと綺麗な印象を受けました。海賊に関する書籍を見ていると必ず登場する黒ひげが登場したり、有名なふたりの女海賊(アンとメアリ)を想起させるアンジェリカがジャックと対峙したり、人魚伝説があったりと、私がイメージする海賊モノの原点にある要素が詰まった活劇でした。バルボッサの変わり果てた姿、片足の海賊というのも存在したような気がします。
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「アリス・イン・ワンダーランド」
 思っていたより淡々としていましたが、華やかで突飛なキャラクターはティムの味が色濃くて魅力的でした!「スウィーニー・トッド」の色調がモノクロームだったので、よりいっそう派手に見えます。

 殊に目を惹くのは、ジョニーの演じるハッターさん。ご本人が見えなくなるくらいの造形美は、もはやティム作品においては恒例ですが(笑)、今回も奇抜でありながら世界観そのもののような妙な調和を感じさせる出で立ちが素敵です。感情の流れるままに浮き沈みの激しい人物ですが、狂気の中にも愛嬌があって、彼の奇人ぶりがとても愛しいです。のんびりキュートなチェシャ猫と一緒の場面(大概帽子絡み)が気に入りました。もちろん、他のキャラクターたちも極端なデフォルメが面白く、可愛こちゃん揃いで眼福であります。

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「パブリック・エネミーズ」
 人肌を感じないCGアニメーションが2本続いたあとの実写映画は、とても見応えがあり面白かったです。街に溢れた1930年代当時の当世風に、美学を確立し貫徹する男らしさに、暫し現実感を盗まれて、すっかり見入ってしまいました。

 実在した題材を扱った作品柄なのか、語り口はやや淡々としていた印象ですが、逃亡を重ねるデリンジャーが今回はどのようにして逃げおおせるのか、臨場感のある映像で魅せます。ロッジからの逃亡劇では人員配置が解らなくなりましたが、そんなことは大した問題になりませんでした。それどころか、物語のクライマックスに向けて、愛の理想郷を追いかけて孤軍奮闘するデリンジャーの理知的な眼差しがいっそう映えるのです。

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PIRATES of the CARIBBEAN : On Stranger Tides について
 「パイレーツ・オブ・カリビアン」の第4作目として、こういうタイトルで2011年夏の公開を目指して製作陣が動いているようです。米のSF作家ティム・パワーズ氏の「幻影の航海」と同名の副題は、それを下敷きにしたお話になるのか、或いは単に作品のイメージが先行したものなのか、まだまだ詳細は出ていないようですが、楽しみですね。

 ウィルとエリザベスに関しては第3作目で大団円が描かれたので、今度はそれぞれの航海を始めたジャックとバルボッサを中心に語られるかも…という期待の声も見かけたような気がします。キーラとオーランドは3作目より以降のパイレーツ出演契約にはサインをしていないという記述も。(英文相手だったので、読解が怪しい)

 シリーズ3作を追って観ていくと、ハリウッド大作的な撮影規模・視覚効果処理の拡大ぶりには頷けますが、作品としては徐々に大味になってきている感じもします。やはりアトラクションから生まれた第1作目の、娯楽作品としての完成度はシリーズ最高峰だと思うのです。しかし私もそうですが、まだ観たことのないジャック船長に会いたいという欲目を持つ観客も多いのでしょうね。靴紐のビルから離れた冒険譚も観てみたいですもの!

 恐らくジョニーをジャック船長に配してプロダクションは動いているものと思われますが、こちらに関しては詳細な公式情報を波にたゆたいながら待つこととして、以下にはジョニーが出演している公開待機作品をメモしておきます。「アリス」のマッドハッターは、さすがティムとのコンビネーション、あのチョコレート馬鹿ウォンカ氏を凌ぐ造形美を成しております。いずれも公開が待ち遠しいものばかり!

■「パブリック・エネミーズ」2009年12月12日公開
■「Dr.パルナサスの鏡」2010年1月公開
■「アリス・イン・ワンダーランド」2010年4月17日公開

 以上、諸所からの情報を寄せ集めてみました。
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「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」 on DVD
 早いもので、劇場公開からもう半年も経ってしまったのですね。首を長くして待っていたスウィーニーのDVDを、例によって特典Discから鑑賞しました。

■特典
 やはり現場の貴重な映像は、見ていてワクワクしますね!製作途上のものがそこここに無造作に置かれている様子や、デジタル処理前の色味などが解るのも、博物館とか水族館で一般公開されていないブースを見学させて貰っているような気分になります。
 一番気になっていた喉元を切り裂く仕掛けも明かされていて、とても興味深く見ました。血糊は幾つかのインタビューで語られている通り、本当に明るい色でしたね。血液っぽさはあまり感じさせない色味かと思いますが、あれだけの量が無秩序にぶちまけてあるとそれはそれでゾッとします。人間の血液量以上の血糊を1回のシーンで使ってしまうと言うのだから…うーむ、凄い。写実的にしすぎず、寧ろ寓話的になるようにこだわって作ったそうですが、それは尋常ならざる血糊の量にも表れているのかな。それがあのラストシーン、美しいと言う言葉はそぐわないのかも知れないけれど美しいと言う他ないあのシーンにも彩(!)を添えているのかも。メイキングブックには、ティム自らこの場面の2人の周りに血糊を注ぎ足す写真がありましたが、そういう絶妙な感覚ってとても凄い。少なすぎても嘘だし、多すぎてもくどいし、血糊の量だけに限った話ではありませんが、そこの所の微調整にプロフェッショナルの職人魂を見て感激します。
 映画の特典Discとして不満だったのは、キャストインタビューや大道具小道具を紹介するセクションが少なかったことです。製作過程がミュージカルから映画に至るまでの変遷に留まってしまったのも、何となく中途半端な印象でした。スウィーニーのお話がどのように生まれて現在の形になったのかは、歴史的背景と合わせてとても勉強になったし、それを踏まえて本編を観たら、ジン(酒)が登場するのもごく自然な流れだと解りました。…それでもやはり、撮影の舞台裏をもっと見てみたかっただけに残念です。そういう分野に関しては、メイキングブックの方にたくさん書いてある気がしますね。グラン・ギニョールの話(ホラーは基本的に苦手なので少し苦痛でした;)を削って、役作りとか歌の稽古風景とかを見てみたかったし、ローラ・ミシェル・ケリーやジェイン・ワイズナーをもっと紹介して欲しかったです。
 余談になりますが、2008年日生公演「ベガーズ・オペラ」のプログラム(p.36)に使われていた挿絵が登場したので気分が盛り上がりました。ベガーズの時代と100年ほどの開きはあるのものの、一部の劣悪な環境は大して変わっていないのかな。

■本編
 感想は、劇場鑑賞時にこれでもかとしたためたのでこちらでは省略いたしますが、今回新たに感じた何点かを書いておきます。
 全体的に暗〜い色調なので仕方ないと言えば仕方ないのですが、スクリーンで観るのと違い、影になる部分は完全に真っ黒く見え、表情が解りづらかったです。。窓の外を見つめるスウィーニーの哀しい目は、逆にコントラストが利いて綺麗でしたけれどね。
 特典の方で喉元バッサリの種明かしを見た後だったので、カメラのこちら側で必死にポンプを操作しているスタッフがいると思うと、凄惨な場面であるはずなのに不謹慎にもクスッと笑ってしまいました。
 最後のトビーの表情に注目してみました。目の下の隈、剃刀を振るう瞬間の憎しみこもった顔。自分に良くしてくれたミセス・ラヴェットを奪ったスウィーニーへの復讐心からの行動だと考えるのが自然かな、と思ったのでそう仮定しますと、復讐は悪循環を繰り返すと言うことと、我が身を滅ぼすと言うことを強く感じますね。愚かで、恐ろしい話です。
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「フェイク」
 野郎どもがごちゃっと集まっている中でも、レフティとドニーは抜きん出て見えました。もちろんこの二人にフォーカスしたお話でありますし、アル・パチーノとジョニーの演技がそうさせたのだと思います。視線や目の奥の微妙な表情の変化で彼らの感情が雄弁に語られます。そう感じたのも、恐らくは本音が態度に出たらまずい世界だからなのでしょうけれど。それにしても、ドニーとレフティの間に交わされる視線には深みがあったと思います。緊張感と、安心感と、焦燥感と、友情(のような連帯感)と。
 ジョニーの視線の使い方については他の作品でも度々しびれますが、今回特に凄い!と思ったのは言わずもがなアル・パチーノのそれ。口では何気ない風を装っても、或いはソニー・ブラックの影で黙っていても、レフティの感情は常に顕だったように感じます。とことん出世に見放されていく自分を蔑み(あの世界で生きていくには人が良すぎるのかな)、密かにドニーを妬んだりもする。上にたてつくような本心とか、口に出したら門が立ちそうなのでしまっておいている妬み嫉みとかまで全てを理解したとはとてもとても言えませんけれど、深く、かつ解りやすい表現をされていたように思います。一方でこちらも見逃せないのが、複雑な面持ちのドニーです。例えは最悪ですが、まるで食用の家畜を飼うのと同じようでした。即ち、名前をつけたりして情が移ると、いざ屠殺する時に辛いということ。

 この捜査がうまくいっていることは、マフィアの誰一人としてドニーを疑わない所を見ても一目瞭然でしょう。しかし、それが結果としてレフティを殺してしまうことになる。レフティは深夜に出かけ、暗転中に銃声がし、射撃訓練をするドニーもといジョー・ピストーネの場面に繋がる。レフティが殺された、と思った次の瞬間、軽い安堵がありましたが、やはりあの一発でレフティは殺されたのだと思います。とは言え、そう明示されてはいないので、殺されたのだと考えていること自体がジョーの思考回路とリンクしているのかも…。

 地味な上に、後味のあまり良くない作品かも知れませんが、アル・パチーノとジョニーは深ーい演技をしていると思うのです。淡々とした作品なのに、こんなに感傷に浸るだけの余韻があるのだから。(…まぁ実際、いちばん苦労するのはジョーの奥さんだと思いますが;)
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